第三話 孤児院の真実

ここにきてから三年程の刻が過ぎた。

つまり俺は三歳になったのだ。(多分それくらい)

俺、誕生日おめでとう!!イエーイ!!

後、俺の名前は『アルシ』というらしい。

意味とかよくわからないけど語呂的には結構かっこいいんじゃないかなと思う。

結構気に入っている!!

そしてここからが重要。

孤児院について分かったことが二つある。


一つ目は、三歳になるとそれぞれの能力に合った教育が受けられるようになるということだ。

カリキュラムは大きく分けて四つある。


魔力持ちの者、顔立ちのいい者、戦闘能力の高い者、そしてこの三つに当てはまらない者は、雑事を徹底的に叩き込まれるようになる。


特に注目すべきは魔力持ちだ。

魔力持ちは少なく、どこの国でも職に困ることはないそうだ。

ちなみに千人に一人ほどが魔力持ちなんだとか。

そのため孤児院での待遇が一番上と言ってもいいだろう。

実はここだけの話だが、俺は魔力がある。

千人に一人の逸材アルシっ!!かっこいい〜!!

魔法書を孤児院で見つけてから、こっそり夜な夜な部屋を飛び出して練習をしていたのだ。

今では初級魔法を無詠唱で使えるレベルまで上達した。

俺って天才じゃね。


次に顔立ちのいい者。

顔立ちのいい者は、礼儀作法の教えを受ける。

以上。

それだけ。

俺は顔立ちがいいからここに選ばれる可能性があるかもしれないが正直礼儀作法はめんどくさいので習いたくない。

それに、礼儀作法とかめんどくさそうだし、学んでも使えるとこ限られてくるよね〜。

重要だからもう一度言おう。

俺の顔立ちがいい。

ここ重要。

なんと美少年になりました。

いや〜もう人生わくわくだよね〜。


戦闘能力の高い者は、剣の素振りや基本的な形を学ぶ。

護身術って必要だと思うし、冒険者ギルドなんていう夢の職業があるから個人的にはここの授業を学びたい。

剣の知識がない者とある者では天と地との差があると思う。

是非とも俺をここに入れて欲しいと思う。


最後に雑用。

ここだけは絶対に嫌だ!!

雑用なんて手とか痛くなりそうだし、学ばなくてもなんとなく分かるから、わざわざ学ぶ必要ないと思うんだよね。


これが一つ目。

一つ目の内容聞いて大半の人が気づいてると思うけど、この孤児院のカリキュラムは非常におかしい。

それは俺が分かった、孤児院の二つ目のことに当てはまる。


二つ目は、子供を育ててから売っているということだ。

キャーコワイー!!

ここにきた当初からそんな気配はしてたからそこまで驚くことはなかったけど、いざ子供が連れて行かれるところを見ると思うところがあった。

それは消灯時間が過ぎてからの時に起きた。

俺が見たのは里親になってくれる親が現れたと連れて行かれた子が、目隠しされて馬車に乗せられて連れて行かれるという光景だった。

でもこのことから得られる情報があった。

六歳前後になると里親が現れたと言われて連れてかれるらしい。

つまり、六歳までに俺はこの孤児院から逃げ出すことができなければ、俺の未来は約束されていないということだ。

ここからの脱出を確実なものにするためには、大人たちに目をつけられないことが大切。

近々適性検査なるものが実施されるそうだが魔力検査には絶対に引っ掛からないように気をつけなくてはならない。

引っ掛かったら人生終了。


魔力を隠蔽するってどうすりゃいいんだよ〜!!












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