第39話 混乱

 第1次松方内閣(1891年5月6日発足)は、松方正義が首相を務めた内閣であり、その時代の日本政治において重要な役割を果たした閣僚が集まっていました。以下は、松方内閣の主な閣僚の顔ぶれと、キャストに例えた役者を紹介します。


### 1. **松方正義(総理大臣)**

- **キャスト:** 竹中直人

- 松方は日本の財政を支えた政治家で、強いリーダーシップと冷静な判断力を持っていました。竹中直人の威厳と品格を持った演技は、松方の政治家としての存在感を見事に表現できるでしょう。


### 2. **山田顕義(司法大臣)**

- **キャスト:** 寺脇康文

- 山田は日本の法制度の基礎を築いた人物であり、強い意志を持つリーダーです。寺脇康文の力強くカリスマ的な演技は、山田の法を守る姿勢を描くのに適しています。


### 3. **西郷従道(海軍大臣)**

- **キャスト:** 高杉亘

- 西郷従道は、西郷隆盛の弟であり、日本海軍を近代化した功労者です。高杉亘は、西郷従道の落ち着いた判断力と海軍の成長に貢献した功績を的確に演じられるでしょう。


### 4. **榎本武揚(外務大臣)**

- **キャスト:** 三田村邦彦

- 榎本は多才な外交官であり、海外との交渉に長けた人物です。三田村邦彦の知的で渋い演技が、榎本の冷静さと国際感覚を引き立てます。


### 5. **陸奥宗光(内務大臣)**

- **キャスト:** 安住紳一郎

- 陸奥宗光は、日本の外交や内政に多大な影響を与えたリーダーです。安住紳一郎のカリスマ的な演技は、陸奥の卓越した政治的手腕を表現するのにふさわしいでしょう。


### 6. **井上馨(文部大臣)**

- **キャスト:** 小木茂光

- 井上馨は日本の教育制度の整備に尽力した人物です。小木は、井上の柔軟な思考と教育に対する情熱を、温かみのある演技で描き出すことができるでしょう。


### 7. **大山巌(陸軍大臣)**

- **キャスト:** 香川照之

- 大山巌は、日本陸軍を近代化し、日清戦争で重要な役割を果たしました。香川照之の緊張感ある演技は、大山の軍人としての厳格さを描くのにぴったりです。


### 8. **井上勝(大蔵大臣)**

- **キャスト:** 窪塚洋介

- 井上勝は、日本の財政を取り仕切った人物で、責任感が強いリーダーでした。窪塚洋介は、その強い責任感と洞察力を見事に表現できる俳優です。


### 9. **渡辺国武(農商務大臣)**

- **キャスト:** 緒形直人 ①

- 渡辺国武は、日本の農業や商業を発展させた実務家です。緒形直人は、渡辺の実直さと知性を持った人物像を的確に演じることができるでしょう。


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松方内閣は、経済政策と軍備拡張に重点を置き、日本の国力を強化しつつも、激動の時代を乗り越えました。

第1次松方内閣の混乱と崩壊は、明治時代の日本政治における一大転機として描かれます。この時期の政権運営は、外的事件や内的対立によって常に揺れ動き、松方正義はその中心で舵を取らざるを得ませんでした。本編では、これらの出来事がドラマチックに展開し、政局の裏側で繰り広げられる権力闘争や人間模様が丁寧に描かれます。


 1891年、山縣有朋が首相の座を退くと、次期首相に推されたのは松方正義。財政政策に精通した松方は、当時の政治的緊張の中で内閣をまとめ上げる役割を果たすべき立場にありました。しかし、伊藤博文をはじめとする他の藩閥首脳たちは、政権運営に消極的であり、松方自身も十分な支持を得ることができませんでした。この背景を、松方役の竹中直人が重厚な演技で表現し、首相としての苦悩や孤独が視聴者に伝わります。


 内閣成立から間もない1891年5月、大津事件が発生。ロシア皇太子が負傷したこの事件は、松方内閣にとって大きな外交的試練となり、内閣内では外務大臣や司法大臣が次々と辞任を表明。特に山田顕義(寺脇康文)は、事件処理の責任を感じながらも、松方にとってはかけがえのない同僚であり、彼の辞任は内閣の基盤を大きく揺るがします。


 この章では、事件の緊迫感とその後の内閣内の混乱が強調され、政治家たちの思惑や駆け引きが描かれます。また、当時の社会的な反響や、海外からの視線も丁寧に描写され、内閣が置かれた厳しい状況が浮き彫りにされます。


### 第三章: **蛮勇演説と衆議院解散**


 西郷海軍大臣(高杉亘)が12月22日に行った「蛮勇演説」は、松方内閣にさらなる試練をもたらしました。衆議院での対立は激化し、議会は完全に機能不全に陥ります。松方は苦渋の決断を迫られ、ついに12月25日に日本初の衆議院解散を宣言。ここでの西郷の演説シーンは、彼の強烈なキャラクターとともに、内閣がどれほど脆弱な基盤の上に立っていたかを視覚的に示す重要な場面です。


 西郷を演じる高杉亘の緊張感あふれる演技が、この演説の歴史的な重みを際立たせます。また、松方の内心の葛藤や、他の閣僚との緊張感が徐々に高まる様子も、各キャストの演技を通して深く描写されます。


 1892年2月の第2回衆議院議員総選挙では、内務省による大規模な選挙干渉が行われ、暴力と混乱が支配する中で民党と政府の対立が一層深まります。ここでの内務大臣品川弥二郎(片桐竜次)とその側近たちの策略や、政府内での意見対立が描かれ、内閣内の崩壊が進行します。品川は殺し屋に頼み陸奥を暗殺し、後釜に。


さらに、辞任を表明する閣僚たちの姿や、松方が政局の主導権を失う様子が強調され、彼がいかに孤立していったかが明らかになります。この政治的混乱と、閣内の不協和音がリアルに再現され、視聴者に強い印象を残します。


 7月に総辞職する松方内閣の姿が描かれます。長引く政治的混乱に終止符が打たれ、後任として再び伊藤博文が政権を担うこととなります。松方が政権を去る際のシーンは、竹中直人の演技によって、松方が感じていた挫折感や、彼の強い責任感がリアルに描かれます。


 一方で、伊藤博文をはじめとする藩閥首脳たちが再び政治の表舞台に登場し、今後の日本政治がどう変わっていくのかという期待感が高まります。この章は、過去の反省を踏まえ、次なるステージに向かう政治家たちの姿を描き出し、ドラマを締めくくります。



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