第十四話 剣術訓練
「今からお前たちには剣術試験を受けてもらう。今から軽く剣の持ち方と盾の使い方を伝授する。各自そこにある剣と盾を持ってこい」
「「「はい!!」」」
俺は今剣術試験を受けている。
ついに待ちに待ったこの日がやってきたのだ。
教官は、スキンヘッドで筋肉ムキムキのおっちゃんだ。
ザ・訓練官って感じの人だ。
場所はもちろん訓練場で。
地面は土。
武器を立てかけるところがあったり、カカシがあったりする。
弓を打つところなんかもある。
この孤児院やっぱ設備いいなあ。
他のところ見たことないけど・・・
一方でテシアは——、
やる気がなさそうだ。
基本的に体を動かすことが好きじゃないらしい。
下向いてるけど大丈夫だろうか。
そういえばテシアにもらった剣術書、盾と剣を持って戦うスタイルじゃなくて、両手剣だったけどその辺大丈夫だろうか?
っていうか両手剣っていうより、あれは刀の使い方だろ。
表紙に漢字で『刀の使い方』って書いてあったし、
絶対に過去にこの世界に来た日本人が何かしたに違いない・・・
異世界転生先で刀を使う物語とかよくあるけどまさかこの世界にも存在するなんて。
______
「全員剣と盾を持ったな。今から剣と盾の使い方を教える。盾と片手剣の組み合わせは非常に有効だ。剣で切り、盾で守る。単純な動きだが奥が深い。剣を振る時だが、肩に力を入れてはダメだ。動きが単調になって、相手に読まれやすくなってしまう。とりあえず、剣を右手に、盾を左手に持って振ってみろ。間違っていたら訂正してやる。」
「「「はい!!」」」
子供達は剣を振り出した。
身体が剣に置いてかれている様子だ。
子供に合わせて軽くなっているとはいえ、初めて剣(木剣)を振るのだ、上手く振れるわけがない。
俺は今までこそこそと木の棒で素振りの練習をしてきたから、そこそこ上手にできてるんじゃないかなと思う。
俺がやってたのって刀の使い方だから、軽くいえば剣道みたいなもんだ。
剣道は左手を軸として刀を振り、右手は支える。
右手に力が入ってしまうと動きが単調になって、相手を切ることができなくなってしまう。
何が言いたいのかというと、俺は右手で扱う剣は習っても意味がない。
むしろマイナスだ。
変な癖がついたら今までの努力が全てパーだ。
だから俺は、左手に剣を持って、右手で盾を持つことにした。
右手の支えがないから、いつもより振るのが難しい。
この状態で素振りをすることで、俺はまた一歩、前に進むことができるだろう。
「おい、」
教官が誰かに話しかけている。
誰かがどこか間違えていたんだろう。
「おい、お前だ。」
「僕ですか?」
「そうだ。」
「どこかおかしいとこでもありましたか?」
「剣と盾の持ち方が違うぞ。」
やっべ、自分のことしか考えてなかった。
そうだよねそりゃ注意されるわ。
みんなと動き違うし、指示通りにやてないんだもん。
「すみません、すぐに直しま——、」
「・・・好きなように振ってみろ。」
えっ、もしかして目をつけられちゃった?
______
読んでいただきありがとうございました。
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