第44話 Day24 Sit Ubu sit(ウブー お座り)
Day24 朝8時半 ちょいすぎ
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まず 朝 コーヒーを作る
コーヒー入りのカップを片手に ポータブル電源をガレージからだして充電開始
風呂場に行く
生暖かいシャワーを浴び 眠気をなんとか取り払う
シロ蛇とコヨーテにエサ
コヨーテもシロ蛇と同じく角ウサギの肉をハムハムし始める
3匹の獣
男が名前を付けたコヨーテ達
その中でUbuと呼ばれているコヨーテ
男が芸を仕込もうと声をかける
男 :「Hey Ubu Come over Here(ウブー こっち来い)」
名前を呼ばれ嬉しそうに尻尾を振りながら近づいてくるコヨーテ
男 :「Ubu Sit(ウブー お座り)」
”はー はー はー わん はー はー はー”
そしたらUbuは座ることなく そのまま舌を出して笑っている
名前を呼ばれただけなのに 本当に にこやかで嬉しそうだ
男 :「。。。。。。。。。Good boy(いい子だ)」
他の2匹と違い このコヨーテだけは芸を覚えない
悪く言うとお馬鹿
よく言うと ひたすら本能に純粋である
ただでさえ笑っている様に見えるコヨーテ
でも このUbuと呼ばれる獣は凄く にこやかに笑う
主に名前を呼ばれる度、餌を食べる時、主に撫でられる時
途轍もなく にこやかに笑う獣
それ故 男は芸を覚えなくても問題ないと判断していた
いわゆるムードメーカー
居るだけで心が和む
また 最初に男を甘噛みして
ハンティングになると本能むきだしに 相手を追いかけるのも この獣であり
角ウサギの攻撃などを避けながら角ウサギを噛み殺すことが出来る
身体能力なら3匹の内1番だ
ただ 知識を使うDonahueの方が狩はうまいのは致し方が無い
しかし このコヨーテ
狩りの時に使う男の掛け声はしっかり覚えている
声の緊張 メリハリ 必要性を本能的に悟っているのであろう
男はブラシと濡れたタオルと乾いたタオルを持ってくる
そしてUbuを撫でながら抱きかかえる
抱きかかえられて嬉しそうにしている
が
次の瞬間 男が濡れたタオルで足を拭き始めると本能むき出しで嫌がる
男 :「Hey Easy boy Easy(コラ 落ち着けって)」
嫌がる素振りを見せるが男はそのまま拭き続けている
そして必要な事なのだと理解して じっとし始める
***数分後***
男が乾いたタオルで拭いてやると身を ぶるぶる 震い始める
そしてブラシ
自分では出来ない毛づくろい
ブラシが入り よれっていた毛が すーーー となる感覚
優しくブラシが当たる感覚
男に抱きかかえられている感覚
それを嬉しそうになされるがまま受けている
終わった後 おやつである干し肉を貰いそれをハムハム
そして他の2匹が男に洗われているのをじっと見ている
そういえば沢蟹がいたな
男は地下室からフライヤーを持ち出し
ガレージの外のポータブル電源につなげる
大き目のボウルに小麦粉、そして水
その中を沢蟹をくぐらし フライヤーへ
Ubuが興味津々で走り回るが 熱い油がはいっているフライヤーを
倒されたらたまったものじゃない!
それ以前にに熱い油がコヨーテにかかったら とんでもない事になる
男 :「Hey Ubu STOP!(オイ! ウブー 止まれ!)」
そう言われてピタッと止まるUbu
やはり声の強さで判断してるのか?
フライヤーをテーブルの上に
それに合わせて太陽電池とポータブル電源を移動する
それでも、揚げている音、そして上からあふれる蒸気に交じった いい香り
相変わらず興味津々である
男は揚げたての沢蟹を1度 油切り網の上へ
そして残りの沢蟹も揚げ始める
***数十分後***
全ての沢蟹が揚げられる
そして男は2度揚げを始める
***数十分後***
全ての沢蟹が揚がる
三分の1は軽く塩
三分の1は塩コショウ
三分の1は塩とホットソース
男 :「Yo Snake(おーい 蛇よ)」
呼ばれてニョロっと顔を出すシロ蛇
男 :「U want this?(これ いるか?)」
軽く塩を振った沢蟹を蛇の口のサイズに分けた物を差し出す
肉や内臓と違い直ぐに食べ始めない
が 暫くしてから パクっと丸のみに
残りを咥えてからスルスルと居なくなる
男は塩コショウのカニをポリポリしながら
男 :「Ubu Sit(ウブー お座り)」
”はー はー はー わん はー はー はー”
そしたらUbuは座ることなく そのまま舌を出して笑っている
男 :「。。。。。。。。。Good boy(いい子だ)」
男はUbuに沢蟹を与える
美味しそうにバリバリと食べている
Scar, Donahue そう呼びながら沢蟹を投げてやる
2匹ともパクッと口でキャッチしてバリバリおいしそうに食べている
男も沢蟹を食べ始める
コヨーテ達は既に沢蟹を食べ終わり
男も塩コショウの沢蟹を食べ終わる
そして残りの辛めの沢蟹をジップロックに入れようとするが
コヨーテ達が欲しそうに見てくる
男 :「No This is not for you guys(ダメ これは俺のだ)」
そう言われ ScarとDonahueはしょんぼりするが
Ubuだけが相変わらず涎を垂らしながらじっと沢蟹揚げを見ている
”ううーーー わんーーー うーーー わん”
男 :「No This is not for you(ダメ これは俺のだ)」
”ううーーー わんーーー うーーー わん”
UbuだけがNoと言われても相変わらず おねだりを続けている
***数分後***
Ubuの純粋さに負け男は沢蟹を投げてやる
パク バリバリ 美味しそうに沢蟹を食べているUbu
そして
”はーー ハーーーーーー はーーー わんわんーー ハーーー”
ホットソースの辛さが来たのであろう
凄く息が荒い
男はキッチンへ
依然と同じように粉ミルクをバケツに入れ それに水を足す
そしてそれをUbuの前へ
がっつくようにバケツのミルク液を飲む
そして
”ううーーー わんーーー うーーー わん”
たった今 辛さで苦しんだのを まっさら に忘れたように
相変わらず おねだりをする
そしてScarとDonahueも沢蟹をねだれば貰えるという事で
男の前にやってくる
”わんわん わんわんわん わん”
仕方がないので男は辛い沢蟹を全部コヨーテにやる事に
辛さで息が上がる、バケツのミルク液を飲む、そしてまた沢蟹を食べる
本当は夜 こっそり食べようと思っていた辛い沢蟹が全部なくなってしまった
そんな男の考えなど、まるで分らない、気にしない、理解できない
ただ はち切れんばかりに尻尾を振りながら とても にこやかにしているUbu
男 :「。。。。。。。。。Good boy(いい子だ)」
男はコヨーテの顔をわしゃわしゃ
それを嬉しそうにして撫でられているUbu
男 :「We will get more later, k?(後でもっと捕りに行こう)」
”わん”
それは理解したのかUbuは嬉しそうに頷いたのであった
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