第16話 語らう月

 これを光と表現するのは、少し違うのだと思います。

 光を探す彼の心を、人は「希望」と呼ぶのでしょう。

 彼の心が、まぶしく輝いているのです。

 夜のやみが、彼から遠ざかっていきました。

 それを見て、月がまた少年に問いかけます。

「……こんな物語はどうだろう。ぜひとも聞いてほしい。

 君ならどうやって、ハッピーエンドにするのかな?」

 ありえなくて、バカみたいなことを月は言ってみました。

「例えば、そう。月が恋をする話」

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