第41話 臥薪嘗胆

### キャスト:


1. **伊藤博文** - **柳葉敏郎**

- 政界の重鎮であり、女遊びでも名高い伊藤博文。柳葉敏郎はそのカリスマ性と重厚な演技力で、伊藤のリーダーシップと複雑な人間性を表現できる俳優です。


2. **西園寺公望** - **宇梶剛士**

- 伊藤の盟友であり、明治時代の重要な政治家。冷静かつ知的な宇梶剛士が、西園寺の品格と政治的知恵を体現します。


3. **井上馨** - **小木茂光**

- 伊藤博文と共に近代日本の礎を築いた井上。小木が、老練な政治家としての風格を演じます。


4. **大隈重信** - **石丸幹二**

- 政治の天才であり、ライバルであった大隈重信。石丸幹二はその知性と柔軟な政治手腕を強調できます。


5. **山縣有朋** - **津田寛治**

- 陸軍を率いた強硬派の山縣有朋。津田は山縣の軍事的な側面と、頑固な性格を表現するのに最適です。


6. **桂太郎** - **陣内孝則**

- 軍人出身で後に首相となる桂太郎。陣内孝則の強い存在感で、桂の軍人らしさと政治的な成長を演じます。


7. **陸奥宗光** - **安住紳一郎**

- 外務大臣として下関条約を締結した陸奥。安住の渋さと威厳が、外交官としての陸奥の役割を引き立てます。


8. **明治天皇** - **阿部寛**

- 時折伊藤を諫めたとされる明治天皇。若くして皇位を担った天皇の威厳と、内に秘めた思慮深さを阿部寛が演じます。


9. **松方正義** - **竹中直人**

- 政府財政の立て直しに尽力した松方正義。竹中直人のエネルギッシュな演技で、松方の苦悩を表現。


10. **板垣退助** - **筧利夫**

- 自由民権運動の指導者で、民衆からの支持が厚い板垣退助。筧利夫は板垣の熱意と庶民的な一面を演じるのに適任です。


### 追加キャスト:

- **柳原前光** - **竜星涼**

- 伊藤博文と芸者りょうを巡って争った大正天皇の伯父。洗練された竜星涼が、貴族的な風格を持つ柳原を演じます。


- **宮武外骨**(風刺ジャーナリスト) - **竜星涼**

- 風刺新聞で伊藤を批判した宮武。竜星の個性的な演技で、外骨の反骨精神を強調。


これらのキャストにより、明治の政治家たちの複雑な人間模様と時代背景がリアルに描かれることでしょう。


 下関条約(1895年)は、日清戦争の勝利によって日本が清との間で結んだ講和条約であり、これにより朝鮮の独立を承認し、遼東半島の割譲、台湾と澎湖諸島の日本への譲渡、賠償金の支払いなどが規定されました。しかし、この条約は東アジアのパワーバランスに大きな影響を与えるものとなり、特に日本が遼東半島を獲得することでロシアの南下政策と衝突する恐れが生じました。これに対して、ドイツ、フランス、ロシアの三国は連携して日本に対して圧力をかけることを決意し、三国干渉が発生します。


三国干渉は1895年4月23日に開始され、これにより日本は遼東半島の返還を余儀なくされました。三国は、遼東半島が日本の手に渡ることは地域の安定に悪影響を及ぼすと主張し、特にロシアは遼東半島に強い地政学的な関心を抱いていました。ロシアは南満洲を通じて暖海(日本海)の不凍港を求めており、日本が遼東半島を支配することはその野望に対する重大な障害となるからです。


三国の圧力を受けた日本政府は、戦争に疲弊し、さらなる軍事行動によって三国と衝突するリスクを避けるため、遼東半島を放棄することを決定しました。この決定に至るまで、日本国内では激しい議論が巻き起こり、国民の多くはこの決定に対して強い不満を抱きました。当時の内閣総理大臣であった伊藤博文は、現実的な選択肢として遼東半島の放棄を受け入れるしかないと判断しました。最終的に、伊藤内閣は1895年11月に遼東半島を清に返還する条約に調印しました。


この決定により、国内外で伊藤博文のリーダーシップが批判されました。国民は三国干渉による屈辱を「臥薪嘗胆」(がしんしょうたん)という言葉で象徴し、将来的な復讐と国力の増強を誓いました。また、伊藤内閣内でも遼東半島放棄に関する意見の相違があり、内閣の結束が揺らいでいきました。最終的に伊藤博文は1896年8月31日、首相を辞任するに至ります。


伊藤博文の辞任後、日本の政治情勢は不安定化しましたが、この一連の出来事は後に日露戦争の伏線となり、日本の軍備拡張と国際的地位向上への決意を促す結果となりました。


 

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