第2話 日本政府

 日本政府は『日本移動計画』に伴い、惑星『大和』の開拓計画を進めていた。そしてこれを期にとある発表をすることにした。


 それが日本国憲法の破棄だ。現行の憲法を破棄し、新たな憲法を公布する。

新たな時代に対応するため、改憲ではなく新たに作り出すのだ。

新しい憲法は『大日本皇国憲法』と言った…




 日本国憲法の成立過程においては、GHQ草案、議会審議の完全統制、事前検閲などにより日本の議会や政府、国民の自由意思は一切存在しなかった。


 独立国の憲法はその国の議会や政府、国民の自由意思によって作られる。

したがって、外国に占領されているような時期にはつくるべきものでない。

それゆえ、戦時国際法は占領軍は被占領地の現行法規を尊重すべきとしている。

このことはハーグ陸戦条約などの戦時国際法に記載されており、これらの規定は占領軍がその国の憲法を変えることを禁止しているとするのが通説である。

戦時国際法と同じ考えから国際慣習法は占領軍がその国の憲法を変えることを禁止している。


 これまで日本政府は戦時国際法の一つであるハーグ陸戦条約を取り上げ、これは交戦中(戦争状態)に適用され、交戦後の占領には適用されず、当時の日本と関係が無いと主張してきていた。


 しかし、1952年4月28日に発効したサンフランシスコ講和条約は日本と連合国との戦争状態を終わらせるために締結されたもので、第1条で「日本国と各連合国との戦争状態は...終了する」と規定されている。つまり、この時までは戦時中なのである。


_____ウィキペディア日本国憲法参照



 そのため、日本政府はこれまで使用されていた日本国憲法はその成立過程において無効とし、新たな憲法を大日本帝国憲法からつくることによって大日本皇国憲法を成立させた。


 これによって日本国憲法に置いての改憲を行う必要がなく政府による改憲が可能だった。


 日本国憲法は大日本帝国憲法第14条に基づく講和条約として有効であり、「憲法として」のみ無効だとするため、日本国憲法のもと成立した法律や判決が無効とならないとした。


 そして、この憲法を公布しその二ヶ月後から施行されると発表した。


「日本は真の独立国家になった。」

これは次の日の朝刊の一面である。

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