2番のりば 愛すべき地元、そして夢。

さて、どこまで話しただろうか...

そうそう、彩佳ちゃんに朝から叩かれたあたりだ。


結局あの後、彩佳ちゃんは1週間近く口をきいてくれなかった。

いや、確かにあんなアクシデントあったらそりゃあビックリするだろうさ。

でもそれにしたって1週間はないだろう。流石に僕もへこんでしまった...


その後、11時ごろになってやっと運転再開して、学校にたどり着いたのは12時前。

うちの学校は始業時間が遅いから、まだ4限の途中だ。

ムスッとした顔のアヤちゃんと別れ、別々の教室へ入る。

すると、運よく先生がいない。どうやら自習時間になっているみたいだ...


そろ~っと教室に入ると...やっぱり全員の視線が集まる。

...いや、違う。皆が見ているのは...

「おう、狩野。遅刻しておいて言い訳も無しかぁ?」


...後ろにいた伊藤先生(僕の所属する学科の先生。メッチャ怖い)に声を掛けられる。

この先生はいつのまにか後ろに立っていたりすることから、一部の女生徒からスネーク先生と呼ばれている。イヤだよ、こんなソリッド・スネーク。


そして、運悪く見つかった僕は昼休みに職員室に呼び出されてしまった。

怒られるんやろか~、とか考えていた僕に、伊藤先生は予想外の言葉を掛ける。


「...お前、鉄道の運転士になったらどうだ?」


「...ウテシ...ですか...?」

「おう。」


話を聞くと、さっきのは自習ではなく、進路指導の時間で...

将来の進路についてのアンケートをしていたらしい。


「まぁ、特に夢とか無いので全然いいですけど...」

「お、そうか。じゃあ進路は就職ってことでオッケーだな。」


どうやら勝手に話が進んでいるようだ。

まぁ遅刻に関してのお咎めも無いようなので(当たり前だ)、取り合えず今日は家に帰ることにした...


(次回に続く...)

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