「ごめんなさい。あお。わたしはぽんこつだから、せっかく、わたしを買ってくれたのに、(たくさんいるロボットの中から、あおが選んでくれたのに)あおに、なにもしてあげることができません」と泣きながらそらは言った。

 そら。そらは、そばにいてくれるだけでいいんだよ。とくすくすと笑いながらあおは画用紙に書いて言った。

(それから、そう言っても、なかなかそらが泣きやまないので、あおはそらの頭をよしよしと、そらが泣き止むまで、なでてくれた)

 ねえ、そら。天国って信じてる? と、そらが泣きやむとあおは画用紙に書いて言った。

「天国?」と鼻をすすりながら、そらは言った。

 うん。天国。死んでしまったあとに、みんながそこにいって、幸せになるところだよ。本にそう書いてあったんだ、ただし、最後の最後まで、頑張って、一生懸命に生きないと天国にはいけないらしいんだけどね、ここはすごく大切だよ、とふふっと笑ってあおは画用紙に書いて言った。

「天国」とそらはもう一度、そんなことを(なんだかすごくぼんやりとした顔をして)言った。

 そら。とあおは画用紙に書いて言った。

「はい。なんですか? あお」とようやくにっこりと笑ってそらは言った。

 天国にいったら、もう一度、そこで会おうね。とうれしそうな顔をして、あおは画用紙に書いてそう言った。

「はい。天国でも、わたしとあおはずっと一緒です」と(丸い椅子の上で、うれしそうに、足を前後に揺らしながら)そらは言った。

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