第6話

花梨は大きな悩みに遭遇していた。

2人きりの生活に何やら不穏な空気が立ち込め始めていた。


何を言っても何をしても2人は喧嘩するのである。

なんだろう?

どうしたのだろう。


隆人が何を考えているかわからない。

どこまでいってもわからない。



はて?

何か悪いことをしたのか?


人間界で言う俗に言う『倦怠期』というやつなのだが!


花梨はそれに気づくはずもない。

猫だったのだから。

何を言っても何をしても喧嘩するのはなぜか?


一緒にいることがつらくなる

隆人は毎日会社へと向かう。

それを見送る。


1人になる。そして思い悩む。

突如として人間な人生を歩むことになった花梨は友達もいなかった。

相談する相手がいない。


なぜ喧嘩になる?


『喧嘩』とは相手をお互いに思いやるから相手を理解したいと思うから言い合いになるのだ



しかし、花梨にはそれを理解することが少々難しい感情だ。



理解しろと言っても無理がある。

人間でも倦怠期を乗り越えるのはなかなか難しい。


どうしたらいいのだろう?

『誰か』に相談したい。


そんな気持ちを持つのは必然的なことでだろう。


隆人と2人暮らしをしていて顔を合わせれば喧嘩ばかりなら誰かに相談したくもなる。



でもその誰かが花梨にはいない。



つらかった…

悲しかった…


どう乗り越えていいのか花梨には全くわからない。



でも逃げ出すわけにはいかないことだけ花梨の覚悟としてあった。

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ある世界の片隅で ささらなみ @ponponta3

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