第二の日
雲は青空の上に広がり、時に散り、また集まり、形を変えながら遠い彼方へと流れていく。
眼下には、水が光を反射しながら穏やかに揺れ、波が寄せては返している。世界は静かに、美しく、その姿を変え続けていた。
その狭間で、少女はようやく思案を始めた。
なぜ私は、こんなところにいるのだろう。私は、死んだのではないだろうか…
その疑問は、当然と言えるものであった。目の前に広がるこの光景は、彼女が聞かされてきたどちらの死後の世界でもなかった。あの残酷な神のもとでもなく、冷たく深い土の中でもない。ここは一体、どこなのだろう。何が起こっているのだろう。
そして、あの声は一体何だったのだろう…
少女は目の前のあまりに美しい光景を見つめながら、問いを抱え続けた。この世界は、あまりにも現実離れしていた。
雲も水も、息をのむほどに美しく、それがかえって彼女を不安にさせた。
これが本当に現世のものなのか、それともどこか異界に足を踏み入れてしまったのか――誰に問いかけようにも、返答する者は誰もいない。
ただ水の揺らめく音だけが、静かに響く世界で、
ただ光と闇が静かに移ろいゆく世界で、
少女はただ独りであった。
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