第6話 信者あらわる?!
6話 信者あらわる?!
はらへった。めちゃくちゃはらへった。
ささげものはまだか?はやく、はやく
「夢か…………」
まどろみの中で何かに語り掛けてくる存在と出会ってた気がするけど、気の所為かな?頭いてぇ……
俺は自室で目を覚ますと朝食を食おうとキッチンに降りると冷蔵庫の中身を漁る。んお?そうだった。コイツのメシも必要だな。よし、
「メンダコ、どうする?冷蔵庫の余り物で満足するか?今日は休みだし贅沢にどっかで食うか?」
メンダコからは短い触腕をマルの形にしての肯定のジェスチャーが返ってくる。
「そんじゃあ行くか」
◇◇◇
なんだかやけに視線を感じるな?商店街の近くを歩いているとチラチラとコチラを伺う少女が1人。アレで隠れているつもりなんだろうか?
まあ、昨日の騒動の時の目撃者かな?まあ探索者としての活動でもないのに、町中でコールプローラーが暴れてたらかなりショッキングだろうしな。
背後に気配を感じながら牛丼屋に入る。男子高校生にはファミレスより牛丼屋だよなぁ!ファミレスは彼女を連れてきて炎上する所だろ?(偏見)
相棒制度が導入されてから街のインフラにも相棒のチカラが生かされてるから、料理系技能を持つ相棒と組んでるスタッフが居る店は当たりなんだよな。
そこ行くとこの牛丼屋はメインに入ってるスタッフの吉田さん(彼女居ない歴=年齢)彼の相棒がブラウニー、つまり家事妖精で料理もクッソ上手いからチェーン店なのに味がワンランク違うんだよ。
券売機で大盛りと牛皿大盛り(相棒用)を注文し席に着く。すると背後から近寄る気配がダッシュして俺の前の席にダイブする!こわ……注意した方が良いのかな
「私の名前は五良児凛です!あなたのしもべとして私をお使い下さい!!!」
瞬間、体感気温がマイナスになる。………あー……厨房の吉田さん(彼女居ない歴=年齢)がゴミをみる目で自分を見てる………ここの牛丼好きだったんだがもう食えないかなぁ………
「あ、あの?五良児さん……?しもべって何の話かな?それに大声出すと店の人に迷惑じゃない?」
「しもべでは駄目ですか?!なら貴方様の奴隷にしてください!貴方様が望むのならばなんでもやりたいです!!」
バン!と音を立てて牛丼がテーブルに配膳される。………あの?牛丼大盛りは?白ご飯につゆしか掛かって無い……あ、相棒用牛皿はちゃんと大盛りだ。
「店員ッ!!!奥渡様になんて態度だ!!ぶっ殺すぞっ!!!なんだこの残飯は!この店で一番いいメニューもってこい!」
彼女は店員の態度に豹変してカウンターに立ち厨房に乗り込もうとする。
まてまてまてまてまて!吉田さん(彼女居ない歴=年齢)はブラウニーを相棒にした料理のプロで本来なら牛丼屋にいらっしゃるお方じゃないんだ!
金も華もない男達にせめて食事だけは幸せになって欲しいとチェーン店でその腕を振るってくれる聖人なんだぞ!
まあ、カップルには残飯を出す事で有名だけどもさ。
「吉田さん!俺は無実です!俺は貴方の牛丼がまだ食べたいんです!この女の娘は初対面なんっぶえっ!」
カァン!と甲高い音がすると思ったら、プラスチックの箸が五良児凛の突き出した取り皿に突き刺さっていた。
あの………取り皿で止めてくれなかったら串刺しコースだったんだが?
「奥渡様に攻撃したな?コロス」
「待って待って!良いからそんな事しなくて良いから!吉田さん貴方の牛丼は最高でした!」
プラスチック箸がまるでボウガンのボルトの様に店内に突き刺さる。なんとか店の外へ脱出すると、閉まっていく扉には包丁が突き刺さっていた。
「あ、あはは。あの吉田さんって店員さんは知り合いでアレはよくある事だから仕返しとか考えないでよね?」
牛丼店を「奴隷にしてください!」と言っていた時に花が咲く様な笑顔をしていたとは思えない様な、親兄弟の仇を見る様な目で睨みつける凛。
いったい何なんだこの娘は……女の娘と二人きりとかちょっと上手く話せる気がしないな。あれは!
少し先のシャレオツなカフェで黄色いパーカーを着てフードを被ってる彼女は!蓮見妙子!彼女に緩衝材になってもらう!
「あ、何か話があるんだよね。そこのカフェに行かないか?」
「貴方様が望むならたとえ地の果て宇宙の果て!地獄煉󠄁獄にお付き合いいたします!!!」
ピュン!とプラスチックの箸が耳を掠める。はやくカフェに入らねば!
俺はダッシュした。
◇◇◇◇
「よ、よう蓮見妙子」
「なんでフルネーム、声が震えてるわよアンタ。で隣の彼女さんは?2人っきりを期待してたら邪魔ものがって顔してるけど」
「久安はいないのか?」
「アイツは相棒と探索者始める為に専門店を巡るってさ。なんなの?シャキッとしなさいよ。後ろの彼女を不安にさせちゃダメよ?」
むしろ不安から救ってくれよ!!
(彼女………彼女!恐れ多い!でも奥渡様が求めるなら……ドゥフフフ)
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