5話

暫くたって、眠気がとれて、支度が終わった後。

 僕は腰にある隕石が入った袋を開き、ノルマを満たしているかを念の為確かめてから。

助けてくれた人がくれたであろう、胸にある少し無骨だけど綺麗な隕石ペンダントを右手で掲げながら、僕は感謝の念を込めて、大声で御礼の言葉を叫ぶと、洞窟の入り口への道を歩き始めた。


としたかったが走り回ったせいで道がわからなかった僕は、まだ微かに残る自分の足跡をたどって地道に帰って行った。


ふぅ、また遭難する所だった。






 洞窟の入り口についてから、ノルマ計測所(まあただ隕石の数を数えるだけの場所)に行き、隕石の数を数えて貰うと、無事に中に入る事が出来た。

 入ってすぐ、指示役の男らに見つかると、丁度朝食の時間だったようで、食堂につれて行かれた。


 基本指示役らは、午後の仕事以外、どの奴隷を使え、などと言う事は言われていないっぽいので、朝の労働では、取り敢えず必要な人数を揃える為に適当にそこら辺に居る奴隷を使ったり、寝床に行って適当な奴を集めたりするのだ。


今回僕は、そうして適当に連れて行かれた訳だ。


さっきパンを食べたばかりだけど、この残飯みたいな飯も食べなければ午後までは耐えられない、まずいけど、しっかり食べなくては。


さっき美味しい物を食べたからか、僕の舌は少し肥えてしまったようで、今回の飯は、いつもよりいっそう食べ辛いものだと思えた。



午前午後の仕事を全て終わらせた後。

 今日はいつも通り帰る事ができたから、実に2日ぶりにあいつ、ナーニャに会える。大丈夫だろうか、2日間くらい目を離す程度だったら死にはしないとは思うけど、寂しくしてないだろうか。早く会いに行ってやりたい。今朝少し残しておいて、懐にしまってあるパンを服の上から触りながら、僕は考えた。


 いつも通り、ナーニャの為に夕飯を少し残して、隠し持って居る袋の中に詰めるて食堂を出た僕は、入り組んだ通路の先にある、行き止まりの道に進んだ。入り口を隠すためにおいた石板をどかして出てきたのは、50cmぼとしかない小さな入り口。いつも通り匍匐前進で入ると、昨日こなかった事への非難をこめてか、出迎えに小さな手で顔をペチペチと叩かれた。


やはりここの部屋も、灯りを使わずともある程度明るかった。

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