第四話 魔力検査対策

『魔力検査機』

魔力検査機とは、三百年ほど前に魔法帝国ルクシラの賢者サリスが発明したものである。

形状は丸く加工されており、材料は魔鋼ガラスを使われている。

仕組みとしては、魔鋼ガラスが対象者の魔力を魔力欠如ギリギリまで吸い取り魔力量を測定するようになっている。

その時に現れる色の変化によって対象者の魔力量がわかるのだ。

白<緑<青<紫<黄<黒

という順番で魔力量の多さがわかる。

この世界の人物は誰でも魔力を持っているが、ほとんどが魔力検査機で表されるところの白に当たる。

青を示されたものから上は初級魔法を扱えるほどの魔力を持っているとされ『魔力持ち』と呼ばれるのだ。

ちなみに、

白・緑は 生活魔法まで

青は   初級魔法まで

紫は   中級魔法まで

黄は   上級魔法まで

黒は   最上級魔法まで

というように段階的に使える魔法が限られている。


ということをこの前、孤児院の図書館にある大陸の歴史なる本から見つけたんだよね。

大々的に知られてる情報はこんな感じみたい。

魔力検査機が対象者の魔力を吸い取って計測するなら、計測する前に俺の魔力を使い切ればいいと言うわけだ。

魔力を使い切ると言うことだけ聞けば簡単に思えるかも知れないけど、問題は魔力をどう消費するかなんだよね。

今の俺が使える魔法は、白の者でも使える生活魔法と青の者から使える初級魔法だけ。

生活魔法に比べて初級魔法の方が魔力消費量が多いけど俺の魔力量は結構多いので無くなるまでに時間がかかってしまう。

こめる魔力の量を大きくすれば問題ないんだけど、それだと魔法の規模も大きくなってしまうんだとなあ。

ってことで結局今の俺には地道に魔力を使い切るしか方法がない。

基本的には孤児院周辺なら外に出てもいいので近くの川にでも初級水魔法を流し続けながら風の生活魔法を使って魔力を消費することにしよう。


______


魔力検査が明日行われるという情報を知った俺は慌てて川に来た。

途中同じ孤児の子達からどこに行くのかと尋ねられ、「一緒に遊ぼう」と誘われたが断っておいた。

魔力検査前までに魔力を使い切らないといけないし、他の孤児たちと友好関係を持つのが嫌という理由があった。

友情が生まれた場合、俺が孤児院を脱出するときにその子のことが気がかりになってしまうと考えがあった。

非情に聞こえてしまうかもしれないが、孤児院からの脱出を確実なものにするには俺一人の方がいい。

他の孤児たちを見捨てることになるが今の俺ではどうすることもできない。

外で力をつけたらこの孤児院を壊そうと思う。

売られてく子供達を放っておくなんて気持ちが悪いからね。


そんな未来のことばかり考えていても問題の解決にならない。

「バシッ!!」

っとほほを叩いて気合いを入れた。

今考えることは魔力検査を乗り越えるだけでいい。


俺は自由を手にするために魔法を発動し続けた。










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