第2話
「長い。紫オジサンについて
「短髪、浅黒、皮膚の質感から、薬物使用歴あり、目立った外傷なし、んで……」
「待て、
「ないよ。ここから少し離れたエリアを
スマホ画面の下手なイラストと死体を見比べると、確かに特徴は一致している。
「他の特徴は?」
「前にアッシュが、ゴールデン・スクエアの仕立て屋さんで作ってもらったような
「靴は?」
「下品なエナメル。
「他の所持品は?」
「財布と警棒以外は無いみたい。あんまり
「トレゼッテか……」
「なにそれ?」
「カードゲームだ。イタリアの。四十枚のカードを十枚ずつ配って、それぞれ一枚出す。その中で一番強いカードを出した者が他のカードごと手に入れて、そのカードの合計点数が二十一になるまで続けるんだが、カードの強弱と計算方法が独特なんだ」
「ふーん。最近のクルーズ船は
「うっ……。関係者との交流の
「ふーん。ママに言いつけてやるんだから」
「話を戻すとだな……、もし、これから、似たような状況があって、『単独の絵柄』を所持している者を見つけたら連絡しなさい」
「ん? 何でぼやかすように言うの? また私の周辺に
アーサーから返事はなく、代わりに少し離れた相手との会話がボソボソと聞こえてくる。
〈誰と電話してるの?〉
女の声。中東
〈妹だ〉
そっけない
〈そうなのね。ベランダで風に当たって髪を
妹だと信じた。
「で? 何だって?」
アーサーの取り
「なんでブロンドじゃなくてブルネットなんだよ!
「お、おい……。お、落ち着け……」
「お嬢さん。朝っぱらから、街中で
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