5
「ごめんなさい。あお。わたしはぽんこつだから、せっかく、わたしを買ってくれたのに、(たくさんいるロボットの中から、あおが選んでくれたのに)あおに、なにもしてあげることができません」と泣きながらそらは言った。
そら。そらは、そばにいてくれるだけでいいんだよ。とくすくすと笑いながらあおは画用紙に書いて言った。
(それから、そう言っても、なかなかそらが泣きやまないので、あおはそらの頭をよしよしと、そらが泣き止むまで、なでてくれた)
ねえ、そら。天国って信じてる? と、そらが泣きやむとあおは画用紙に書いて言った。
「天国?」と鼻をすすりながら、そらは言った。
うん。天国。死んでしまったあとに、みんながそこにいって、幸せになるところだよ。本にそう書いてあったんだ、ただし、最後の最後まで、頑張って、一生懸命に生きないと天国にはいけないらしいんだけどね、ここはすごく大切だよ、とふふっと笑ってあおは画用紙に書いて言った。
「天国」とそらはもう一度、そんなことを(なんだかすごくぼんやりとした顔をして)言った。
そら。とあおは画用紙に書いて言った。
「はい。なんですか? あお」とようやくにっこりと笑ってそらは言った。
天国にいったら、もう一度、そこで会おうね。とうれしそうな顔をして、あおは画用紙に書いてそう言った。
「はい。天国でも、わたしとあおはずっと一緒です」と(丸い椅子の上で、うれしそうに、足を前後に揺らしながら)そらは言った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます