第10話: 屋根の作成

 昨日は屋根の設計を終えて、どんな形にするかも決まった。三角屋根を採用し、木材をメインに使いつつも、雨水が効率よく流れるような構造に仕上げるつもりだ。今日はその設計に基づいて、実際に屋根を作る作業に取り掛かる。


「さて、いよいよ屋根の作成だな。」


 俺は準備を整え、家の上部に取り掛かる。屋根は家全体を雨や風から守る最も重要な部分だから、手を抜くわけにはいかない。強度、デザイン、そして機能性。全てが整ってこそ、完成度の高い家が出来上がるのだ。


 まずは、屋根を支える骨組みからだ。すでに立てておいた柱を利用して、三角形の枠を形成する。木材を使い、しっかりと支えられるように固定していく。木の節や重なり具合を確認しながら、一本一本丁寧に組み立てていく。


「よし、まずは骨組みがしっかりしているかどうか確認だな。」


 俺は上に上がり、三角形の骨組み部分を手で触れて、安定感を確かめる。スキル「無限素材創出」で集めた木材は、耐久性も強度も申し分ない。組み合わせ方次第では何十年、いや、もっと長持ちするだろう。この森の自然の中で、自然そのものの力を借りている気分だ。


 骨組みがしっかりできたら、次にその上に木材を張っていく作業だ。木材を一枚一枚重ね、屋根の表面を作り上げる。三角形の屋根にすることで、雨水が流れやすくなるし、風も通しやすくなる。俺は木材を片手で持ち、次々にスキル「瞬間クラフト」を使って、ぴったりとはめ込んでいく。


「この木材をここに……しっかりはめて……次の板も……」


 手を動かしながら作業が進むたびに、屋根が少しずつ完成していくのが分かる。木材が重なり合い、隙間なく並べられていく様子を見ると、作業の達成感が一気に湧いてくる。このペースなら、今日中に屋根の表面は全部張り終えることができるかもしれない。


「雨が降っても、この屋根なら大丈夫だな。」


 屋根に使う木材には、スキル「無限素材創出」で特別な防水性を持たせた。木材自体が水を弾く性質を持っているから、雨水が直接染み込むこともなく、屋根全体をしっかり守ってくれる。


 木材を張り終えたら、次に補強をしていく。木材同士の接続部分や屋根の角の部分は、雨水が集まりやすいから、念入りに強化する必要がある。俺は屋根の端に石材を使って、隙間を埋める作業に取り掛かった。


「ここもしっかり補強しておかないと、後々トラブルになるかもしれないからな。」


 石材を使って屋根の角を補強し、木材と石材がしっかりと結びつくようにスキルを駆使する。これで雨風を受けても、屋根が簡単に崩れることはないだろう。


「これで完璧だ……」


 俺は屋根の仕上げを終え、しっかりとした三角屋根を眺めながら満足感を噛み締めた。風通しも良く、雨水も効率よく流れるデザインに仕上がった。まさに森の中での生活にぴったりの屋根が完成したのだ。


「屋根ができたことで、家全体が守られるようになったな。」


 屋根が完成したことで、家全体の姿がさらに引き締まって見える。外観はほぼ完成し、家としての機能も整ってきた。これで雨や風に悩まされることもなく、安心して生活できる空間が作り上げられた。


「さて、次は細かい仕上げだ。」


 窓やドア、内部の収納スペースなど、まだやるべき作業はたくさん残っている。しかし、屋根の完成は大きな節目だ。俺はその達成感に満たされながら、次の作業に向けて準備を進める。これで家が完全に完成する日も、もう遠くはないだろう。


 これからのスローライフを思い描きながら、俺は次の作業に取り掛かる準備を始めた。



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