第5話 熱の籠った視線
バーテンダーは少し経ってから注文のスプモーニを差し出すと
ちらりと女に目配せをされて奥のワインセラールームへと消えていった。
カウンターの下で手を男の太ももに這わせると
男は驚いたような様子で女を見返した。
それから戸惑うように視線を迷わせていると
女は大正のフラッパーさながらの熱の籠った視線で男をくぎ付けにした。
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