第十五話 教官に目をつけられちゃった

休憩に入った。

最初から追い込むことはなさそうで安心だ。

日陰に水分補給用の水。

最高だ。

でも教官に「好きなように振ってみろ」って言われたときはもう終わったかと思ったね。

好きなように振ってたんだけど、めっちゃ見られて怖かったんですけど・・・

空気読んで周りと合わせろ的なことだったらおわたー。

あと、テシアがめっちゃ睨んできたけど知らない。

教官に目をつけられたことだと思うけどもう遅いもんね。

時間の流れに任せようと思う。


______


「今日の訓練はこれでおしまいだ。今日の訓練を踏まえて、明日から訓練に参加する者を決める。今日は各自部屋に戻って休むように。」

「「「はい!!」」」


やっと終わった〜。

教官に見られ続けて余計な体力を使った気がする。

全体で訓練すると目立つ可能性があるから、一人で訓練してもいいんだけど、設備が整ってた方がいいんだよなあ。

今日は部屋に戻ってゆっくり休むことにしよう。


「アルシ、お前は残れ。」


教官が俺の名前を読んだ気がする。

聞き間違いだろう。

『あ』から始まって『し』で終わる名前なんてたくさんあるしね。

第一残りたくない。

俺は部屋に帰ってゆっくり休むのだ。

もちろんその前の水浴びを忘れない。


「アルシ、お前は残るんだ。」


教官の言葉に他の子供達も戸惑い始める。

子供達の様子を見て、教官は「戻ってよし」と再度言葉をかけた。

子供達は安心したのか、自分たちは関係ないとささっと帰って行った。

もちろんテシアに睨まれた。


______


教官と二人きりになった。

他に誰もいない。

気まずすぎる・・・

そんなことを思っていると教官が口を開いた。


「お前はこれから盾と剣の訓練をするな。」


盾と剣を使うなと言われてショックだ。

集団行動できないやつは訓練に参加できないということだろう。

でも、盾と剣の訓練をするなということはこれからも訓練に参加させてもらえるということか。


「剣をさわれないということは、私は何をすればいいんでしょう?」

「話は最後まで聞け、盾と剣の訓練をするなと言っただけだ。剣に触るなとは言っていない。」

「それじゃあ一体・・・」

「お前は刀を使った剣術を学んできたんだろう。剣筋を見てよくわかった。お前には剣より刀の方が向いてそうだ。これからお前には刀の扱い方を教えてやる。他の奴らの訓練が終わってから来い。マンツーマンで鍛えてやる。」


教官はニヤリと笑って俺に応えた。

目をつけられてしまったが、これから鍛えてもらうことができるのだ。

プラスと捉えていいだろう。

半年しかないけど盗めるだけ技術を盗もう。


「これからよろしくお願いします!!」


俺は過去一大きな声で応えた。


______


読んでいただきありがとうございました。

教官に鍛えてもらうアルシこれからどうなるのか・・・

そういえば教官に名前つけてなかったから決めとかないと。


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