第3話 立華,梅山城に行く
神人の禍乱は,寿影組を牛耳ったのはいいのだが,直近の問題として,お金に窮した状況に陥ってしまった。
一方,禍乱の子どもを妊娠した立華は,梅山城に出向いて職探しをしていた。
ー 梅山城 ー
梅山城では,常時,職員を採用している。もっとも,ほとんどの場合,採用されることはない。採用条件がかなり高いからだ。
立華は,職員採用局の門を叩いた。そこには,受付のむさくるしい男がいた。
受付「どんな仕事を希望だ?」
立華「女中を希望します」
受付「女中? いろいろと条件があるぞ。年齢制限はないものの,例えば,美人なのは当然のこと,気力は初級後期まで,胸はEカップ以上,身長は,145cm以上だ」
立華は,外見を12歳に設定している。美人,気力は初級前期,胸もFカップなので,そこまでは条件に適合する。だが,身長は140cmにも満たない。
立華は,ヒト型に変身ができる。だが,一度,ヒト型に変身の形態を決めてしまうと,微調整はできなくなる。というのも,その変身形態を永続的に持続させないといけないからだ。
立華は,こんなところで没にされたくない。
立華「あの,,,なんとか,ならないでしょうか?」
その言葉に,受付の男はニヤッと笑った。
受付「世の中には,魚心あれば水心という諺がある。ちょっと,裏の部屋に来い」
その言葉に,立華は嬉しくなった。彼女は,どんなことをしても女中になりたかった。
受付の男は,立華を裏の部屋に入れた。
受付「ここで何をするか,分かっているんだろう?」
立華「・・・,はい,,,」
立華は,着物をとめている帯紐を解き始めた。
受付「フフフ,ものわかりがいいな」
彼は,もう我慢ができず,立華を自分の懐に寄せて,着物の胸元から手を入れて,立華のFカップになる乳房をまさぐって,立華の唇にキスをした。
ズズズーー!
唇と唇が合わさった。
このことにより,立華が手に入れた能力,気呑術が発動してしまった。立華は,その男の気を吸収した。
その男は,そのまま5分ほど,キスを継続させられて,完全に気を奪われてしまった。彼は,立っていられず,意識を失ってその場に倒れた。
立華「あれ? 気を奪ってしまったの? そのつもりもなかったのに? あらら,これって,もう,迂闊にキスもできなくなってしまうわね」
立華は,期せずして気法術で上級前期のレベルになってしまった。
ふと,机を見渡すと,『受付済』という押印があった。それを自分が持っている願書に押した。これで,受付完了だ。後のことはどうなるのか立華もよくわからない。
立華は,職員採用局の中を進んでいった。武官課,文官課,さらに女中課の表札もあった。そこで,女中課のドアを開けて中に入った。ドア近くで事務仕事をしていた女性職員がいたので,彼女に声をかけた。
立華「あの,,,受付の方にここに来いって言われたのですけど,,,」
立華は,そう言って願書をその女性に渡した。
その女性は,願書を受けとって,そのまま上司の管理官に渡した。管理官は,願書を受けとって立華を見た。立華は,超がつくほど可愛い少女だった。
彼は,可愛い女中には意地悪だった。一番,厳しい職場を斡旋することにした。
管理官「では,ついて来なさい」
その言葉は,「女中に採用する」という意味に立華は理解した。
彼が最初に案内したのは,第2夫人・優魅の住む優魅荘に連れていった。
城主には,第1夫人から第3夫人までいる。すでにそれぞれに男の子がいる。女の子が生まれると,5歳以降になると,母親の実家で育てられる。後宮に住む方が危険が大きいという理由もある。
第2夫人の住む優魅荘に近づくと,立華は,すぐにその屋敷内では,大量の毒蛇が飼育されいるのがわかった。たぶん,毒薬を精製している場所だろうと予想した。
だが,立華は,何も言わずに,管理官の後をついていった。優魅荘の女中に,新しい女中の候補が来たことを第2夫人に伝えるように依頼した。
その後,応接室で,第2夫人による面接が行われた。彼女は,立華をちょっと見るなり,すぐに立華を女中に採用した。それも,毒味役の女中だ。
つまり,第2夫人は,立華を試作毒薬の人体実験用に採用したにすぎなかった。
それからの立華の仕事は,毎日,朝食,昼食,夕食の毒味を行った。その食事には,ことごとく試作毒薬が含まれていた。だが,立華は,元・妖蛇女王だ。あらゆる毒に対して,抵抗力を持っている。毒で立華を殺すことはほとんど不可能だ。
第2夫人の優魅は,なんで立華は毒で反応しないのか,不思議に思った。そこで,翌日には,毒の量を多く食事に混入して,立華に毒味をさせた。しかも,それが1週間継続した。それでも立華は,平然として元気だった。
優魅は,立華が特異体質なのではないかと思った。そんな時,城主が立華をみそめた。
それは,第2夫人がもっとも恐れていたことだ。彼女にとって,すぐに毒味で死んでしまうと思って,超がつくほど可愛い立華を毒味役に採用した。
だが,立華は死ななかった。
立華は,城主にみそめられた。城主のお手つきになった。
城主は立華を寵愛した。その寵愛は異常なほどで,立華以外の女性は,眼中にないほどだった。そのため,それ以降,他の夫人が城主とベッドを共にする機会は失ってしまった。
それは,立華の妖蛇特有の本能的能力,『催淫強化術』によって,城主が骨抜きにされたのが要因だ。
立華は,城主によって,第4夫人に昇格された。後宮の一番奥の屋敷を立華荘と命名されて,そこに住むことになった。また,専用の女中3名がついた。
だが,1ヶ月もしない内に,3名の女中は立華用に準備された食事の毒味をして死亡した。立華の食べた食事には,無味無臭の猛毒が混入されていた。
立華は,これ以上この屋敷にいると,毒味役の女中に迷惑がかかると思い,梅山城を去ることにした。彼女にとっては,第4夫人になったという実績があること,また,この城の奥医師に,立華が妊娠したという事実を知ってもらえた,という事実があればよかった。
立華『これで,生まれてくる子どもには,父親が梅山城の城主だと言える根拠ができたわ』
立華は,梅山城を去る決心をしたその日,城主は,相変わらず,彼女とベッドを共にするために,自分の親衛隊を連れて立華荘を訪れた。
ベッドで,城主は,立華によって催淫強化術を受け,そのあまりに強烈な作用によって,立華の豊満な裸体を見るだけで粘液を放出してしまい,意識を失うようにして朝まで寝入ってしまった。
この一連の流れは,最初に城主とベッドを共にしてから同じことの繰りかえしだった。
しかし,今日は少し違った。立華は,気絶した城主の唇に,自分の唇を合わせて,彼の気をすべて吸収した。城主は上級中期のレベルだった。その気がすべて立華に吸収された。
それによって,立華は上級後期のレベルになった。
立華は,ついでに,城主の親衛隊をひとりずつ寝室に呼びつけて,後頭部を強打して気絶させて気を吸収した。それを20人の親衛隊全員から行った。その結果,立華はS級前期レベルに達した。
S級に達するのは非常に希で,この凡界である蒼青大陸でも,100人いるかどうかだ。自分の努力だけでS級に到達するのは大変困難だ。
立華のように気呑術というチート的な方法で達成することもできるが,通常は,聚気丹という丹薬を呑むことでレベルアップを図る。もっとも,聚気丹は,金を出せば買えるというものではない。材料が大変貴重なので,ほとんど入手困難だ。そのためか,S級レベルの気法使いは,大変名誉なことであり,周囲の者から尊敬を受ける対象となる。そのため,S級に達した者は,S級達成祝いと称して,宴会を開催する場合がほとんどだ。
だが,立華の場合は違った。禍乱に気を奪われる前は,すでにS級レベルだった。それが,やっと,今,元のレベルに回復しただけのことだ。
立華は,S級だけでは満足しなかった。後宮には,別途20名からなる後宮護衛隊が警備している。そこで,後宮護衛隊員をひとりずつ呼びつけて,気を吸収していった。20名全員の気を吸収した結果,立華は,S級中期に達した。
立華「これだけの気を吸収しても,まだ,S級中期にしかならないの?」
立華は,もうこうなったら,なんとか,仙人・天女レベルになってから,この城を去ろうと思った。だって,立華の最終目的は,神人である禍乱に責任をとってもらうことだ。つまり,神界で彼と一生,添い遂げることだ! まずは,一刻も早く天女レベルになる必要がある。
立華は,自分の屋敷から出て,第3夫人を護衛する第3親衛隊10名を襲った。彼らを倒すのは容易だった。今の立華は,加速5倍が使える。その速度をもってすれば,中級後期か上級前期の連中など,カスみたいなものだ。その後,第2夫人及び第1夫人の親衛隊員を襲った。しかし,全然レベルアップしなかった。
そこで,後宮を出て,この梅山城全体を護衛する第1分隊を襲うことにした。梅山城は,軍隊を有している。第1分隊から第6分隊に分かれていて,それぞれが200人ほどの構成員になっている。
第1分隊は,城内の第1分隊室に居て,夜は輪番制で20名ほどが当直している。
立華は,その当直している20名を襲った。彼らにとっては,寝耳に水の出来事だったろう。彼らから気を吸収して,やっと,立華はS級後期に達した。
立華「ここまでして,まだS級後期なの? いったい,天女レベルって,どれだけの気を吸収すればいいの?」
立華は,梅山城を出た。門番は,一瞬で気絶させた。もちろん気を吸収したが,全然足しにはならなかった。
立華がS級後期に達してから,気を身近に感じるようになった。それは,大気に存在する気を吸収できる前兆だ。
立華「え?大気の気をすごく身近に感じられるわ。これって,天女レベルへの第1歩なのかしら? あっ,あの建物にも,高い気を持つ者が10人くらいいるわ。行ってみましょう」
立華は,付近にいるヒトの気も敏感に感じることができるようになった。
立華が出向いた場所は,梅山城の隣に位置する治安局の建物だ。この梅山城の城下町全体の治安維持を担当する部署だ。10名ほどが当直していた。
立華は,有無を言わさず彼らを襲い,彼らの気をすべて吸収した。
立華は,まだ,天女レベルに達しなかった。でも,なんか,これで十分な感じがした。
立華「まあいいわ。この梅山城に来て,城主をたぶらかしたけど,彼には,一度も犯されたことはなかったわ。ごめんね。でも,催淫効果で,いい夢をみれたことでしょう。
第2夫人・優魅様には,なんども毒入り食事を食べさせられたわ。フフフ,でも,妖蛇女王のわたしにとって,毒は意味ないのよ。ごめんね,無駄な努力をさせて。
短い間だったけど,これ以上いると,わたしの身近の女中たちに迷惑がかかってしまうわ。これで,失礼するわ。バイバーイ!」
立華は,夜の城下町を東方向に向かって歩いた。城下町は,女性のひとり歩きは,さほど危険ではない。もっとも,それは,人通りの多い場所を通れば,という前提がつく。
立華は,Fカップの巨乳だ。しかも,今は,肌着の長襦袢を着ているだけだ。豊満な乳房が半分透けて見える。下半身には何も穿いていない。どうぞ,犯してくださいと云っているようなものだ。
立華は,わざと人通りのない裏路地を通って,東の方向に歩いた。
立華『どうやら,数人,後をつけてきているわ。中級中期,中級後期,あっ,上級前期もひとりいる。まあまあのレベルね』
立華は,相手を見ることもなく,後方からつけてきている気のレベルも,正確に把握できるほど気に敏感になった。
立華『大気中の気が,なんか,自分の周囲に集まって来る感じがするわ。これって,どういうこと? この体,大気の気を自動で集めることができるというの?』
そんなことを思っていたら,背後からつけてきた男たちが,立華に声をかえた。
男「おい,娘,そんな恰好してどこに行くんだ?男を誘っているんだろう?」
その言葉に,立華は合わせた。
立華「そうよ。わたし,あれが大好きなの。どうぞ犯してちょうだい」
男「ハハハ,物わかりがいいな。じゃあ,俺の家に来い。何,10分も歩けば着く。でも,その恰好では人目につきすぎる。男物だが,これでも羽織れ」
その男は,自分が羽織っていた半纏を立華に渡した。彼女はそれを羽織った。男物の半纏なので,かなり大きく,立華の乳房だけでなく,お尻や股間部分も完全に隠すことができた。
10分後,その男の住む長屋に着いた。彼は,絵師だった。つまり絵描きだ。主にエロ方面の絵を描いて,スケベな常連さんや,性に目覚めた若者に販売する。最近では,版画技術を編み出して,効率よく量産できる方法を確立したばかりだ。これから,やっと,余裕ができて,娼館通いも頻繁にできそうな状況だった。
立華「あら?あなた,絵師なの?」
男「そうだ。こいつらには,版画制作で手伝ってもらっている。たまたま,娼館から帰ってくるときに,お前さんに出会ったってわけだ。どうだ? お前さん,若くて,かなりのべっぴんさんだ。いや,超,可愛いタイプの少女だ。ここで住まねえか?俺の裸体のモデルにならねえか? そうだな,,,儲けの1割くらいなら,渡すことができる」
立華「モデルだけでいいの? わたしを犯さないの?」
男「もちろん,それ込みの話だ。犯す時の姿,四八手の姿,すべてを,お前さんの体で描きたい。それに,お前さん,妊娠しているね。それも,妊娠4ヶ月といったところか。どうだ?このまま,ここで出産しないか?出産するシーンを描くのも,新鮮味があって面白い」
立華は,以前お世話になった村に行こうと思ったが,ここで,生活してもいいかもしれないと思った。だが,自分がお城でしでかしたことを考えると,彼らにも迷惑がかかってしまうかもしれない。
でも,その時はその時だ。しばらくここでお世話になるのもいいと思った。
立華「じゃあ,しばらくお世話になるわ。でも,条件があるの。わたしにキスすることと,犯すこともダメ。わたし,この子の父親に操を立てているの。
おっぱいならいくらでも触ってもいいし揉んでもいいわ。あそこを挟んで気持ちよくさせることだってできるわ。いくらでもモデルになってあげるわ。どう?それで?」
男「キスとあの行為はダメか,,,まあいい。じゃあ,その条件で構わない。今,準備する」
絵師は,デッサン用の紙と鉛筆を用紙した。
絵師「では,えーーと,名前はなんて呼んだらいいのかな?」
立華「立華よ」
絵師「わかった。じゃあ,立華,裸になってくれ」
立華「はい,えーーと,あなたのこと,何て呼んだらいいの?」
絵師「彩紋という。彩紋と呼び捨てでいい」
立華「寝るところと食事の世話を受けるのだから,彩紋様と呼ぶわね」
立華は,半纏を脱いで,さらに腰紐を解いて半透明の長襦袢を脱いだ。
立華は全裸になった。身長140cm,Fカップの胸だ。お腹は,妊娠4ヶ月ほどに膨らんでいた。立華の裸体は,ほんとうに美しいものだった。だが,少し,普通の女性と違うところがあった。
絵師「あれ?立華の肌,少し光っていないか?」
そう云われて,他の2名の男性,元と旦も,鼻の下が伸びっぱなしだったが,目をこすりこすりしてよく見ると,確かに,立華の体表が,少し光っていた。
元「彩紋師匠,間違いないです。体表がほんの少し光っています。それに,気の波動を強く感じます」
旦「師匠,わたしも同じです。ほんのりと光っています。もしかして,立華は,気法術の優れた使い手ではないでしょうか?」
絵師「やはり,そうか。立華,あなた,もしかして,気法術では,S級になったのではないのか?」
そう云われて,立華は,ちょっと嬉しくなった。
立華「フフフ。実は,そうなのよ。お城の護衛兵や軍人の気を吸収しまくったの。でも,それでも,やっと,S級後期のレベルよ。天女クラスにはなれなかった。はぁ,,,天女クラスって,ほんと,先が思いやられるわね」
絵師「ヒトの気を吸収しまくった?」
元「それって,もしかして,気呑術のことなの?伝説の?」
旦「気を吸われたヒトは,バカになるって,云われているやつ?」
立華「バカにはならななったわ。実は,わたしも,その術で気を失ってしまったからよく分かるわ」
絵師「・・・」
元「・・・」
旦「・・・」
彼らは,つまり,立華がヒトから気を吸収できる化け物だと認識した。
絵師「あの,,,われわれからは,気を吸収しないでください。お願いします」
元「わたし,立華様の奴隷になります。なんでもします!」
旦「俺も,奴隷になります。特に性奴隷がいいです!」
立華「フフフ,大丈夫よ。わたしと唇でキスをしなければいいだけのことよ」
この言葉を聞いて,彼らは少し安堵した。立華の淡い光のことは,今はどうでもいい。まずは,エロいポーズでのデッサンだ。
男性2人と美少女1名のエロいポーズとなると,いろいろ考えられるが,定番のサンドイッチタイプのエロいポーズを取らせて,30分ほど動かないように指示した。
その間,元と旦は,どうしても立華の体に欲情してしまい,あの部分から粘液が出てしまった。
絵師「こら! 何,変なもの出しているだ! 立華天女様の
体が汚れるだろ!」
絵師は,立華のことを,立華天女様と云った。だって,間違いなく,近々,天女クラスになるはずだからだ。
元「すいません。でも,あまりにエロくて,我慢できませんでした」
旦「おれも,同じく,,,」
絵師「まあいい,とにかく動くな。もうすぐデッサンが終わる」
まもなくして,やっとデッサンが終わり,立華たちは,体を動かせる状態となった。これからが大変だ。それを版木に移す作業がある。5色刷りとなるため,構図を色ごとに分解して5枚もの版木が必要となる。版木への作業に,絵師,元,旦の3名が4時間ほどかけてやっと完成させた。
ただし,4時間も下絵や彫刻に集中できないので,休息時に絵師が立華にあるお願いをした。
絵師「立華天女様,あの,,,休息時に,その,,,立華天女様のおっぱいを触らせてくれませんか?それだけで,元気百倍になりますので」
元も旦も,強く首を縦に振った。
立華「いいわよ。その代わり,わたしには,超贅沢な食事をあてがってちょうだい」
絵師「もちろんです。特別に最高の料理屋から出前を取らせましょう」
立華「じゃあ,いいわよ。ただし,おっぱいだけよ。下のほうは触らないでちょうだい」
絵師「へへへ,ありがとうやんす」
かくして,絵師たちは,休息と称して,裸体のまま寝ている立華のおっぱいをいつでも自由に触れる,もしくは,乳首を吸う権利を得た。
その甲斐あってか,彼らは,いつも以上に版画に集中でき,塗りつけを行い,その後,微調整の作業が入り,最終的に,翌朝の5時頃になって,やっと完成させた。
彼ら3名のうち,絵師と元が,全裸で寝ている立華の隣で寝て,旦は,しょうがないので,ひとり寂しく,部屋の隅の方で,熟眠することにした。熟眠すれば,睡眠時間が少なくて済む。早めに起きて,立華を,立華の胸を自分だけが触れる状態にするという算段だ。旦は,5時間ほどの睡眠時間で午前10時に目覚めた。
立華は,すでに起きていて,相変わらず全裸のまま,あぐら座りをして,気法術の修練をおこなった。旦は,テキパキと顔を洗って歯を磨いて,朝食を簡単に済ませた。
旦「あの,立華天女様,修練中にすいませんが,おっぱいを触っていいですか?」
立華にとっては,体を触られることによって,集中をとぎらせないという訓練にもなるので,軽く頷いた。
そこで,旦は,立華の背後に座って,背後から手を廻して,Fカップの胸を思う存分独り占めして揉むことができた。その際,旦も全裸なので,彼の胸や腹部全体が,立華の背中部分に接触した。
立華は,大気からの気を体内にできるだけ早く吸収する修練をしていた。そのときに,旦が手や腕だけでなく,胸や腹部も立華の体に接触した。
スススーー
旦「あれ? 立華天女様の淡い光がわたしの体に纏わり付いてくる感じがします。え? その光,,,自分の体から出て来ているみたい」
旦は,その言葉を最後に,徐々に意識を失っていった。だが,しっかりと両手は胸を押さえているので,体を接触したままだった。
10分後,,,20分後,,,30分後,,,,
立華は,相変わらず,気を体内に取り込む修練をしていたが,急に多くの気を取り込むことができた。
立華『あれ? なんか,旦が触っていると調子がいいわね。どんどんと気を取り込めるわ』
そう思ったものの,さすがにおかしいと感じた。
立華『もしかして,旦の体から気を奪っているの?』
立華は,慌てて,旦の体を自分から離した。
ドサ!
旦は,床に倒れた。
それをみた立華は,『やばい!』と思って,慌てて,旦の状況を調べた。旦は,意識を失っているだけでなく,ほとんどすべての気が奪われてしまった。それだけでなく,今にも,呼吸が止まりそうだった。
立華は,慌てて,取り込んだ気を自分の両手に集中させて,その気を旦の頭部,首,胸,腹部,脚,腕など,体全体に当てて,気を戻そうとした。
気を戻そうとしても,旦は,中級後期レベルだったのだが,気を失ってしまい,今は,まったくない状態だ。いくら,外部から気を注入しようとしても,今の旦は,ほとんど気を吸収できない状況になっていた。
それでも,息が止まりそうな状況からは,なんとか回避することができた。
立華は,旦の呼吸が少し安定してきたので,やっと一息ついた。
立華「あぶない,あぶない。あのまま気を吸収し続けていたら,旦は死亡してしまってたわ」
立華は,なんで旦が死にそうになってしまったのか,その原因を探ることにした。キスによる気呑術では,気を吸収しても,相手が死ぬようなことにはならない。でも,体全体を接触させて,30分も接触させた状態だと,何か違うのか?
立華は,すやすやと寝ている元にキスをして,気呑術で気を吸収した。その後,立華の手を元の体に当てて,元の体がどのような状況になっているのかを探ってみた。
立華「なるほど,,,元の場合,丹田部に集中している気は,ほぼ空っぽになっているが,五臓六腑の部分は気が残っている状態だ。
でも,旦の場合,その五臓六腑にある気さえも吸収してしまった。
それで,肺部もまともに呼吸ができず,心臓の鼓動も微弱になった,,, たぶん,そういうことだろう。
わたしが,たまたま行った体全体に気を戻す行為は,つまり,五臓六腑に気を回復させる行為だったというわけか。あぶない,あぶない」
立華は,元と旦を使って,できるだけ早く,気を元の状態に回復させる方法を検討してみた。それは,すなわち,相手の体力を回復させ,場合によって,怪我や病気から早く回復させることにも繋がる。
立華は,いまだ寝ている絵師の健康な状態を確認することにした。絵師の体を注意深く触り,そこから気を流して,体内の五臓六腑の気の状態がどのようなものかを確認した。
丹田部の気の核部に気が集中しているのは当然なのだが,五臓六腑,とりわけ,肝臓,腎臓,心臓,肺の4臓器,さらに,心臓から流れる大動脈にも,かなりの気が含まれているのがわかった。
立華は,ふたたび,元の体の状況を確認した。元の肝臓,腎臓,心臓,肺の4臓器,さらに,心臓から流れる大動脈部分の気も,ある程度の気が奪われていることが判明した。
立華「なるほど,,,気を吸収する順番があるのね。まずは,体内に流れている気,次に,丹田部にある気の核,そこが空になると,肝臓,腎臓,心臓,肺の4臓器,さらに,心臓から流れる大動脈の部分から気を奪うわけね。でも,肝臓などから奪うのは,ほんの気の一部分だけ。気呑術ができるのはそこまでのようね。
でも,体を接触して時間をかけると,それだけでは収まらずに,五臓六腑にある気をも吸収してしまう。つまり,相手を死なせてしまうってわけね」
立華は,逆に,気を注入する順番さえ間違わなければ,すぐにもとにもどるのではないかと考えた。そこで,元から試してみた。
立華は,元の胸元に手を当てて,大動脈部分に気を注入していて,その大動脈に添って,手を動かしながら,気を注入していった。
今の,立華は,体表に手を当てて,気を注入することで,体内の状況が手に取るようにわかる。
次に,肝臓,腎臓,心臓,肺の4臓器に気を注入していった。その後は,丹田部にある気の核だ。
その一連の作業に30分以上もかかってしまった。
この方法がうまくいったのかどうか,今は判定がつかない。でも,たぶん,この順番でいいはずだ。
さて,問題は旦だ。旦の場合,肝臓,腎臓,心臓,肺の4臓器,心臓から流れる大動脈の主要な部分以外の臓器や血管から,気を流す必要があると思った。
立華は,じっくりと時間をかけて,微細な毛細血管から気を流すことにした。頭頂から足のつま先まで,じっくりと立華の手の平を当てていって,体中の大動脈を除く血管部に気を流していった。
その作業に1時間をかけた。
その後,肝臓,腎臓,心臓,肺の4臓器以外の臓器に気を注入していった。次に,肝臓,腎臓,心臓,肺の4臓器,心臓から流れる大動脈の部分に気を流し,最後に,丹田部にある気の核部に気を流した。
旦に気を流す作業は2時間にも及んだ。
そうこうしているうちに,絵師が目を覚ました。
絵師「え? 立華天女様? 旦に何をしているのですか?」
立華「旦が気を吸われて,死にそうになってしまったの。それで,気を戻そうと,いろいろ試しているのよ。でも,なんか,方向性がつかめた感じがするの」
絵師「ふーん,そうですか」
絵師は,関心なさそうに,朝の身支度をして,朝食をたべた。ふと,元がなかなか起きないので,彼の様子をみると,ぐったりしているような感じだった。
絵師「立華天女様,もしかして,元に何かしましたか?」
立華「ちょっと,気を吸収する実験材料にしたの。普通なら,気の回復に,2,3ヶ月はかかってしまうわ」
絵師「なんと,,,」
立華「今日は,元も旦も仕事はできないと思うわ。でも,なんとか,できるだけ早く回復させてみるわ。いろいろ試してみないといけないけどね」
立華は楽しかった。どうすれば,早く回復させることができるのか,それができるということは,病気の治療にも役立つ。つまり,金儲けができるということに繋がる。
絵師「あの,値段は張るけど,下級でもいいので精力丹を呑ませれば,少しは早く回復するはずですよ」
立華「精力丹を呑ませる?」
立華は,精力丹を呑ませた場合の,その体内への流れを考えてみた。胃で分解,腸で吸収されて,血管に移動して,体中の臓器に巡って,それぞれの臓器に辿り着く。その過程で,気のパワーを発揮していくはずだ。
立華は,自分の考えに大きな間違いはないと思った。
しばらくして,元も旦も意識を取り戻した。だが,起き上がることさえできないほど疲れていた。立華は,事情を説明して,できるだけ早く回復させることを約束した。
その日の午後,絵師は,版木に色をつけて,版画を完成させていった。7時間ほどかけて,100枚ほど完成させた。ひとりでは,いくら急いでもこの辺が限界だった。
絵師は,初作であるエロ版画100枚を持参して,懇意にしている仲介屋に持っていった。
仲介屋「お? これはなかなか,悪くないね。うん,これなら,100枚は,すぐに売れそうだ。これ,シリーズ化してくださいよ。1枚,そうだな,,,これだと,銅貨5枚(500円相当)で引き取らせてもらいます。いかがですか?」
絵師「あの,,,実は,モデル料が高くついてしまって,もう少し,色目をつけてくれませんか?」
仲介屋「では,1枚銅貨6枚でどうでしょう。それ以上は,ちょっと無理です。シリーズ化して,人気が出てこえば,一気に500枚くらはさばけるかもしれませんよ」
絵師「わかりました。それで結構です」
絵師は,金貨6枚(6万円相当)を獲得した。人数が4名,作業日数が2日ということを考えると,まったく割に合わない。
もっとも,人気が出れば量産できるので,利益率はアップする。
絵師は,有名料理屋から,特上の伝統料理を持ち帰って,立華に食べさせた。ともかくも,立華に機嫌良く,この仕事を続けてもらわないといけない。
立華は,ここでの生活がちょっと気に入ってしまった。おいしい料理は食べれるし,元と旦の体をつかって,治療方法をいろいろと検討できるからだ。
それに,モデルとういっても,30分間だけエロいポーズをするだけだ。
絵師たちが胸を触るのは,さほど修練には支障をきたさない。返って,触られるても,それに反応しないようにするという訓練にもなる。
今は,絵師だけが稼ぎ頭だ。遊んでいる暇はない。
第2作目のポーズをいろいろと考えて,立華に10通りのエロいポーズをさせた。その中から,ひとつを選んだ。それは,立華が絶頂を迎えるときの超エロいポーズだ。立華の海老反りのポーズとした。
それはいいのだが,そのポーズを静止した状態で30分も続けるのは,さすがに辛いものがあった。
でも,なんとか絵師の要望に答えた。
そんなこんなで,絵師は3日ほどかけて,第2作目を完成させた。その完成と合わせるかのように,元も旦も,体を起こして立ち上がることができるほどに回復した。
立華「元,調子はどう?」
元「立華天女様,はい,すこぶる調子いいです。気も,初級の中期レベルにまでは回復しました。この調子で回復すると,あと,1週間もすれば,完全に元に戻るのではないでしょうか?」
立華「それはよかたったわ。旦はどう?」
旦「わたしも調子いいです。気も,初級前期のレベルにまで回復しました。わたしも,あと1週間程度で完全回復すると思います」
立華「それはよかったわ。わたしの気法術も,なかなか様になってきたわね。どう? 今は,わたしの周囲に,変な光はない?」
元「今は,光は見えません。大丈夫です」
立華「そう,よかったわ。かなり気の扱いを制御できるようになったのからかしら?
そろそろ,わたし,気法術の治療師として,自立できるかもしれないわ」
立華は絵師に言葉をかけた。
立華「わたし,『気法術治療師』という名称で,病気を診ることにするわ。だから,看板を作ってちょうだい。それと,素顔を隠す必要あるから,化粧道具も買って来てちょうだい」
絵師「・・・」
絵師は,ほんとうにそんなことできるのかと思った。でも,逆らうこともできないので,看板は元と旦に,休み休み作製するように指示した。
絵師は,2作目のエロ版画50枚を仲介屋に持っていき,そのついでに,依頼された化粧品を買うことにした。
ー 仲介屋 ー
仲介屋は,2作目の作品を見た。
仲介屋「これはこれは,,,うん,いい! 男をかますよりもずっといい。これなら,高く売れそうだ。よし,1枚,銀貨1枚(千円相当)でどうだ?」
絵師「え? ほんとうですか?」
仲介屋「ほんとうだ。それに,1作目は評判がいいので,増刷を頼む。この2作目は,そうだな,,,あと300枚は必要になりそうだ。今から準備しておきなさい」
絵師「はい! ありがとうございます!」
絵師は,立華が福の神のように思えた。金貨5枚を受けとって,商店街に行って,適当に化粧道具を買ってから戻った。
体調が回復したばかりの元と旦だが,看板を作ることくらいは簡単だ。適当な版木に,『気法術治療師・加里』と書くだけのことだ。
『加里』とは,立華の偽名だ。『りっか』を逆から呼んで名前をつけた。
その看板の横には,『診断料:無料,治療費:別途』と付け加えた。
絵師が化粧道具を買ってきたので,適当に,顔に塗ったくって,立華の素顔とわからないようにけばけばしく顔を変えた。
問題は服だ。男所帯なので,男物の半纏しかないし,もともと半透明のエロい長襦袢しか着ていなかった。
已むなく,男装の少女を演じることにした。
翌日から,絵師は,3作目の構図を考えながら,増刷をする作業に追われた。元や旦も,体を動かすのは,リハビルにもなるので,簡単な作業を手伝った。
立華は,『気法術治療師・加里』,『診断料:無料,治療費:別途』の看板を長屋の玄関の前に立てかけて,この長屋の住む連中に挨拶回りをした。その際に,患者を紹介してくれて,治療費が貰えたら,2割をバックするという約束をした。
だいたいにして,長屋に住む連中は,スラム街に住む連中と大差ないほどの貧乏人だ。病気になっても払う金などない。だから,医者,煉丹師,治療師などのところに行くという発想はない。
長屋の連中も,立華がほんとうに治療できるのかさえ知らない。そこで,立華は,長屋の中で,一番重い病気になっている患者を紹介してもらった。
その患者は,老人で,咳を何度もして,血痰を吐いて,今にも死にそうだった。
立華の背後には,ほんとうに治療ができるのか半信半疑な連中が大勢群がっていた。
立華が,気法術治療師として,今後,やっていけるかどうかは,ここで決まるといってもいい。
立華は,手を老人の顔,首,胸,腹部などに当てていき,体内の状況を詳しく診た。
肺部の気のパワーが著しく損なわれていて,腎臓部分も,大幅に減退していることがわかった。気管部分も弱々しい。
立華は,老人の娘さんに言った。
立華「ある程度,回復することは可能だと思います。ですが,体力のつくような食事をしないと,またぶりかえします。それでも治療しますか?」
娘「あの,今回は,治療費が無料だと聞いたので,ぜひお願いします」
立華「わたしが治療師として証明するのが目的ですので,今回は無料です。ですが,『気』をかなり使います。その気を,娘さん,あなたから分けていただけますか?」
娘「え? 気をわたしから?」
立華「そうです。『気』は有限です。無からは生まれません。誰かの気を分けてもらって,それを老人に与えることで,老人の気の減少による病を緩和します。それが,気法術治療師の仕事なんです」
娘「そうなんですか,,,ちょっと,待ってください。兄がいますので,兄を連れてきます」
その娘は,そそくさと出ていった。
しばらくして,30代半ばくらいの兄がしぶしぶやってきた。
娘「治療師さん,兄を連れてきました。わたしと兄の気を少し分けることで,父の治療ができますか?」
立華は,娘と兄を診た。娘は初級後期,兄は,中級前期の気のレベルだ。気を奪うにしても,たいして奪うことはできない。
立華は,ちょっと考えてから答えた。
立華「娘さんの気を,初級前期にまで,兄を初級中期にまで減少させます。その分の気を患者に廻すことでいかがでしょう。患者の病は,完全には回復しませんが,そこそこ緩和されると思います。今後の食事療法で,さらに改善されるかもしれません。
娘さんと兄の気は,だいたい1ヶ月程度で元に戻ると思います。いかがしますか?」
娘と兄は,お互いの顔を見合った。この衆人環視の中で,断るという選択はない。
娘「わかりました。それでお願いします!」
立華「了解しました。では,お二人さん,ここに座って,両手に気を貯めてください」
娘「はい」
兄「了解した」
娘と兄は,自分の手に気を集中させた。立華は,右手で兄の手を,左手で娘の手に当てて,気を立華の手に移していった。
その際,立華の手が青白く光った。
「おおおー! 手が光っているぞ!」
「ほんとだ,これはすごい!」
「奇跡だ!」
周囲にいる連中が,口々に叫んだ。
立華は,してやったりと思った。以前は,青白く光るのを制御出来なかった。でも,今は,制御可能だ。立華は,もしかして,S級を越えた天女レベルになってしまったのではないかとも思った。でも,天女レベルになったこともないので,何をもって,天女レベルなのかわからない。
今は,とにかく,周囲にいる連中を,驚かすことが肝要だ。
10分後,,,
気を奪われた娘と兄はグッタリとした。だが,気絶するほどではなかった。
立華は,今度は,その奪った気を,老人の気管部分,肺部,そして,腎臓部に注入していった。もっとも,注入する量は,奪った気の半量と決めている。残りは,自分用だ。
つまり,治療と称して,相手から気を半分奪うのが目的だ。しかも,感謝されるし,お金も貰える。
立華『へへへ,これこそ,一石三鳥の妙技よ』
立華は,こころの中でほくそ笑んだ。
気を注入された老人は,みるみると元気を回復していった。咳き込んだ状況から脱し,血痰も吐かなくなった。老人は,病気に対して,抵抗力をかなりつけてきたことになる。
もちろん,病気を根治することはできない。気のパワーで,抵抗力をアップさせるだけのことだ。でも,それは,煉丹師が精力丹を処方するのと同じ理由だ。
「おおー,老人の顔色がよくなってきた」
「咳もしなくなったぞ!」
「まさに奇跡だ!」
「加里様は,もしかして,神様か?天女様か?」
などなど,感嘆の声が上がった。
立華は,ここが勝負のしどころだと思った。
立華「皆さん,見ていただきましたか? このように,わたし,加里は,気法術で病を治療することができます。ただし,治療には,大量の気を必要とします。
わたしの能力は,患者の親類・友人から気を分けてもらい,それを患者に与えることができます。
今回の治療の場合,気のレベルで,初級3段階分を分けてもらいました。初級1段階が金貨半枚ですので,3段階で金貨1枚半,さらに,中級1段階分を分けてもらいましたので,金貨1枚になります。合計,金貨2枚半の治療費になります。
もちろん,今回は,デモの意味がありますので無料です。でも,皆さん,患者を紹介してくれれば,その治療費の2割,つまり,今回の場合,銀貨5枚が紹介料としてバックさせていただきます。もし,チップで余計にもらえたら,もちろん,その分の2割を差し上げます」
この話を聞いて,彼らは目を輝かした。
「わおーー! それって,紹介料だけで,食べていけるんじゃね?」
「そうだそうだ。下手な仕事よりもずっといいぞ!」
「おれ!患者捕まえて来る!」
気の早い連中は,この場から去って,患者を見つけにこの場から去っていった。
娘と兄は,父の容体が大幅に改善されたにを見て,立華に頭を下げてお礼を述べた。
立華としては,こっそりと,気の半分を自分のものにしたので,後ろめたい感じもあるが,「礼には及びません」と返事して,絵師のもとに戻った。
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