第17章 三男坊K

フェリーに揺られる事約12時間程で鹿児島県に到着し、そこから更に別の船に乗り2〜3時間…


ようやく目的地の島に着いた。


精神的にも肉体的にも疲れ果てていたのだが、間髪入れずに現場に連れて行かされ働かされた。


三男坊Kは、私の事を◯やんと呼んだ。


K『おいっ!◯やん!さっさと道具運ばんかい!』


私『仕事は明日からじゃ無いのですか?』


K『なに甘い事言ってるんや!さっさと動かんかい!』


歳が私より13〜4歳離れている歳下の子にそんな口の聞き方されるのは初めてだったので怒りよりも驚きの方が強かった。


私『はい。わかりました…』


疲れた身体に鞭を打ち、何とか5時まで頑張った。


この日は翌日からの仕事の段取りと打ち合わせで終わりとなった。


皆んなで民宿に向かう。部屋は1人ずつだったので、それだけが唯一の救いだった。


18:30に食事だと言われ、それまでお風呂に入り少しの間休憩していた。


深いため息を吐く…


私『先が思いやられるなぁ〜』


その時部屋のノックがなった。


K『◯やーん!◯やーん!』


うるさいのがやって来た。


私『何すか?』


K『飯行こうや!さっき食堂覗いたら、めっちゃ美味そうやったで!ビールは毎日1本会社の奢りだってよ。』


私にはどうでもいい。とにかく1人でゆっくりしていたかったが、一応私の上司なのでおとなしく言うことを聞いた。


食事しながらKの事について色々聞いてみた。言葉使いはかなり悪いが、若い割には意外と兄貴肌で一応私の事も気遣ってくれていた。


彼の生い立ちもまた少し可哀想であった。[機会があれば書きたいと思う]


そのせいもあって女性の様な優しさも持ち合わせていた。

悪い子では無い事は解ったが…

まぁ、女性の優しさを持つチンピラに変わりは無い。


そんな事よりもご飯が美味しい!刺身、煮魚、お野菜の天麩羅やお浸しなどなど、全て島で採れたものばかりで超新鮮で本当に美味い!

食べきれないほどの品数で大満足した!


人間不思議と美味しいものを食べると笑顔になるもんだ!

満足した私は部屋に戻る事にした。


明日からの仕事が少し不安になる…

が、ここまで来たら逃げも隠れも出来ないので限界まで我慢すると腹に決めた。


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