神頼み
「どうか、神様、お願いです。弟の恭介を助けてください。弟はまだ五歳です。わたしより八つも下で、笑うとエクボができて、天使みたいに可愛いらしい。それが最近、咳き込んでばかり。苦しそう。もう長くないと、お医者様に言われたんだそうです。お母さんは泣いています。わたしだって泣きました。お父さんは怒ったような顔をして、いらいらと歩き回るばかりです。
神様、あなたは願いを叶えてくれますか。もし叶えてくれるなら、わたしの身体を差し上げます。命を奪われたってかまいません。わたしにできることはなんだってやります。弟さえ無事なら、どんなことだって」
その日、神様になったばかりのぼくは、姉の願いを聞き届けた。
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