第58話 Day31 Horses(馬)

Day31 昼1時半 ちょいすぎ 

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仮小屋より後ろに丸太を入れる為の穴を掘り始める

外に出て馬を4匹呼ぶ

そして馬2匹を連れて丸太を運んでいく


流石さすがの馬力!


男1人では絶対に無理な丸太を難なく引っ張っていく

そして穴に入れ丸太のロープを外し 止まる様に言い

丸太を入れた周りに土をいれ穴を埋めていく

蹴りを入れても倒れない 十分な柱だ

それをもう1度 繰り返す

そして黒いウマに男は問いかける


男   :「How big do you want?(大きさはどのくらい欲しい?)

      How Wide do you want?(幅はどのくらい欲しい?)」


当然 男の問いかけに馬は答える事は出来ない

また男も訊くだけきいてみて答えが出るとも思わない

それでも男の必死の問いかけ

新しい主のコミュニケーション

前の小さな歪な小屋を指さし ひたすら話しかける男

しばらくして男は話すのを諦める

が 馬は意をんで柱の近くを くるくる 歩き始める


自分が回れる大きさが欲しいって事か?


男は聞き返すと まるでそうだと言わんばかりに馬は頷く

大きさは男の想定の6倍だった

横が3倍 奥行きが2倍


問題は男には 板を作る技術と工具がない事だ

またこの辺りは角ウサギが出る事も考慮しないといけない

その為 男は丸太で大き目の柵を作り その上に屋根で小屋にすることを考えていた

木を切り倒し、枝を取り除き、高さを合わせ、馬に引かせ、柱として穴に入れる

家の東側の森から木を運ぶ時間が無駄だ

家の西側の木をり それを どんどん馬に引かせる事に

途中で休憩も入れたが夜11時近くまで繰り返し行い片面の壁が出来る

荷車を倒して後ろ側の壁 そして竹網で反対の壁と屋根

凄く歪だが1頭分の大き目な馬屋

そこに黒いウマを入れる

野菜と果物を食べさせ、水を飲ませてから、軽くブラシをしてやる

次に最初の弱弱しい馬屋の柱としての竹を移動させる


元々 狭い4馬分の小屋を3馬分にしたため多少 広くなる

そしてシロ、ブチ色、茶色の馬にも同じように食べ物、水、ブラシ

そしてお休みを言った後 男は家へ戻る


男にとって幸運だったのは4頭が軍用馬であった事

本来なら過酷で休みなく働かせる事は無理であったが それを馬はやり遂げた

そして馬達は自分達が居る場所の危険性を本能的に理解していた事

そして新しい主が懸命に懸命に自分達の為に働いている事を理解している

その為 馬達は新しい主の為に懸命に働く事を決めていた


Day31 朝

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日が出てから朝から ひたすら馬は丸太を引いていた

そしてシロ馬とクロ馬で交互に粘土となる赤土を運ぶ

それを馬屋の地面を鳴らしながら粘土を入れていく

ある程度乾いたら、軽くそこでスモークして丸太の壁を燻していく

これで 丸太の中に虫とかが居ても大丈夫になる。。。はずだ


また 男はダメもとでジェスチャーを交えて馬に問いかける

葉っぱとおがくず? どっちがよいか?


馬4頭が なんとなくお互い目を合わせながら

主である男の言葉を理解しようと務める

暫くしてから男は小さなWoodChipperをガレージ上にぶら下げていたのを降ろす

そして丸太を輪切りの様にスライスし それを割った物をWoodChipperに入れ

大型のポータブル電源を 一時的に冷凍庫から外しオンにする


”ぎーーーーーん ういーーーーん ぎーーゅーーーーーーー”


けたたましい音と共におが屑が出来上がっていく

それを男は馬小屋に撒いていく

そして馬達は理解する 

男が馬達の為に寝床を作ってくれている事を


男   :「If you get an allergy just tell me, (アレルギーがあったら伝えてくれ)

      and I will change to the leaves(葉っぱに変えるから)」


言葉は通じないがそれでも馬に語り掛ける男

賢明な単純作業を ひたすらひたすら 馬達と共に夜まで繰り返し行っていく

この日の夜 2匹は新しい馬屋 2匹は広くなった歪な馬屋

馬達は作業を行う事で寝床が良くなっていく事を理解した


Day35 昼

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開始してから5日目の昼

とうとう新しい4馬分の そこそこ広い馬小屋が出来上がる

壁のような柵 竹で出来た屋根 そして地面は粘土で固められ

その上に寝床用のおが屑

水飲み用に プラスチックの衣料用の収納ボックスを使う


そして出来上がってから判る

庭の水のホースが新しい馬小屋に届かないという失態


毎日バケツを持って行くのは面倒

収納ボックスに車輪はついているがそれでも移動は面倒

その為 竹を使った本当に単純な水道を作る

竹を二つに割った物で出来る

竹を割った理由は二つ

1つ目は節だけを取り除くのが大変だから

2つ目は割ってあれば中を洗う事が出来る

水垢やカビなどが出来た場合の対応が楽になるからだ


そこにホースで水をやると 裏庭経由でそれが馬小屋へと流れていく


兵士から奪った野菜

イモ類は畑に植えさせてもらっている

緑の野菜系のみ男が自分で食べ

それ以外は馬に食べさせている

その蓄えも もう底を突きそうになるが

馬達は新しい馬小屋を住処すみかとして、男を新しい主として認識している

そして男は柵の無い草原に馬を放す予定でいる


新しい住みかのフンを男がスコップで移動し小屋を綺麗に


ブラシを黒馬にかけてから 男は馬の首を優しくつか

クロ馬の頭と男の頭を合わせてから言った

男   :「You, black horse,   (クロ馬よ) 

      I name you Edgewater(エッジウォーターと名付ける)」


ブラシをシロ馬にかけてから 男は馬の首を優しくつか

男   :「You, White horse,(シロ馬よ) 

      I name you Faith(フェイスと名付ける)」


ブラシをブチ色の馬にかけてから 男は馬の首を優しくつか

男   :「You, Marble horse, (ブチ色の馬よ) 

      I name you Charlie (チャーリーと名付ける)」


ブラシを茶色の馬にかけてから 男は馬の首を優しくつか

男   :「You, Brown horse,(茶色の馬よ)  

      I name you Beamer(ビーマーと名付ける)」


その後 男は何度も何度も馬の名前を呼ぶ


***30分後***

男が名前を呼ぶと馬が即反応するようになる

柵の無い自由な草原に放たれる4頭の馬

それでも喉が渇いた時には馬小屋に戻り水を飲み

また夕暮れにはちゃんと馬小屋の自分の場所へ戻る様に


草原を抜け 西に走り続ければ以前の主が居る砦へ着くが

馬の中に そんな考えは既に消え去っている

男と共にいる方がが生存確率が高い事を本能的に認識しており

男と共にいる限り砦の兵隊みたいにムチで叩かれる事は無く

男から呼ばれる名前が なんとも誇らしくあり

そして男がかけてくれるブラシが とても気持ちが良い


馬にとっての唯二の不満は

数日に一度 男がホースで水洗いしてくる事と

偶に苦い粘着物を食べさせてくる事であるのだが


本来なら男は動物用の薬を持ってるはずはないのだが

それでも持っている

それはネットでの都市伝説

寄生虫用の薬はガンを治す事がある

治す事があるなら予防にもなるのでは?

信じてはいなかったが

それでも試してみたい

それはアメリカ人の気質であったのか

ある日 酔っぱらってネットで購入した馬用のDewormer駆虫剤

買うだけ買って 正気に戻り 1度も使わず仕舞い

衝動買いをして 即 飽きるのもアメリカ人の気質だ

一杯ある必要ない物 どうしよう

最悪 叔父さんの家にも持って行くか

そう思い捨てずにとっておいた薬

それが異世界に来た事で急に役にたっている

全ては なるべくしてなっている?


ははは まさかな

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