第4話 俺は、前に。
運営者側として制作に携われることは名誉なことだ。ゲームの新しいシステムを最初に体験しながら自分の能力を最大限発揮することで、会社に貢献することが出来るはずだ。
だが俺は
「お誘いはありがたいですがお断りさせていただきます。ですが、もし可能であればあの棒を僕にくれませんか?あの棒でどこまで上れるか、試してみたいんです。」
「ハッハッハ!そうかそうか!わかった!社長権限で棒を与えよう!あと、社員をクビにしてしまったんでな、テストには呼ばせてもらうぞ!」
「え、はい、分かりました、ついでに俺のことがネットで叩かれてるのはご存知ですか?出来ればあれをどうにかして欲しいんですけど、」
「ああ、こちらからバグではなく仕様だと伝えておこう。あと、これは能力値の可視化をしたものだ。20代の平均値が200だと思ってもらえればいい。技能値は文字化けしていて、1000以上は測れんかった。制作者に指名したのはその数値のによるものだと考えてもらったらいい。」
「ぎ、技能値1000超え!?!?しかも他の数値も異様に高いじゃないですか!!なんなんですかこれは!!」
「わしが聞きたいわい」
そんなこんなで混乱したまま帰宅した俺。まさかの能力値チート。脳が全盛期だったときの記憶に合わせて機能性が変わるらしい。つまり俺の脳から読み取られた記憶は、想像していた、決して実現不可能な最強の記憶、いわゆる厨二病の記憶が能力値を上昇させてしまったのだろう。しかもその記憶で体を動かしていても不思議と違和感は無い。つまり能力値に体が適応しているということ。厨二心はとっくに捨てたと思ってたのに。恥ずかしいことに変わりは無いが、せっかく手に入った能力値だ、ありがたく使わせてもらおう。そういえば別れ際に言っていた社長の言葉が気になるな。
「お前もプレイ動画を配信をすれば、影響力はあると思うが、自分で動画投稿はしないのか?」
少し興味はある。やってみようか、、。
〖ログイン:ID 00000024〗
ログインは出来た。と同時に通知が来た。運営と社長からだ。内容は、アカウントに問題がなかった場合、謝罪の代わりに貰えるアイテムと、社長からのプレゼントだ。中身は、、
「なんだ、ただのレジェンダリーアイテム、、」
レジェンダリー!?!?
ユニークを除く最上位アイテムだ。ユニークアイテムはレア度を付けられないが、レジェンダリーは正真正銘バケモノアイテムだ。
『レジェンダリー:神通契約の指輪』
効果は、『3回生き残ることが出来る』
つまり、この指輪で3本HPバーを増やすことが出来る。その上もうひとつの効果『耐性』はあらゆる攻撃に耐性を持ち、ダメージを軽減してくれる。レジェンダリーという名前は伊達じゃないようだ。またチーターと疑われそうだ、と思いながら、このバケモノチートアイテムは懐にしまっておく。こんなもの使っていたらなに言われるか分からないしな。運営からのプレゼントは、、
「『ノーマル:管理者権限』?効果は、管理者の権限を使用できる、、」
まじでなにしてんの社長。
棒は、あるな、てかここお宝洞窟だったな、全部回収して次に進むか。動画も撮りながら。
探索を再開したが、特に面白い展開はなく、あっさりボス部屋へと到達した。既にボスは倒されているようで、リポップするまで待機しなければならないらしい。あと何時間だ??
〖リポップ:15秒、14秒〗
タイミングは完璧だ。棒を装備し、戦闘態勢に入る。あと3秒、2、1、0。
〖Danger!Danger!〗
異質な空気感、Danger警告、ここのボスは本来、大柄なオーガが出てくるはずだ。黒い煙が立ちこめ、フィールドに現れたのは、
〖鬼神:魔羅〗
勝てるか、?いや勝つしかない。どうせ出られないんだ。素早く走り出し、懐めがけて棒を振るう。入った。
ガッ
刀を素早く抜き、棒を止められた。と同時に頭に蹴りを入れられ、大きく吹き飛んだ。威圧感に押し殺されそうだ。不安定ではあるが、ロングソードを出し、左手に装備した。鬼神に飛び込み、棒で叩きつけ、刀で防御されたが、棒を叩き込んだ反対側に体を捻り、遠心力で威力を上げロングソードで脇腹を切りつけた。
バキン
と、刃が折れてしまった。ロングソードの持ち手を離し、右手の棒で、刺さったまま残った刃を叩きつけ、食い込ませた。
ザンッ ブシュッ
左腕を斬り飛ばされた。そのまま腹を蹴られ、吹き飛ばされた、、、。
「うぅ、、ここは、ボス部屋だよな?」
吹き飛ばされた先の壁が破れ、空洞に繋がってしまった。そこには御神体があった。なんでか知らんが、手でもあわせてみようか。と、手をあわせると、ウィンドウが現れ、『鬼の加護』、『業績:御加護があらんことを。』と表示されている。こんな展開、漫画の主人公みたいだな。加護によって腕も回復した。加護の能力、筋力の増加、力が強くなるんだな。これなら倒せないこともなさそうだ。鬼の討伐に必須なんだろうか。と考えながら洞窟の入口だった所へ向かう。
外を覗くと、4人程度の死体か消えたところだった。
「まずいな、早く倒さないと被害が増えるな」
俺は鬼神を倒すために洞窟からフィールドへと足を踏み入れた。
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