#8 オオワシさんにおとどけものです

これは小さな郵便屋さんの物語。


「オオワシさーん!おにもつでーす!」

「あぁ、今降りるよ」


バササッ。バササッ。


「いつもありがとさん」

「いえいえ!こちらこそ、わざわざおりてきていただいてたすかってます!」


「私の家は結構高いところに作っているからねぇ。その小さな身体で登るのは大変だろう」


オオワシさんのお家は木の高いところにあるのでとても助かります!


「ぼくも、おそらとんでみたいなぁ」

「飛んでみるかい?」

「できるんですか?」

「私の足にしっかりつかまってごらん」


「よいしょ。こうですか?」

「じゃあいくよ!それ!」

「わあっ!すごい!ぼく、いまおそらをとんでいます!」


あっという間にオオワシさんのお家に付きました!


「わあ!ながめがいいですねぇ!」

「そうだろう。そうだろう。そうだ、丁度いい。その荷物の中身は紅茶だね?淹れるから郵便屋さんも飲んでいくといい」

「やったぁ!いただきます!」


 ◇


トポポポ。トポポポ。


「きれいないろですねぇ」

「今回のは海の向こうから取り寄せたんだよ。いやぁ飲むのが楽しみだね」


「「いただきまーす」」


こくこく。こくこく。


「うん。美味しいね」

「おいしいです!」


「これはミルクを入れてもいいかもねぇ。次はそれでやってみよう」

「オオワシさんは、こうちゃにくわしいんですか?」


「いやぁそれほどでもないよ。私は美味しいものが大好きでね。紅茶に限らず、色々食べたり飲んだりするのが好きなんだ」

「ほうほう。そうなんですね!」


とっても素敵な趣味です!


「いつも一人で楽しんでいたが、誰かと美味しさを共有するのもいいねぇ。今日は付き合ってくれてありがとうね。郵便屋さん」

「おそらがとべたうえ、こうちゃまでごちそうになって、ぼくのほうこそありがとうございます!」


「アッハッハ。そういえば郵便屋さんはまだ配達はあるかな?近くまで送っていこう」

「たすかります!」


次の配達は結構離れた場所にあったのでかなり助かります!


「ちょっと、とおいんですが、『はなれのもり』までおねがいできますか?」

「まかせたまえよ。ではまた私の足にしっかりつかまってごらん」

「たすかります!よいしょ」


 ◇


バササッ。バササッ。


「このあたりかな?」

「はい!このあたりでおねがいします!」


バササッ。バサッ。


「とっても助かりました!」

「これぐらいなんのそのだよ。また私宛の荷物が届いたときは宜しく頼むよ」

「はい!おまかせください!」


本当に助かりました!はなれの森までは結構距離があったので、ぼくだけでは日が暮れてしまうところでした!


さて、次のお届け物は、と。

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