第4話: 住居作りの第一歩

「さて……この辺りで住居を作る場所を決めるか。」


 森の中をさらに歩き、自然の豊かさと静けさを感じながらも、まずは住居を確保しなければならないことを考えていた。どこに家を建てるのが最適かを考えながら、再び川のせせらぎが聞こえてくる場所まで歩いてきた。


「ここだな……。」


 視界が開け、目の前には小さな広場が広がっている。木々の間にあるこの開けた場所は、太陽の光が程よく差し込んでいて、心地よい風も流れている。しかも、すぐそばには清らかな川が流れている。飲み水にも困らないし、川辺の風景は何とも言えない静けさと癒しを与えてくれる。


「この場所なら、暮らすには十分だな。」


 よし、ここに決めたと心の中で思い、早速簡単な住居を作り始めることにした。まずはシンプルなシェルター。日が暮れるまでに少しでも形にしなければ、夜が寒くて過ごせないだろう。


「さて、まずは材料集めだな。」


 ここで役に立つのが、俺のスキル「無限素材創出」と「瞬間クラフト」だ。今のところはあまりその力を意識して使っていないが、なんとなく使える気がする。まずは近くの木を確認し、枝や落ちている木材を集めてみる。


「これなら使えそうだな……。」


 腕に持ちきれないくらいの木材や枝、さらには川辺の石を集める。ひとまず、これを使ってシェルターの基礎を作り、あとで細かい部分を仕上げるつもりだ。


「さて……どうすればいいんだっけ?」


 実際に異世界でスキルを使うのは初めての経験だが、無意識のうちにやり方が分かっている感覚がある。何か特別な儀式や手順があるわけではなく、ただ集中するだけで、自然と手元に力が集まってくるようだ。


「無限素材創出……!」


 小さく呟くと、集めた木材や石が瞬時に整理され、使いやすい形になった。どうやら、普通の素材を効率よく使える形に変換してくれるスキルのようだ。これで材料が揃った。


「よし、次はクラフトだな。」


 今度は「瞬間クラフト」の出番だ。このスキルも自然に発動する感覚がある。心の中で「作る」とイメージするだけで、目の前の材料が次々と組み合わさり、簡単なシェルターの骨組みが作られていく。


「おお、これは便利だな……。」


 わずかな時間で、木材が見事な枠組みとなり、石がしっかりとした土台を形成した。シェルター自体はまだ簡素なもので、木の枠と布を張ったような構造だが、これで今日の夜はなんとか過ごせそうだ。


「ふぅ……一仕事終わり。」


 自分で作り上げた住居を眺めながら、しばらくその場に座り込んで深呼吸をした。異世界に来て、初めて自分で何かを成し遂げた気がする。


「まあ、まだシェルターだけど、住む場所があるってだけで安心感が違うな。」


 夜になれば寒くなるだろうが、この森の静寂は心地よい。自然に囲まれた環境での生活が、ますます楽しみになってきた。


「さぁ、次は食料の確保だな……。」


 俺はシェルターを後にして、再び森の中を探索する。周囲にはまだまだ使えそうな資源がたくさんあるし、この森の恵みを最大限に活用すれば、自給自足の生活がきっと実現できるだろう。


「これからが本番だな……頑張ろう。」



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