第2話 ドラゴンの卵
「そういえばドラゴンって卵生でしたよね?」
「そうだな。他の軟弱な生物と一緒にされるのは若干腹立たしくあるが、確かに我らは主らの言う所の卵生というやつに当たるのだろうな。そのせいか卵を狙った不届者どもがやって来るのは少々不愉快ではある。まあ、幼子に与える餌が増えると考えれば不利益というほどでもあるまい」
「やはり、刷り込みとかはあるのですか?」
「刷り込み……?ああ、鳥共にある親の誤認識というやつか。阿呆め、ある訳がなかろう。どうやったら自分より弱い奴を親と認識するのだ。運よく孵化の瞬間に立ち会えたとしてそのまま頭から丸齧りがいい線だろう。おめでたい事だな」
「えっと……その……」
「なんだ?言いたい事があるなら早く言わんか」
「卵を一つ頂けたらと思いまして……」
「主、話を聞いていたのか?それともこれも主の言う学術的好奇心という奴なのか?まさか生きたまま丸齧りされたいとか考えているのか?」
「いえ、そうではなくて。電子レンジに入れたらどうなるのかなぁ?なんて思いまして……」
「……は?」
「実験したいんです!卵産んでくださいお願いします!無精卵でも構いませんから!」
「なんだお主!?急に興奮するんじゃない!一旦落ち着け!」
「もちろんタダとは言いません!報酬に最新式の馬車はいかがですか!?」
「やめろお主!気持ち悪いぞ!というか言ってる意味がよく分からん!」
その後、どこかで大規模な爆発事故があったらしい。
産業廃棄物(文書) 白銀スーニャ @sunya_ag2s
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