あとがき - 桜舞う日の約束 ―― 未来からの贈り物（でし丸）

『桜舞う日の約束 ―― 未来からの贈り物』を最後までお読みいただき、心から感謝申し上げます。

この物語では、過去と未来、そして現在が交錯し、登場人物たちがそれぞれの選択と向き合いながら成長していく姿を描きました。皆さんが彼らの感情や決断に共感し、物語を通して何かを感じ取っていただけたなら、とても嬉しく思います。

さて、本作の中で描かれた「未来」というテーマは、目に見えない不確定なものです。物語の中では、技術や記憶といった具体的な要素が登場しますが、それらが象徴しているのは、私たち自身が未来に対してどう向き合うかという問いかけです。千紗たちが抱える悩みや選択は、誰にでも共感できるものではないでしょうか？

また、いくつかの部分ではあえて明確な答えを提示していない場面があります。これは、読者の皆さんに自由に想像してもらいたいからです。彼らの物語がどこに向かうのか、彼らが選ぶ道がどのように続いていくのか、ぜひ皆さん自身の想像力で補っていただければと思います。

特に、量子コンピューティングや記憶保存といった技術的な要素が出てきた部分は、未来に対する一つの可能性として描かれていますが、それ以上に、千紗たちの心の動きや関係性が大きなテーマとなっています。この物語で描かれた技術は、ただの未来の道具に過ぎません。本当に大切なのは、それらが彼らの選択にどう影響を与えたか、そして彼らがどんな未来を見据えたのかです。

今作を通して感じたこと、考えたことが、皆さんの心の中に少しでも残っていれば幸いです。物語の結末が、皆さんにとってどんな意味を持つのか、ぜひ考えながら余韻に浸っていただければと思います。

『桜舞う日の約束 ―― 君がくれた明日への一歩』はこの物語のプロローグにあたりますので、未読の方は是非ご一読いただけると嬉しいです。

そして、まだ彼らの物語は終わっていません。

明日から次回作『桜舞う日の約束 ―― 失われた願いと揺れ動く未来』が連載を開始します。そのときは、ぜひ一緒に彼らの未来を見届けてください。

これからも、応援よろしくお願いいたします！