第49話 Day28 The legendary big game expedition       (伝説級の討伐遠征)


それは3つの国であった

東の国、北の国、西の国

そしてその3つの国を繋ぐ巨大都市(のちに男がThe Hub 中枢 と呼び始める)

そこから南に行くと巨大都市から溢れた人が集う街がある

街から更に南に行くとハノアと呼ばれる辺鄙へんぴの村がある

そこから南へ行くと湖と平原と崖のような壁

西はすこしだけ開いた場所 そして崖のような壁

そして東に行くと森の主が居ると呼ばれる森林

それは人を飲み込む森林 怖い怖い森の主がいる森林

あの深緑に立ち入る事なかれ 禁断の森に入る事なかれ


ある日 北の国の王子が西の国の王子を招待した

日頃から交遊があるがこの日 北の国の王子は何時もより にこやかであった

それもそのはず 国王がつい最近 海の向こうから得た物

それは大きな大きな象の剥製はくせいであった

凄く立派な象牙 


北の王子:「どうだ すごいだろう?」


それは今まで見た事もない大きさの剥製

顔には出さなかったが西の国の王子は嫉妬しっとをしていた

そして国に戻った時 父上にねだった


西の王子:「父上! 北の国のような大きな剥製はくせいが欲しいです

      ただ全く同じものでは意味がない

      ドラゴンの剥製が欲しいです」

西の王 :「いやいや 流石にドラゴンは無理であろう」

西の王子:「でも他には あの象の剥製を圧倒できる物などは。。。」


そこで文官が提案した


文官  :「森の主はどうですか?」

王国騎士:「絵本にもなっている森の主ですか?」


ハノア東の森にはいってはいけない

悪い子にしていると森の主に食べられますよ と絵本にある森の主

そう言い伝えられていた森の主

そううたわれていた森の主

王子は喜び 王は10人の高給取りの冒険者を募り派遣する


***3週間後***

2週間で戻るはずが連絡が無い

遅れているかもしれない事を考慮して1週間 更に待ったが連絡がない

王子は地団駄じだんだを踏み 王は20人の高給取りの冒険者を募り派遣する


***3週間後***

2週間で戻るはずが連絡が無い

遅れているかもしれない事を考慮して1週間 更に待ったが連絡がない

王子は怒り 王は30人の高給取りの冒険者を募り派遣する


最初の冒険者 10人は森に飲み込まれた

次の冒険者  20人も森に飲み込まれた

その次の冒険者30人は お金だけ貰い 東の国へ逃げ込んだ


らちが明かない

王はパレスガード宮殿衛兵おさを呼ぶ

既に60人失敗しているので 拠点を作りじっくり取り組む必要がある

そのむねを伝える


そして3国会議で拠点を作る事を伝えたが

東の国が反対した

巨大都市に拠点を作るのは侵略行為の可能性がある為だ

そして巨大都市の南にある街(のちに男が老人を称えWiseと呼び始める)

街に拠点を作るのも同じように反対された

街には既に小さいながら拠点がある為だ

そしてそれより南にある村

ハノアに作る事は問題ないとされた

誰にも見向きもされない大陸の端にある小さな村


軍隊を送りハノアに砦を作り始める

ハノアの住民は普通に困惑した

人口200人にも満たない小さな辺鄙な村

その西側に村と同じくらいの大きさの砦が出来たのだから

お金が落とされると思い 喜んだのは焼き物やの大将と村に1つある商店の主

ただその二人の思惑とは異なり 砦の兵隊は北の街でお金を落とす事に

北の街には酒場や充分な店が連なっている


もともと傲慢ごうまんな兵隊達

ただ パレスガードのおさが村を守る為と住民を説得

また 偶に村に出没する角ウサギなどを狩っている為

いびつながら 次第に仕方がないと住民は考えは始める


パレスガードの長は数度 偵察隊を森に送り込んだ

が 誰一人 帰ってこなかった


そこで パレスガードの長は 国随一ずいいちの剣のおさを拠点に呼び込む

剣の長と共に来たのは複数の兵隊と森の主を提案した文官であった

ただ文官は まるで違う目的をパレスガードの長と剣の長に話す


文官  :「東の国の貴族の 一人娘が逃げ出した

      北の国か西の国のどちらかに逃げ込むのであろう

      そちらには充分 人を配置している

      が 万が一 南側に逃げた場合

      それを捕えたい」


ただでさえ面倒な森の主の討伐

それに加え貴族の探索と捕縛

ただ 貴族の探索という名目で北の街や巨大都市へ行く名目が出来る

酒場すらない辺鄙な村

娯楽が無い為 何らかの理由を付けて街か都市へ行きたい兵隊

その理由付けが出来る為 パレスガードの長はそれを承諾


また文官とは違い別の理由で乗り気だったのが剣の長

ドラゴンを年1~2回見る事が出来る村

そしてドレイク 小型のドラゴンなら目撃情報が多いらしい

森の主との敵対も楽しみだが ついでにドレイクも狩っていくか

そんな思惑が剣の長にはあった


そして剣の長が来たのでパレスガードの長は腕に自信がある兵隊と共に

剣の長と共に森の主の討伐に向かった



Day28 朝10時半 ちょいすぎ 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

角ウサギ、山猫、幻の鹿、コヨーテ、ロリス、イノシシ、ドレイク、そして森の主

この森は様々な危険をはらんでいる


少しづつ 少しづつ 進んでいく


そして川伝いに進んでいく

約半日進んでからキャンプを張る

人数が多い分 キャンプは直ぐに用意された

また 動物は火を怖がるとの思い込みから

騎士達は焚火をガンガン炊いていく

そして見張りを交代で行い 夜を過ごしていく

明日は川を超えてみる予定であり

明後日は更に森の東側に行く予定

そんな事を パレスガードの長と剣の長は話し合っていた


それを見つめる黄金の光

それは縄張りを荒らされている山猫であった

そして山猫は気が立っていた

ついこの間 縄張りを荒らされた事

また 人間に同胞を殺された事


そして山猫は じっと身を隠し木の上から人間の動作を見ている

大きなテントから剣の長が出てきた時 山猫は

木の上から剣の長へ飛び掛かる


剣の長は山猫に気づいていなかった

そして山猫が飛び掛かってきたのを顔を上げて認識した瞬間


”シュン”


それは流れるような剣捌けんさば

数十万回 剣を振るってきた剣捌き

努力した天才が達成できる達人の剣捌き


飛び掛かった山猫に対して 明らかに遅れて振るった剣

しかし それがまるで 初めからタイミングを計っていたように

スパっと山猫の前足と頭を切り離す


剣の長 :「おい いい肉が手に入った

      これも焼いちまってくれ」


そう剣の長が言い パレスガードの部下は

たった今見た事を まるで伝説の立会人になったように誇りに思い

また 肉にありつける喜びもあり

喜々とした目で剣の長を見上げるのであった


山猫もコヨーテも全く問題ない

ただ ドレイク、森の主、そして報告にあった猛獣使い

それだけに注意していれば全く問題ない簡単な討伐遠征だ


そう思いながら部下達と酒を飲む剣の長があった

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