第20話 オレンジの光

 暗い森を抜けると、いつもと変わらない公園があった。

 一つ不思議だったのは

 辺りが、暖かいオレンジ色の光で満ちていたことだ。

 電灯が置かれたのかとも思ったが、そうではない。

 自然の光だ。

 ただ妙に心が温まるというか。

 寂しさや虚しさ。

 そういう心の孤独により添ってくれる光だった。

 私の目には眩しく感じる。

 ベンチに座る。

 私と弟は、いつも一緒に座っていた。

 ここから見える川の水面には夜空が映るから

 あの満天の星々がすぐ身近に感じられるようだった。

 ここにいれば、どれほどありえなくてバカげた空想も

 私達の手元で現実にできるような気がした。

 星が見てきた幾千年の記憶を語らう物語も

 月とともに夜空を旅する絵も

 なんでも本当のことにできると思えた。

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