第4話

今年のハロウィンも無事に終了。

早い家では一ヶ月も前からデコレーションを始めているが、

子供たちも成人した我が家は、もう本番まで一週間になろうかという頃になって

ようやくとりかかる。

ほんの形ばかり、、、とはいえ、デコレーションには「お菓子をあげるよ」という意思表示の意味もあるので、何かしら出しておかなくてはならない。

デコレーションのない家は、トリックオアトリーター達が素通りしてしまうからだ。


今秋は暖かい日が多かったこともあってヤマボウシはまだ紅葉していないけれど、

その緑の枝先から、ちょっとユーモラスなポーズのガイコツ3体をぶらさげる。

芝生にばらばらの白骨を散らし、ピースサインをした骨だらけの手も刺しておく。

大きな西洋かぼちゃはリスに齧られてしまうので、置いたりおかなかったり。

当日になると玄関の脇に、魔女の鍋と箒を出しておくのがここ10年程の定番だ。


夕方からは、落ち着いて食事もとれないぐらいひっきりなしに

トリックオアトリーターたちが訪れる。

早めの時間には、両親と一緒に回る小さな子供たち。とっぷり日が落ちた後は中学生ぐらいの年かさの子供が多くなってくるが、

差し出されたキャンディーやチョコレートを値踏みする真剣な目は変わらない。


そして電源を入れると炎が燃え立つように見える魔女の鍋は、毎年のヒット。

小さな子供たちは半分こわごわと見つめているし、齢が上の子供になると

「かっこいい!」「すてきね!」とほめてくれたりもする。

随分と年期も入ってきたけれど、また来年も活躍してもらおう。














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