第23話 Day11 Make your own ammo(弾丸製作) 

Day11 朝6時半 ちょいすぎ 

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太ももの痛みで少し早く目が覚めた

傷口を消毒し、軟膏を塗ってから絆創膏、その上から包帯

ガレージのテーブルを見てみる


昨日 作成した肉の入った瓶

上には綺麗に油が浮かんで白いレイヤーが出来ている

あらかじめ脂身部分をとればこのレイヤーは出来ない

が 個人的にこのレイヤーがあった方が調理するとき油があるから楽であり

また保存期間が多少 伸びるのではと考えている

それらをゆっくり 太ももの傷に響かないように地下室に持っていく

6往復で全部持って行けた

冷凍とこの保存肉で暫くは大丈夫であろう


男   :「。。。。。。。。。。。。。。。。。」


バックショットの弾でも作るか

ダックショットは全て買うようにしているが

バックショットは自分で作っていた

理由は値段である

男の行きつけの射的場ではダックショットは人気がない為

常にセールを行っていた

なので自分で作成するより安く買えていたが

実用的なバックショットはセールにならなかったからだ


シェルケースをカッターにセットし 高さが合う様に切る

次に底をプレス機でつけ

電動測り機で出てくる適切な量の火薬を入れ

弾丸と火薬を分ける底板を入れる

バックショット用の鉛の弾を8~12いれ上蓋を付ける

最後に巻き込みプレス機で上の部分を閉じれば完成

意外と大がかりな機材が必要と思われがちだが

Shotgunリローダー セールで購入すれば60$近くで買えてしまう

とはいってもやはりピンキリ

高いのだと1000$超える奴もあるがそこまでの物は必要ない


”カシュカシュ” ”がっちゃん”

”ざーー” ”シュッ” 

”コロコロ” ”ピタ” ”グィーン”


黙々と作業を続ける

途中でコヨーテ達がてこてこ歩いてきたが

今は作業中

相手にしないでひたすら弾薬を作る

その意図が伝わったのか

コヨーテ達は黙って寝床に戻っていった


***3時間後***

まず 朝 コーヒーを作る

コーヒー入りのカップを片手に ポータブル電源をガレージからだして充電開始

風呂場に行く

生暖かいシャワーを浴び 眠気をなんとか取り払う

シロ蛇と子コヨーテにエサ

流石野生のコヨーテ ウサギの爪によって傷をおった1匹の直りが早い

が、糸を抜くのは後数日してからだ

というか 蛇とコヨーテ両方おおきくなってんなー


さてと。。。。色々 考えるが

まず弾薬作成の機材を丁寧にしまい

ポータブル電源でプリンターをON

タブレットから保存していた写真や絵など適当なものを選ぶ

それをプリントアウト

ポータブル電源を即外し ガレージの外で充電開始

コヨーテ達を撫でたりしながらプリントした紙を丁寧に角ウサギの角にまいていく

そして濃い目のインクでトレース

アイプロテクターをしてから

コヨーテ達を庭に追い出す

そして小型のドリルを使い角を削っていく


”ぐいーーーん” ”しゅーーん” ”ぐいーーん” ”しゅーーん”


そして半田ごてを使い角に焼き目を入れている

墨入れもできるかな?

裁縫用具の針と墨を用意して入れてみる

にじんだ感じになってしまった

まー アートだ アート

そんな感じで 午前中は 角細工つくりに没頭する

コヨーテ達はしばらくは庭で遊んでいたが

傷をおって後ろ足が縛られている1匹は寝床へ

残り2匹は森へ走っていった


***昼頃***

コーヒーをもう一杯飲み 昼ご飯の干し肉と食べ始め

寝床のコヨーテに干し肉をあげる

そして少し伸びをしてから角細工の作業に戻ろうとしたら

2匹のコヨーテが森から戻って来た


干し肉を欲しそうにしている2匹

餌をあげるのは構わない

が ひとつ大きな問題がある


角ウサギの肉をやりながら撫でてやる

そしてもう1匹に角ウサギの肉をやり 撫でながら訪ねる


男   :「Where did you get this?(何処で手に入れた?)」


それは 皮製の左手のグローブであった

指が5本

まぎれもなく人間が人間の為に作った皮のグローブ

自分では出来ない綺麗な裁縫が施されている


この世界に人がいる

すくなくとも文明がある

それが分かった嬉しさがある

問題はコヨーテが咥えてきた事だ


落ちていたのか

盗んできたのか

まー多分ないだろうが貰ったのか

それとも

死体から剥ぎ取って来たのか

明らかに少し嫌な臭いがしているので想像はつくが


色々やりたい事 やるべき事がある

その上で今日は休息も含め 手軽な作業のみにしようと思っていたのだが


男   :「。。。。。。。。。。。。。。。。。」


少なくともコヨーテが2時間で往復できる距離

家の近くという事を示している

1時間程休んでから

準備を始める

洗濯物を干し、銃火器の弾丸をチェック、銃火器をチェック

コーヒーを水筒にいれ、リュックにトランシーバーとナイフ

手斧も念の為 持っていく


コヨーテを撫でながら皮のグローブをひたすら鼻に持っていく

しばらく くるくるその場を回っていたが 理解できたのであろう

森の方へ走っていく


男   :「Hey Slow Down (おーい ゆっくりなー)」


リュックから痛み止めを出し 噛み砕いた後コーヒーで流し込む

そしてケガした太もも ほんの少し 足を引きずりながら

コヨーテを追っていくのであった

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