10、ラノベの学校生活一日目って大体トラブルあるよね
入学式の次の日。今日から授業が始まる。
……わけでもなく。
「私の名はセルビア・プラーク。歴史学担当で君たちの担任でもある」
オリエンテーションだった。
「この学園は自主性を重んじ、必修科目はない。よって受ける科目は貴殿達の興味のある分野を好きな分だけとれば良い」
その制度いいな!面倒臭い……ごほん、必要のない分野は勉強しなくていいのはかなり楽だ。
セルビアは説明を続ける。
「ただ、各科目の単位が定まっているからな。科目のとり過ぎでどれかが疎かになり単位が足りず留年するといったことはないように。それと一つは必ずは受けるように。授業をひとつも受けてないと分かり次第退学にする。以上だ」
セルビアは科目が詳しく書かれた冊子を配り終えると教室から出ていった。俺は配られた冊子を流し読みする。
歴史学、物理学、古語学といった前世の学校にもある科目から魔法学、戦闘学といった実技まで様々な科目があった。
面白そうなの多いなぁ。学校生活、楽しみになってきた。どれ選ぼうかな。
――――――――――――――――
「フラメルは何をとるつもりなんだ?」
俺はフラメルと食堂で昼食を食べていた。ちなみにフラメルは違うクラスである。
「魔獣学と召喚学、魔闘学はとるつもりだぞ」
魔獣学は魔物について、魔闘学は魔法を活用した格闘術を学ぶ授業だ。
「召喚学をとるってことは召喚師なのか?」
「ああ。 言ってなかったか?」
「聞いてないぞ」
召喚師かー。ザ・魔法って感じでいいなぁ。
「マジか。でも俺だってお前の職業聞いてないぞ?」
「俺は弓使いだ」
「ああ、なんかわかる気がする。そんな顔してるもんな」
「どんな顔だよ……」
なんだよ、弓引いてそうな顔でもしてるのか? あいにく弓道もアーチェリーもしたことはない。
「ルークは前衛って柄じゃなさそうだからな」
「それはそうかも」
前に出てまで活躍したいとは思わない。そんなところまで見て職業を決めてるのか、神様とやらは。大変だな。
そんなこと思いながら定食を食べる。もぐもぐもぐ……料理長の料理の方が絶対美味しい。
「私と勝負しなさい! グラン・リッツ!!」
なにやら叫ぶ女性の声が聞こえた。
声の方を見ると赤髪の女性が小柄な男性に詰め寄っていた。
戦闘狂かなにかなのか? 絡まれた人可哀想だな……
「いいよ〜」
「いいのかよ!?」
あまりに驚いてつい叫んでしまった。普通は断るとか怖がったりするものだろ。
「何よ、文句でもあるわけ!?」
赤髪の女性がこっちを睨む。やばい、目つけられた……
「いえ、そういうわけでは……」
「なら、口挟まないで!」
「はい……」
怖え〜。
赤髪の女性は小柄な男性の方を見ると会話を続けた。
「同意したわね? なら今日の放課後、第一戦闘場ね。直前になって逃げたりしたら許さないから」
そういうと女性は去っていった。
「入学して一日目でもう決闘?」
「あの人、ベイロット家の令嬢らしいわよ」
「ああ、あの
あの女性えげついらしいな……
黙々と食べていたフラメルが一言言う。
「絡まれると面倒くさそうだな」
分かる。
フラメルの言葉に頷きながら俺はデザートの果物を口に入れた。
果物はちょっと酸っぱかった。
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