第20章 嫁の愚痴
私『ただいま…』
S子『パパが帰ってきたよー♪』
Rちゃん、Kちゃん、S子の3人が玄関で迎えた。
3人『お帰りなさい〜』
私『ただいま!』
3人の顔見ると少し元気が出た。
S子『元気ないなぁ。どうした?何かあった?』
私『色々大変な出張やったから…』
この3ヶ月間の出来事を話したのだが…
S子『嫌な奴はどこにでもいるよ。皆んな我慢して働いているのよ。あなたの思う様な会社は無いよ。』
私『………』
何も言えなかった。
私が出張している間、何度かS子から電話があった。
子供の事や、S子の勤め先の話など…
でも、私は疲れているからまた今度聞くと言い早速さと電話を切ることが多かった。
思えばこの頃から彼女は不満に思っていたに違いない。
S子『まさか、会社辞めるとか言わないよね?』
私『だ、大丈夫…何とか、頑張るから…』
S子『私さ、今でも腹立つ事があるんだけどさ、聞いてくれる?』
私『な、何?』
S子『私もさ、毎日残業して大変な思いで仕事してさ、そんな感じで結婚式むかえたでしょ?』
私『……』
S子『新婚初夜なのに……お姉さん夫婦やその子供達にも気を遣ってさ、翌日もレンタカー借りてドライブに付き合わされて、ただでさえ疲れているのに…』
私はショックだった。今更、そんな事…
私は姉家族を招待出来たことや、沖縄で離れているので皆んな仲良くなれるチャンスと思い計画した事。彼女もそれを理解していると思っていたが、彼女は違っていたようだ。
しかも…何故?今頃そんな事を…
恐らく、私が出張の多い仕事を選んだ事に対する不満もあるのだろう。
私が全て悪いと思った。何が何でも稼いで私と一緒になって良かったと言わせてやると…
それほど私は彼女の事を愛していた…
が、いつしか自分自身の気持ちを押し殺し、彼女を喜ばせる為に生きる事に…
結果、彼女に依存していく形になって行くのであった。
翌日、会社のTさんに電話を入れ次の仕事の段取りをお願いした。
T『ありがとう!もう、辞めると思っていたんだよ。一緒に頑張って行こう!サポートするから!』
と、かなり喜んでいたが私には不安しかなかった。
全国に出張に行く会社なのだか、珍しく家から通える現場に2人と、下請けのトビさん5人引き連れて行く事になった。
会社の作業員は全員で15名程いるのだが、その内10名は岡山県の仕事で週末土曜日になると会社に帰ってきた。
月曜日から金まで岡山に泊まり週末に帰ると言うサイクルだ。
珍しく皆近い現場だった。
土曜日の終末になると会社事務所に集まった。
私達の現場も近かったので作業終了後は会社に行きその日の進捗状況など話し帰ると言う感じだったが皆んなが集まる週末は違っていた。
初めて会う人もいて自己紹介したりしたが、雰囲気がなんだか変だった。
と、言うのも一通り仕事の話しをし終えても誰も帰ろうとしないのである。
時刻は、夕方18時を過ぎていた。
それぞれがそれぞれの仕事の話しや、世間話をしている。
私は、一緒に現場に行っている先輩に聞いた。
私『何故、皆んな帰らないんですか?』
先輩『………』
先輩『……わからん…』
私『帰っても良いですか?』
先輩『皆残っているのに帰れないでしょ。』
時刻は22時になろうとしていた……
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