第80話 Day56 Near Miss(異常接近)
Day56 朝8時 ちょいすぎ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
朝起きたら まず ヤギの乳しぼり
そして 朝 コーヒーを作る
ポータブル電源をガレージから出して充電開始
ここで充電中の電源にコンロをつなげ乳を加熱殺菌
そしてフィルターで ろ過させピッチャーを満たす
ミルクを半分近く使ったコーヒーをガレージで飲む
風呂場に行く
生暖かいシャワーを浴び 眠気をなんとか取り払う
シロ蛇に餌
馬とヤギを野原に放牧
畑の様子を見る
もうじきトマトが収穫できる
しかも普通のトマトではない
原始トマト ヘアルームトマト
普通のトマトは酸味があり 汁も多い
節水トマトは甘みがあり 肉が多い
エアルームトマトはまず酸味が全くなく
汁と種の部分が少なく肉厚である
その為 輪切りにして モッツァレラチーズ その上にバルサミコビネガー
そしてカリカリに焼いたガーリックチップ
ただ チーズがない
それでもバルサミコビネガーをかけて
そんな事を考えながら今日は1人で森に行く予定だ
理由は川沿いに登っていく為
途中崖とかが在ったら馬では無理だからだ
また馬で往復2時間少し
男の足なら片道3時間あれば行けるであろう
銃火器と水筒と干し肉 あとナイフなどの入ったリュック
さて行くか
男は東北東へ向かって歩き出す
北に行けばいつもの川
北東に行けば岩の出っ張り
だからやや東むきな北東
暫くいって緩やかな坂になる
坂? 丘?
男はゆっくりと登っていく
坂を上り切ってきた道を振り返る
家はギリギリ見えないな
目立つ木の1つに90度ずらしたマーキング
そのまま進んでいく
さらに緩やかな坂になっている
”ざーーーざーーー”
川の音が聞こえてくる
進路を少し北側に代えて進んでいく
暫くして川にぶつかる
”ごくごくごく” コーヒー入りの水筒を飲む
さてここからは川沿いに行くか
***数分後***
約
そして小さな濁流
その後 約
そして少し大き目な濁流
その上が川が急に広いている
川幅が約
周りは少しごつめの石
そして左に向かってカーブしている
”さわさわさわさわ”
川の流れは少し早いが比較的緩やかだ
予想ではここから暫く行けば
川は少しづつ遅くなっていき
そのあとブルーベリーのある場所にでるはずだ
その上がまた流れが速くなるのであろう
そのまま進んでいくと
それはそこにいた
森の主
大熊が川から魚を取っている
こちらを向いていない
また男は川下にいる為
川の流れで男の匂いに気づいていない
ゆっくり岩場に隠れ
リュックからタブレットを取り出し録画する
熊が魚を食べ終え 川の水をバシャバシャやっている
アレがクマの魚とりか?
そんな事を思っていたが大熊がこっちに向かって川を歩き始める
まだ見つかってはいない
充分距離もある
このままじっとしているべきか?
いや 移動すべきだ
男は出来るだけ静かに川より少し離れた場所の木と岩を利用して
川下に下っていく
***数分後***
大熊は魚がとれ無いので少しづつ川下へ移動
***数分後***
大熊は魚がとれ無いので少しづつ川下へ移動
***数分後***
大熊は違和感を覚える
それは偶に大熊に与える匂い
テリトリーを犯して侵入してくる匂い
まぎれもない人間の匂い
森の主は周りを見回すが男の姿は見えない
”ぐおーーーーーーおーーーーーーーおおーーーーー”
川の流れる音に混じって後方から聞こえてくる熊の鳴き声
男は ごつごつ している岩をひたすら止まらずに下っていく
熊は前足が後ろ足より短い
その為 下りは登りより遅い
それでも人間の足よりは速いはずだ
平面ではダメだ
このまま川を下っていくべきだ
また川の流れが匂いを妨げになっているはず
そう思いながら ひたすら川を下っていく
”バシャバシャバシャ”
熊はどんどん川中心から川を下っていく
***10分後***
後方からバシャバシャと音が聞こえてきている
距離が凄く詰まっている
どうする?
川から離れるべきか?
”ぐおーーーーーーおーーーーーーーおおーーーーー”
その鳴き声はたった今下った少し小さな滝の上から聞こえてくる
いや 滝があるから大丈夫だろう
それでも少し大き目な岩があるのでそこに隠れるべきか?
いや 隠れるべきだ
男がその岩に隠れた次の瞬間
”ざーーざーーざーーー”
”ざっぱーーん”
大熊が滝を飛び降りてきた
男との距離は約
男はショットガンを構える
もし出会い頭に撃つ事になったら 生き残る可能性がある少しだけ高い
畜生! 熊スプレーがあれば!
熊が水面に現れるまでの約10秒間
男にとっては永遠とも思えるぐらい凄い長く感じる時間
”バシャバシャ バシャン” 熊が川の水面に出た音
”スンスンスン” 匂いを辿っているのであろう
そして次の瞬間 森の主が男の反対側に向かって走り始める
”バシャンバシャバシャ どどどどどどどどど”
なにか別の獲物、鹿か狐かを見つけたのであろう
熊の音がしなくなってから 一目散に家へ駆け出す
***1時間後***
家に着いて、水をがぶ飲みし、ウィスキーを 一杯ひっかけて
すこし頭がクリアになってから
男は考えた
熊に近寄るのは馬鹿のする事だ
でも アレがいる限り 安心して森の探索が出来ない
幸いな事に この世界では大熊の狩の許可証などは必要ない
なら狩ってやる!!
ただ普通に銃だけでは無理だ
そうでなければ大型の動物をとる罠でいくべきか。。。
この世界で
そんな事など知らない男
騎士団を殺し 白骨化した死体の所有者で有る森の主
剣や弓では狩れなかった森の主
そういえば クマは所有欲が強かったな?
あの白骨化した死体を荒らしてみるか
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます