第十一話 魔法が発動しないってマジ?
テシアが泣き止むのを待ってから俺は気になっていることを質問した。
「なあ、テシアの魔力は何色なんだ?」
「黒よ。」
「そういうあなたは何色なの?」
「・・・緑色だよ。」
「嘘よ!!魔力検査機誤魔化したの知ってるんだから。」
騙せるかなとか思ったけど無理そうだ。
なんて答えようか。
俺は自分の魔力の色を知らない。
ここで正直に答えるのが正解かはわからない。
でも、さっきテシアと二人でここを出ると決めたばかりだ。
正直に答えよう。
「自分の魔力の色がわからないんだ。魔力検査機に触ったのもこの前の検査が初めてだったし。」
「へぇ〜、大したものね。魔力検査機に初めて触れのに結果を誤魔化すなんて。相当な魔力制御の技術が必要なはずよ。でも、魔力の性質がわからないなんて不便よね。そうだ、確かここらへんに、」
そう言ってテシアは部屋の隅にある棚の隅を探し出した。
「あ、あった!!この魔力検査機使ってみてよ。昔私が魔力制御訓練で使ってた物
よ、もう使わなくなってから長いし埃被っちゃってるけど、拭けば使えるはずよ。」
「ありがとう。助かるよ。」
俺の魔力は何色なんだろうか。
テシアと一緒の黒だったりして。
それだったら夢が膨らむよなー。
せめて中級魔法までは使えるようになりたい。
中級魔法は応用が効きやすいと言われているからね。
「拭き終わったわ。問題なく動くはずよ。手をかざしてみて。」
「うん。」
俺は手をかざす。
前みたいに魔力が吸われていく感覚がない。
あれ、おかしいぞ。
魔力検査機に変化はなかった。
「なあ、テシア。この魔力検査機壊れてるんじゃないか?」
「そんなことはないはずよ。ちょっと貸してみて。」
そう言ってテシアは魔力検査機をつかう。
綺麗な黒色に輝いた。
「ほら、壊れてないでしょ。もう一回試してみてよ。」
「わかった。」
ほんとに壊れていなかった。
なら大丈夫かともう一度試してみたが魔力検査機に反応はなかった。
「ねえアルシ、生活魔法使えるでしょ。ちょっと使ってみて。」
「う、うん」
テシアが慌て気味に言ってくる。
俺は魔法を発動させる。
しかし、魔法は発動しなかった。
焦った俺は詠唱した。
「
詠唱しても発動しない。
「テシア、原因わかるか?」
「多分・・・」
「あなた、魔力枯渇ギリギリで魔力検査機使わなかった?」
「使ったけど・・・それがどうしたんだ?」
「魔力検査機を魔力枯渇ギリギリで使うと魔力回路が乱れて魔力が使えなくなることがあるの。」
「治す方法は?」
「知らないわ・・・」
えーーーーーーーーーーーーーーーー俺の魔法人生3歳で終了!?
魔法が使えないなんてこの世界で生きてける気がしないんだけど。
「テ、テシアさん治す手がかりとかないのか?」
「エルフとかなら知ってるんじゃないかしら?長命種で魔法の使い手として有名だし。でもね、エルフと仲良くなろうなんて無理な話よ。エルフは閉鎖的な種族だもの。」
「それじゃあ俺は一生魔法を使うことは・・・」
「現実的には不可能ね。でも剣とか槍とかを極めることができればオーラ使いに覚醒して魔法のような強い力を身につけることができるわ。だから元気出して。」
エルフなら知ってるかもか。
それにオーラ使いかー。
もし敵と戦うことがあったら、テシアは魔法しか使えそうにない。
俺も魔法を使ったら前衛がいなくて詰みだ。
俺がオーラ使いになればテシアと一緒に戦うことだってできるはずだ。
前向きに捉えよう。
明確な目標が見つかったのだ。
俺はオーラ使いになる決意を固めた。
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