第3話 無人島のロボメイドさん
■エグナシア島 海岸
僕がアグリオスと海岸まで、マンモスを引きずっていくと小屋がちょっと立派になっていた。
ボロボロだった壁は綺麗なものになっている。
気になるのはその作業をしているのはメイドさんなのだ。
「誰だろう? あんな人一緒に来ていなかったよね」
僕が小屋に近づき、アグリオスに地面へ下ろして貰うとメイドさんは綺麗なカーテシーを決める。
メイドさんの年齢は20歳くらいで、ショートボブの茶色の髪色ををしていた。
一番目立つのは耳にあるアンテナで、マンガなどでメイドロボがよくしているアイテムである。
「ええっと……君は?」
「私は自立機動方オペレーティングシステムの端末の1つです」
「端末ということは、君みたいなのがいっぱいこの島にはいるということなの?」
「いいえ。残っているのは私だけになります。他の端末は破損等により島での確認ができません」
「そうなんだね……でも、君はここで何をやっているのかな?」
「先ほど、島の防衛システムの再起動が確認されました。そのため、島全体の確認を行い生体反応のある存在の防衛を行うために来ました」
僕は話を聞きながら、内容を整理する。
このメイドさんはこの島全体のシステムの影響下にある端末で、僕が防衛システムを起動したことで母様の安否確認のために来たようだった。
「名前はなんていうの?」
「私に個体名はありません。型式ですとAM-OS-0001Xとなっております」
「AM-OS……じゃあ、アモス! 君の名前はアモスだよ」
「確認いたしました。当端末を個体名アモスとして登録いたします」
機械じみた反応が彼女をアンドロイドに準じる存在であることを示している。
無人島でどうしようか困っていたけど、アモスがいるなら何とかなりそうだった。
「建物の補強が終わったら、食料の確保をしたいよね。持った来たマンモスの処理ってできないかな?」
「かしこまりました。タスクを追加して、対応に回ります」
ペコリとお辞儀をしたアモスは小屋の補強作業に戻っていく。
「巨大ロボットがあったかと思ったら、メイドアンドロイドまであるなんてね……もしかして、追放じゃ、ない?」
チート能力も、魔力もないけれどメイドアンドロイドと巨大ロボットが僕の指示に従ってくれるのならば、無人島生活が何とかなりそうな予感がした。
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