第11章 憑依

Rちゃんには携帯電話を持たせていた。


私の携帯が鳴る。


私『もしもし…どうした?』


Rちゃん『パパ。なんか、さっき変な電話があった。なんだか怖いよ。』


私『わかった。Kちゃんも帰ってるの?家に鍵をして、知らない人が訪ねてきても出ちゃダメだよ。 パパも早く帰るからね。』


Rちゃん『うん。わかった。』


変な電話の内容はこうだった。

RちゃんとKちゃんと一緒に遊んでいる時、携帯がなった。


Rちゃん『もしもし…誰ですかー?』


少し無言が続いたらしい…


相手『……どこ。どこにいったの?ねぇー、どこ…』


と、女性の声だった。怖くなって思わずKちゃんに変わる。


Kちゃん『どうしたん?ねぇちゃん?』


Rちゃん『誰かわからない。話してみて。』


Kちゃん『もしもし…』


相手『どこ?どこにいるの?…』


Kちゃん『どちら様ですか?』


相手『ねぇ〜。どこ、ど、どこ…』


と、一方通行の会話に怖くなったKちゃんは携帯をきったそうだ。


私『ただいま〜』


R、Kちゃん『パパお帰り〜』


と言うと2人とも走り寄り私に抱きついて来た。


私『大丈夫だよ。外にも変な人いなかったし、多分、イタズラ電話だよ。確認するから、携帯貸してくれる?』


と、娘の携帯を確認する。が、家族以外の着信履歴がなかった…

子供達の様子から嘘をついている様には見えない。

そして、私の脳裏にあの引っ越しする時にテレビに映った逆さの女性が浮かぶ。


こ、これは、もしかするとなんらかの心霊現象かもしれないと思ったが、これ以上何も無い事を祈り気にしない事にした。


暫くするとS子も帰って来た。


S子『ただいま。今日は疲れたわ…』


と言うと、冷蔵庫から缶ビールを取り出すとリビングに座り飲みだした。


普段なら、顔を洗って片付け物をしてくつろぐのだが……

あぐらをかいてタバコを片手にビールを飲むS子。


S子『あー、イライラするわ』


私『だ、どうしたの?何かあった?』


S子『うるせ〜。』


子供達も驚き私の後ろに隠れる。


Kちゃん『ママどうしちゃったの?』


Rちゃん『普段のママじゃない。』


明らかに男性が入り込んでいる感じがした。


タバコを吸い終わったS子は我に戻っていた。


S子『あら、私ったら…ごめんね。』


子供達はママ〜と叫び泣きながらママに抱きついた。


S子は何故あんな行動をとったのかわからないと言った。

残業続きで疲れているだけよと…


これはまずい。私に憑いていた何者かが、S子に憑いたのは間違いないと思った。


私『明日皆んなで、近くの神社に行こう』


S子『うん。』

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