第3話 いざ異世界へ
「じゃあ行こうか皆、ねるねる、異世界移動用ゲート起動させて」
柏田千代子さんが甘田ねるねさんに指示を出す。私たちはこれから異世界に行く、甘田さんが作った装置を使って...いや冷静に考えたらどういうことだ。
「おっけー、スイッチオン!」
甘田さんはゲートを作動させた。
「半径2メートルの人間だけを装置は入れ込むよ。あっでも注意してね、この装置マジ異世界行けんだけど、最初とてつもない吸引力で吸い込まれるから注意してねぇええええええええええ」
そういうと甘田さんはゲートにとてつもない勢いで吸い込まれた。
「甘田さぁああああん」
思わず叫んだ私。そりゃ人が物凄い勢いで吸い込まれていくのだもの。
「おーーーーー」
力抜けた声で佐藤もなかさんがゲートに吸い込まれていく
「佐藤さぁああああああん!」
「さぁ私らも行くよオタクちゃぁん」
柏田さんが私に声をかける。怖い怖い怖い、こんなどこに連れていくのかわからないもの、今更だけどやっぱり
「怖い?」
すると柏田さんは私の手をそっと掴む
「///」
私はつい顔を赤らめてしまった。急にこれはズルいよ。
「行こう、オタクちゃん」
「う、うん」
私たちはゲートに吸い込まれた。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「ぎゃぁああああああああああああああ!」
異空間の中を私たちは落ちながらグルグル宙返りしながら突き進む。
「ぎゃはは、これすっごい楽し!」
「おーーーーーーー」
皆私のように発狂することなくまんざらでもない様子…というかむしろ楽しんでる、ジェットコースターより怖いはずなのに。
「先が見えてきたよ」
柏田さんがそう言うと、落ちる先に青い空と緑の大地が見えてきた。時空間の裂け目ってやつだ。
「まもなく裂け目に突入しまーすっ♪」
「ぎゃあああああああああああああ」
甘田さんの掛け声とともに私たちは異世界圏に入ることに成功した。だがここは上空何百キロメートル、このままいくと私たちは墜落死真っ只中だ。
「ぎゃああああ燃えるぅうう大気圏で燃えるぅうううううう!」
パニックになった私。
「別に宇宙から来たわけじゃないし燃えない燃えない(笑)」
「スカイダイビングだよメグみー」
「そうそうスカイダイビングスカイダイビングって、マジか...」
柏田が振り向くと何故か燃えている恵を目の当たりにした。
「熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い!」
「なんで燃えてるん、手ぇつないでる私が燃えてないんに。ねるねる、分析して」
そういうと甘田さんはポケットから謎に電卓を取り出し数字を打ち込み始めた。
「えーとおそらく空気摩擦に加え、大気の火のマナが影響かと」
「じゃあなんで私らも燃えないわけぇ?まぁいいとりま消火器」
「ラジャー♪」
甘田さんは自身の脚のサイズはあろう消火器を白衣のポケットから取り出し、私にぶっかけた。
「げほっげほげほげほ」
私は消火器の粉をぶっかけられた。粉によって咳こみはしたが鎮火には成功した。けどちょっと服が焼けた。
「あ、ありがとうございます...ってちょ待てちょと待て!」
「ガルルルr」
身体が焼けたと思ったら今度はワイバーンの群れが現れた、処理できひんて。
千代子:「うひょー異世界異世界」
ねるね:「ワイバーンの縄張りだったかぁ、大気の火のマナが濃い場所ほど体内の特殊な酵素もしくは菌が活性化し、その影響で血流や代謝がよくなって居心地がいいと推測...(独り言長文以下略)」
もなか:「殺りがいありそう...」
私以外の3人はなんだかワクワクしてる、処理できひんて。
するとワイバーンが私ら目掛けて炎のブレスをお見舞いする。
「はーい、火を消すね♪」
甘田さんが手持ちの消火器で炎のブレスを相殺する、なんでこんなに落ち着いてんの
「ねるねる、例のものを」
「ははぁ!」
甘田さんが次にポケットから取り出したのは、一本の刀。
「もなかぁー、パース!」
「おー」
甘田さんはその刀を佐藤さんに投げ、佐藤さんはそれを華麗に受け取った。
「はぁ、はぁ、はぁ...やっと斬れる♡」
もの静かでクールそうな佐藤さんだが、狂気の笑みを浮かべている、まるで恋した乙女のようなすごい嬉しそうな表情、怖さがある。
「え、佐藤さん?」
そう呟いた一瞬、佐藤さんはワイバーンに自ら肉薄した。ワイバーンはかまわず佐藤さんをそのデカい口で嚙み千切ろうとする。
だがしかし佐藤さんの刀の横一文字がワイバーンの口どかろか全身を上下に
「うんうん、血ぃいい♡」
佐藤さんは口回りの返り血を舐めとる。
「アイツずーと殺害衝動抑えててたからねぇ、日本と違って法律なき世界じゃあさど気持ちがいいんだろうねぇ」
「えぇー…」
私は軽く引いてしまったが、立て続くツッコミどころと情報量の多さになんかもうあまり驚くことはなかった。
その後もバッサバッサ斬り倒していく佐藤さん、肉片がぼどぼど落ちてく
「というか地上まであともう少しですよ、墜落死しちゃうぅうううううう!」
「あはは、メグみーいちいち叫びすぎ(笑)」
「みんな、着地体制入るよぉ」
柏田さんは私を持ち上げると身体を大きくひねりある技を披露する。
「軍がパラシュートの訓練で行ってる五点着地ぃ」
私を持ち上げたまま彼女は足裏、ふくらはぎ、太もも、尻、背中にかけて地面に接地させることで見事に衝撃を和らげたのだ。
「大丈夫かいオタクちゃん」
「もう、わけわかんね」
「うん、元気そうで何より」
どこがだよ
「無事着地完了!」
「うふふ、楽しかった♡」
この人たち倫理観を日本に置いてきたのか...
「何はともあれ、さて着いたぞ異世界、そしてグラン大陸東部に位置する東部最大の街シフォンディーアに」
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