第79話 Day55 Snake(蛇)

Day55 朝8時 ちょいすぎ 

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朝起きたら まず ヤギの乳しぼり

そして 朝 コーヒーを作る

ポータブル電源をガレージから出して充電開始

ここで充電中の電源にコンロをつなげ乳を加熱殺菌

そしてフィルターで ろ過させピッチャーを満たす

ミルクを半分近く使ったコーヒーをガレージで飲む

風呂場に行く

生暖かいシャワーを浴び 眠気をなんとか取り払う

シロ蛇に餌

馬とヤギを野原に放牧


男   :「Yo snake, that is the blueberry bush(蛇よ アレがブルーベリーの木だ)

      I know you cannot understand me (言葉は分からないだろうが)

       but if possible, please protect those also(出来るなら守ってくれ)」


ニョロっと顔をブルーベリーの木を見た後 チロッと舌を出す

馬とヤギを野原に放牧


昨日 死にそうになった

それを生き残った自分にご褒美ほうび

今日は酒と 冷凍してある山猫の美味しい部分を食べる予定だ

自然解凍をさせる為 冷凍庫から山猫の肉を取り出し

キッチンの流しを水で満たし

ジップロックに入れた冷凍肉を水に沈める

流水解凍の方がいいんだろうが そこは我慢する


***1時間後***

ブルーベリーや果物などはネットで囲えば食べられずに済む

だけど ネットなんて便利な物はない

なんで多少 目の粗い網を竹の皮で作っている


まー 無いより良いかなー


そしてブルーベリーの周りに割った竹を刺し 目の粗い網で囲んでいく

何だかんだで午前中は それで終わってしまう


***昼***

納屋の馬のフン等をシャベルですくいだし外へ

また 糞尿などが染み込んでいる おがくずも外へ

小屋づくりで使った丸太

そこからノコギリや斧で取った枝 

その枝をWoodchipperに入れおがくずを作り

それを馬小屋に敷いてやる

また 馬の水を入れている桶代わりの衣料品の箱も綺麗に洗おうとするが

カビやらコケやらよく分からない物がついていたりしたので

本格的に洗う


ガレージにあった電動ドリルの先をブラシに交換 

これは風呂掃除の時によく使っていたセールの時にかったアタッチメント

ドリルの回転でブラシが回転する

手で100回こする作業を数秒で終わらせられるものだ


”じゅぃーん ぐぃーーん” 汚れがみるみる取れていく


さらに竹を割って作った水道もこの際 洗う

そして座りながら こびりついてしつこい汚れを洗っていたら

男の背中をこつんと

子ヤギが頭で男の背中を すりすり してくる

洗い物をしている最中に邪魔をしてくるのだが


男   :「Hey Kiddo(よー 子ヤギ)」


男はそれを無下むげにはしない

これでもか というぐらい撫でまわしてから


男   :「Do you want some blueberries?(ブルーベリー食べたいか?)

      yes you do yes you do(食べたいだろー 食べたいだろー)」


男は幾つかの新鮮なブルーベリーを植えたばかりの木から採る

そして子ヤギを優しく撫でながらブルーベリーを食べさせる

美味しそうに むっちゃむっちゃ

それからしばらく子ヤギとたわむれていたのだが

急に子ヤギが男の服を引っ張り出す


男   :「Hey kiddo Don’t do that(なー 子ヤギ 服引っ張るな)」


男は優しく子ヤギに話すが子ヤギは服を引っ張り続ける


男   :「。。。。。。」


男は子ヤギを抱えガレージに

男がガレージから出ようとするのを子ヤギが服を噛んで止めようとする


男   :「Don’t worry, stay there(心配するな そこにいな)」


男は子ヤギを放して、騎士の鎧を装備し、銃とリュックを持ってガレージの外へ


”きーーきーー”   子ヤギが鳴くの中

”がーーーがしゃん” ガレージの扉を閉める


庭を見てみるが特に何もない

ノイズトラップも反応がない

鷹か何かが居たのか?

そらを見上げてみるが雲がゆっくりと流れている

考えすぎか?

何事もなかった

ガレージの扉を開けようとしたが


男   :「。。。。。。」


本当に何もないのか?

死にそうな体験をした子ヤギが服を引っ張ってきた


男   :「。。。。。。」


そして出しっぱなしにしてた庭のホースを見た時に男は気づいた

緑のホース そこにまだら模様がある

男は銃をガレージのドアに置き

リュックからナイフとハンドハチェットを取り出す


緑のホースの合間から斑な紐が動きだす

殺し方は分かっている

ナイフで切れ込みを入れ 内側から皮を剥げばよい


次の瞬間 斑模様の蛇が男に向かって飛び掛かる

顔と首をしっかり守ったまま男が進んでいき

蛇は噛みつこうとするが流石 騎士の鎧 

蛇の噛みつきを物ともしない

そして噛みつきが無駄だと判断した蛇は腕に巻き付いて

縛り上げようとするが それも全く びくともしない


ナイフを逆手に持ち、蛇の首一点に向かい突き刺す

それと同時に挟み撃ちにするように蛇に巻かれた左腕とナイフを持った右腕を

火打石を撃ち込むように、ぶつけさせるように 勢いをつけて合わせる


”ぐじゅ” 次の瞬間 ナイフが蛇の皮を突き破る

巻き付いていなければそのまま皮を剥ぐ予定だったか

それが出来ない

ならそのままナイフを横に向け

”サク”

そして反対側も

”サク”

蛇の頭と皮は繋がっているが皮の下の胴体は見事に頭から切り離された

そしてナイフを持った手で胴体をつかみ引き離す

斑の蛇は頭からきりはなされて動き回っているが暫くして動くのを止めた

ゆっくり左腕の巻き付きを外していく

そして蛇の皮を剥いでいく

これで前回のを合わせて2匹の上等な蛇皮が手に入った

やはり子ヤギの匂いに誘われて来るんだな


”きーーきーーきーー”


子ヤギはまだ鳴いている

この蛇の皮をガレージに持っていったら子ヤギを脅かす事になるな


”きーーきーーきーー”


そう思いながら男は玄関に行こうとしたのだが

男は子ヤギが鳴き続ける理由を考えていなかった


次の瞬間 もう1本の斑の紐がうねっているのが見える

そしてそれが男の顔を目掛けて飛び掛かる


ああ これは噛まれたな


フェイスガードやバイクのヘルメットをかぶるべきだった

騎士の鎧のセットである兜をつけるべきだった


そんな間抜けな事を考えていたが

屋根から銀色の鈍い光が見える


”シュッ” ”ドサッ”


シロ蛇が斑の蛇の頭に噛みつき 斑蛇の口が閉じられる

そしてそのまま2匹の蛇が絡み合う


助けてくれたシロ蛇を傷づけてはならない


男は即 左手で斑蛇の胴体を持ち上げシロ蛇から離すように引っ張り

ハンドハチェットでしっぽを地面に

異様に硬い皮を斑蛇が持っているのは知っている

その為 押し付けるようにハンドハチェットを右足で踏みつける

例え反発力があろうが 男の体重に鎧を着ている重さが追加されている

その為 足で踏みつけていく事でハンドハチェットが食い込んでいく


そして右手のナイフを逆手に

ハンドハチェットの横の斑の蛇の胴体

男の足で踏まれているハンドハチェットの為 風船のようにぷくーとしている部分

そこにナイフを思いっ切り突き刺し、そのまま尻尾から皮を剥ぎ始める

むき出しになった蛇の胴体

今度は左足でそこを踏みつけ ハンドハチェットを持ち上げで切り裂く

生きたまま胴体を切られた斑蛇

ただしシロ蛇が頭を噛んでいる為、痛がって叫ぶ事も出来ない

男は胴体が無くなった皮の部分を右足で踏みつけ

かがんで左手を開き指を閉じたまま、いわゆる小さい壁を作り、その手を斑蛇の胴体を滑らし、シロ蛇との絡みつけを外すように

そして右手のナイフでそのまま頭に向かって斑の蛇の皮を切り裂き続ける

そしてゆっくりと確実に、シロ蛇は絶対、傷つけないように

斑蛇だけを切り裂き続ける


***2分後***

斑蛇の喉元までナイフを移動してから胴体部分を外す

シロ蛇は斑蛇の頭を噛んだまま

そしてそれからしばらくしてから斑蛇の小さい目から光が消える

それが解ったのか、シロ蛇が斑蛇の頭を噛むのを止める


男   :「Yo Snake Thank you, I really owe you one(蛇よ 助かった)

      Can you stay here bit long?(少しだけそこに居てくれるか)」


言葉は通じなくても蛇に語り掛ける男

男はキッチンへ

昨日 死ぬ思いをした為 今日の夕飯は豪華に山猫肉の脂肪が入った

一番いい所を食べようと思っていた

そして今朝 それを冷凍庫から出して解凍していた

その肉を取り出し 薄く輪切りにしたものを数枚、玄関へ持っていく

シロ蛇の前に置く


男   :「This is the best I can do for you (一番いいところの肉だ)」


シロ蛇はチロッと舌を出してから 

出された輪切り肉をパクッと全部 くわ

ニョロっと何処かへ

蛇の死体2匹分を持って地下室へ

そしてサングラスとフェイスマスク、ゴム手袋をしたうえで

小瓶を取り出し、そこに蛇の牙を入れ

ゆっくり蛇の頭に圧力を咥えていく

毒と思わしき飴色のねばりっけのあるドロッとした液体が小瓶を満たしていく

もう1つの蛇の頭も同じようにして、小瓶を満たしていく

毒袋もその中に入れておく


蛇の毒、どのくらい強いかは分からない

家の近くで使うわけにはいかない

馬、子ヤギ、シロ蛇に害があってはならない

でも 大熊や山猫あたりには使えるのでは?

一通り作業が終わったら


男は地下室のパントリーからフリーズドライフルーツをいくつか取り出し

キッチンへ

そしてそれを水に浸してから戻し、ガレージへ


鎧を脱いで、ガレージにいる子ヤギを撫でながら

水で戻したドライフルーツを食べさせる


男   :「You too kiddo, thank you for the warning(警告してくれたありがとう)

      you did really good today (よくやった)」


男の腕に抱かれ、安心しながら美味しいフルーツを食べ

幸せを感じる子ヤギであった






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