メモ(日付無し)













「『掲示板回』について語るスレ」







1:名無しさん

『掲示板回』について語るスレです

思いっきり語りましょう!


2:名無しさん

>>1


3:名無しさん

保守


4:名無しさん

テンプレまだ?


5:名無しさん

結局、彼女は問い立てを間違えていた


6:藤森愛奈

その日の夜、講義の後一度帰ってから活動を始めることにした

赤坂のアパートから例の先輩の家へ向かう

バッグにはこれまでの資料が入ったUSBとタブレット

それと一応、護身用のスプレー、痛いやつ

どんな人かわからないし、ヤな予感もするし

緊張しながら部屋を出た

大学へ行くのと同じ方向へ行き、丸の内線に乗る

電車が走り出す

車内は妙に空いていた


7:名無しさん

というお話だったのサ


8:名無しさん

>>6

糞コテはタヒねよ


9:名無しさん

「また~か?」

「後は消灯して終わりです」

このようなミームは存在しない


10:藤森愛奈

不審に思うことは無かった

もう結構遅かったし、雨が降っていたし

ただ、人の少なさで冷房が効き過ぎているような気がする

それとも自分のいる位置が風が当たりやすいだけ?

それでキョロキョロと周りを見ていると、蹲っている人がいた

車両の中央辺り、私からの距離は数メートル

他の人は何もしない、というか気付くと他に誰もいない

私は咄嗟に蹲る人の元へ駆け寄る

若い女の子、私と同じにも中学生にも見える小柄な子

飾り気のないブラウスとロングスカートで上品そうで

でも髪は短く二つ結びで幼く見えた

「大丈夫ですか?」

「ああ、平気やで。ちょっと飲み過ぎただけや」

奇妙な関西弁で、ちょっと猛虎弁みてーだな

おっといけない、ミームのことばっか考えてたから

彼女は自分で立ち上がったので、私も元の場所に戻る

しかし、またすぐ蹲った

「またですか、車掌さん呼びましょうか」

「平気やって」

と彼女は再び私の方を見ないまま立ち上がる

ヒラヒラ手を振りながら、ヘラヘラ言った

「後は消灯して終了やからね」


11:名無しさん

はいはいチラ裏チラ裏


12:名無しさん

この後死んだんだよね・・・


13:名無しさん

このようなミームは存在しない

結論から言うと、これは痕跡である


14:名無しさん

「消灯」「終了」「卵」「女」

これらの単語やその意味も別に関係ない


15:名無しさん

正体を知る為に見るべきものは他にある


16:名無しさん

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!


17:藤森愛奈

最初聞き間違いかと思って、でも聞き直すのも嫌で

すぐ電車が止まったから外に飛び出した

前に読んだ話みたく追いかけてこないか気が気でなかった

でも女の子は別に降りたりしなかった

でも階段を駆け上がると、おかしいなって思う

どうも人が少ない気がする

人でごった返すはずの改札階にいるのは3、4人ぽっち

一人もいないんじゃないのが逆に気に掛かる

その人達が私を見ていたり、何かしてくることはない

でも、何故か良くない気がして仕方がないのだ

サラリーマンとか駅員さんとか、普通の人達のはずなのに

違和感、というか異物、そう、異物感があった

駅から出なきゃ

私は周りに気取られぬよう、今度は平静を装って歩いた

阻む者はいない、ただ構内から出られる

やった、

と意識を取られて前を横切る自転車にぶつかりかけた

「どこ見とるんや!」

「わ、ごめんなさい」

「全く。蕎麦がこぼれるところやったわ」

変な関西弁で怒鳴られて平謝りする

見れば、フードデリバリーのバッグを背負った若い女性

ヘルメットの下から短い二つ結びが見えた

あれ、この人…

彼女も覚えがあったようで首を傾げてから一言

「また君かあ」

その声色はさっきと寸分違わず一緒で

「後は消灯して終了やからね」

言うこともやっぱり同じ


18:名無しさん

正体を知る為に見るべきものは他にある


19:名無しさん

それはこうやって現実に出てくる前から

何度も何度も何度も何度も現れていた


20:名無しさん

今だってすぐ↑にあるのに


21:名無しさん

「再度の怪」

怪談によくあるパターンなんだってね。


22:名無しさん

もうだめぽ


23:藤森愛奈

私が悲鳴を上げるより先に彼女は走り去っていく

一人その場に取り残されて、私は…いや

本当に一人?

都心の駅の傍で、私は奇妙なほど心細さを覚えていた

辺りにいるのは10人ちょっと

雨とはいえ、やっぱり少ない気がする

その人達も何もしてこない

でも普通とは違う、異物にしか思えない

私は、引き返すこともできず元の目的地を目指した

大通りは、飲み屋やコンビニがきらびやかで

それでも人の数はずっと少なく思えた

目印の佃煮屋から細い通りに入って、何度か曲がる

通り過ぎる人達も全員おかしかった

おじさんもおばさんも中学生もみんな

みんな普通の身なりでただ歩いているだけなのに

私は逃げるように目的地へと進んでいく

この先の目印で右に、その先の目印で左に

記憶の通り歩いているのに、いつまでも着かない

いつまでもいつまでも、これもおかしい

もしかして


「おかしいのは私の方…?」


夜の新宿にポツリと呟く。

「ううん、違うよ」

そこはもうかなり細い路地で、

辺りにいるのも明らかに住人ですって感じの人だけ

答えた声はそのうちの一人、スウェット姿の女の人

真っ白い長い髪で、見たこともないほど綺麗な人

「マナちゃんは普通。ボクらからすると逆だけど」



24:名無しさん

Welcome to Underground


25:名無しさん

ミームとか言葉の誤用もそうだけど、

人間って気付いてなかったり知らなかったりするものは

「そういうもんか」と思って自然と無視しちゃうことあるよね


26:名無しさん

それで知ったり感じたりした瞬間から

逆にもうそれしか見えなくなっちゃうみたいな


27:名無しさん

再度の怪もこちらから見ると同じようなものでね


28:名無しさん

ボクら自身からすると驚かすつもりは無くて


29:名無しさん

ただマナちゃんみたく『見つけちゃう』人がいてさ


30:名無しさん

そうするとボクらが全員見えるようになっちゃうんだ

いや、ボクらしか見えなくなっちゃう

普通の人が見えなくなるほどに見えなくなっちゃう

それで何度も何度も見るから「再度の怪」のできあがり


31:名無しさん

ボクらからしても望んでないんだよ、普通に暮らしたいのに

こういうことがあると目立っちゃうからさ


32:名無しさん

だから最近はもうネットの中に籠ったりする連中も多くて

ほら、ボクらには姿とか形とかは本質的に関係ないし


33:名無しさん

そう、掲示板回の中とかね


34:名無しさん

匿名っていう、この環境が快適でさ


35:名無しさん

ただ、上手く化けきれない奴もいて


36:名無しさん

そいつら、みんな元の形がちょっと残っちゃうんだ


37:名無しさん

「後は同時に消灯です」


38:名無しさん

「一緒に灯りが消えて終わりです」


39:名無しさん

「And, simultaneously, the light went out.」


40:名無しさん

全部痕跡だよ


41:    

「あなた達、なに話してるんですか…?」

ベラベラベラベラ喋るその人達に、ようやくそれだけ言う

最初の女性が喋り出してから、喋る人はどんどん増えた

地域住民、旅行客風の外人、ベビーカーの中の赤子…

どんどん集まって来たその全員に異物感があって

みんな言葉を継ぎつつ、同じ人みたいに喋る

「あの、私、サークルの先輩のところに行きたくて…」

するとその人達は一斉に鼻白む

ちょっとして最初の女の人が答えた

「会ってもいいけど、ボクらと同じだよ」

「ど、どういうことですか?」

「見ての通りだよ、  ちゃん」

そう言われて、私は初めてその人達の顔を直視した


そこには、何にもない


それでようやく理解する

この人達はみんな同じなんだ

それでいて誰でもない

ああ、そういうことだったんだ

震えながら唇を開く

「私、どうなっちゃうんですか…?」

ああ、今わの際にこんなことしか言えない

私、また問い立てを間違えちゃったのか






42:名無しさん

>>41

後は同時に消灯でつ









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