第48話 Day28 Gun safe(銃用金庫)


叔父さん:「どうだ すごい金庫だろ?」


そう叔父さんは言った

場違いな玄関前に置かれている凄く立派な金庫


男がアメリカに居た頃 週末に叔父さんの家に行くと庭には立派なガンセーフ

銃火器専用の金庫

拳銃などを冷凍庫に入れるのではなく

湿気対策と盗難対策万全な拳銃用の金庫


叔父さん:「どうだ すごい金庫だろ!?

      1000$だったのがブラックフライデーで200$で買えたんだ!」


叔父さんは得意そうに そう言い放ったのだが

ネットで購入をかけた叔父さんが1つ

途轍とてつもなく重要な事を忘れていた


それは金庫の重さ

1500パウンド 約700キロだ!!!


金庫が届いた日 叔父さんはとても嬉しかったらしい

そして配達員が金庫を庭に降ろして帰っていく


***数秒後***

そして金庫が重すぎて玄関から動かせなくて とても悲しかったらしい

叔父さんはネットで調べた

引っ越し屋さんに頼むと


金庫を移動するだけで200ドル 

金庫を地下室に移動すると3000ドル


叔父さん:「で これの移動を手伝ってもらいたいのだが」

男   :「。。。。。いや これ あと2人必要」


流石に2人では無理。。。

いや出来ない事はないが万が一 怪我したらシャレにならない

なので数人知り合いに声をかけ

4人で何とか重さ耐性のあるダリーに乗せる


男   :「指 絶対に挟まないようにね!

      大丈夫 ダリに乗せるよ!!

      下ろすぞー!!! 

      指 気を付けて!!!!」


そして そのまま叔父さんの家のガレージに持って行ける


叔父さん:「これ地下室は無理かね?」

男   :「いや 無理でしょ」

叔父さん:「でも場所 地下室がいいんだけどね」

男   :「普通に地下室へ行く階段が壊れるよ」


取り合えず皆がビールを飲みながら無謀である事を叔父さんに伝えるが

叔父さんは なかなか首を振らない


そこで男は言った

男   :「外の入口から階段が壊れるの覚悟で滑らせる事はできる

      そして地下室にマットレス数個置いて置けば衝撃も耐えられる

      ただ 階段、壁、床、金庫が壊れる事を考慮すればだけど

      200$の金庫にその価値あるのかね?

      ホラ お酒だけじゃなくてナッチョも食べな」


最終的に ナチョスを食べ終わりお腹がいっぱいの中

ビールを流し込んで ほろ酔いになって 初めて叔父さんは地下室へ置くのを諦めた


***次の年のブラックフライデー***

サンクスギビングの次の日 年に1回の大安売り!

以前叔父さんが買ったガンセーフが150$で売っていた


なんと85%OFFだ!!!


しかし男が購入したのは3割引きで200$の比較的安いガンセーフ

長銃が5個しか入らない比較的小さいケース

それでも充分役割は果たしている

叔父さんが買った8割引きと違い 男のは3割引きのみ

ただ 多少苦労はするがダリを使う事で

1人で移動することが出来る

そしてガンセーフとしての役割を十分果たしている

メインテナンス済みの銃が4つ程

それ以外の銃 機能美の優グロック も複数 入っている


叔父さん:「銃はポテトチップスのようなものだ

      たった1つだけで我慢

      そんな事はありえない」


銃も気が付いたらショットガン ライフル 拳銃 数種類と増えていった

叔父さんは正しかった。。。いつも そう思う ガンセーフ以外は


唯一 ガンセーフに入れないのは男が気に入っているイーグル

そして それは玄関の棚に置いてある


元の世界にいた時 一度だけ危険な目にあった事がある

郊外で比較的治安がいいテネシー州

そして隣との家の距離がある為プライバシーの問題もない

ただ 逆に言うと何かあった時 隣の家に助けを求めることが出来ない

そして ある日 荷物をも持った配達員が男の家に現れた

ただ それは偽の配達員であり 配達員の服を着て

空の箱を持っている

そして箱の下にはナイフ


本来なら荷物は玄関に置かれる物である

ただ 高い物の場合などはサインが必要で

その為 配達員がドアをノックする事もある


男がドアの覗き穴から配達員である事を確認

男がドアを開けた瞬間 偽配達員は箱を投げ捨て

ナイフを見せた が

次の瞬間 男の手にイーグルが握られているのを見て走り出す

ナイフを見て一瞬驚いたが その直ぐ 偽配達員が走り出したので

思わず男は大笑い


銃は自己防衛の為にある

その為 背中を撃つのは自己防衛に当たらない

例え犯罪者であっても逃げている奴を撃つ訳にはいかない

だから男はナイフ強盗を見逃したのであった

それ以降である

イーグルとガンベルトは必ず玄関の棚に置いて置く事にしたのは

とはいえ この世界で人に襲われる事は無いであろう

だからイーグルをガンセーフに戻そうかと考えてもいたが


男   :「。。。。。。。」


いや 玄関の棚にしておこう

今までの習慣で常に玄関の棚からイーグルを取り出す動作をしている

それを変えるのは適切ではない



Day28 朝9時半 ちょいすぎ 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

そんな事を思いながらコーヒーを啜る

コーヒー入りのカップを片手に ポータブル電源をガレージからだして充電開始

風呂場に行く

生暖かいシャワーを浴び 眠気をなんとか取り払う

シロ蛇とコヨーテにエサ

コヨーテもシロ蛇と同じく角ウサギの肉をハムハムし始める


さーて 今日は卵でも取りに行くかな?

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