第12章 除霊
翌朝、S子はぐったりとしていた。
私『大丈夫?朝ごはん食べたら神社に行こう。』
S子『何だか、行きたく無いな…』
恐らく得体の知れない何かが…抵抗している様に思えた。
皆んなで駅まで歩いて行く。この日は天気がよく爽やかな風が心地よく吹いていた。
皆んなでお出かけと言う事もあって、少し気分が良い。
電車に揺られる事約20分程で最寄りの駅に着いた。神社まで歩いて15分山道だ。
子供達にはキツい道のりなので途中ジュースを買い休み休み目的地まで歩いた。
それでも子供達は愚痴ひとつ言わず歩いてくれた。
私『神主様お願いがあります。私の妻が、何かに憑かれています。どうか、除霊をお願いしに参りました。』
籍入を入れて無かったが、便宜上私の妻と紹介していた。
神主『私共の神社では憑き物を落とすと言う行為はやっておりません。 しかしながら、奥の院に◯◯と言う神様がお祭りしてあります。 それはそれはかなり強い霊力を持っていらっしゃるそうで、そこでお参りをする事で、憑き物が取れたと言う話しをお聞きします。 宜しければそちらにご案内いたします。』
腹がたった。なんとまぁ、人ごとだと思っているのか。心の無い言葉にイライラした。 これが沖縄ならもっと親身に話しを聞いてくれるのに……
仕方がない。せっかくここまで来たからにはと、奥の院に行き参拝した。
私『S子、どう?少しはスッキリした?』
S子『余り変わらない気がする。』
素人の私から見てもまだ、得体の知れない存在がいる様子がある。
S子『何だか疲れたわ。』
私『絶対大丈夫だからね。とりあえず、家に帰って少し休もうね。』
私は幼い時から、霊体に取り憑かれやすく何度かユタに払ってもらっていた。
ユタも『あんたは取り憑かれやすい体質だか、心霊スポットなど行かないように!』
と言われていた。
私は急いで沖縄の姉に電話した。すると、以前ユタをやっていたと言う人がいてその人に話を聞いてくれた。
※「ユタ」というのは、沖縄県と鹿児島奄美群島の民間霊媒師(シャーマン)であり、主に民間の霊的問題に関するアドバイスをする人たちのことをさします。
今はユタとしての活動はしていないので払う事は出来ないと。
そして私の事を少し見てくれた。
何でも取り憑かれやすい人は跳ね除ける力も持っていると。
何よりも私は片手で拝む事が出来る人だと…
片手で拝めるの意味はよくわからなかったが、とにかく私自身強い力を持っているのであなたがやりなさいと…
でも、一体どうやって?
私はパソコンで必死に調べまくった。
これだなと。ピンと来るものが出てきた。
とある、呪文的な物と作法が書いてある。
とその時、またしてもS子の様子がおかしくなった。
S子『何をくだらん事調べてるんだよ!』
子供達も恐れて私の背後に隠れる。
私はS子を無視して呪文と作法を30分かけて頭に叩き込んだ。
S子はまた普通戻っている。今がチャンスとS子を正座させ、背後に回り込み儀式を行った…
S子『あっ、何だか頭の中心からモヤモヤするような感じがする!』
私『大きく深呼吸して、一気に息を吐いて!』
S子が息を吐くと同時に背中を3回叩き呪文を唱えた。
私にも憑いていたのだろう。私の頭からも何か引っ張られる様な感じで何かが抜けていった。
S子はすっかり元気になっていた。
私達は安堵し、その日は皆んなで居酒屋に行き乾杯した!
まさか、私が除霊するなんて思っても見なかった。
これは一生で一度きりの事だと願うばかりだった。
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