第3話
前回までのあらすじ
博士は『助手くん』のことを異性として意識している。しかし博士は『俺』と『助手くん』を判別できない。いくら愛だ恋だと言えども他人を識別などできない。違ったな。エアコンのリモコンの電池切れだったな。
落ちぬ太陽は我々の隊列を照らし続けている。アスファルトはその太陽光によって融解し、我々の足を鈍らせる。我々は駅に辿り着いた。周囲一帯のあらゆる商業施設にエアコンのリモコンの電池は無かった。単四電池である。伝説のアイテムじゃねえんだぞ。
「
我々の誰かが言及した。『最終痴漢電車3』?違うか。音と旋律。シニフィアンとシニフィエ。
終電という
とにかく我々は既に駅に辿り着いている。文章上の表現では途方もない苦労も数単語の文章として表現される。もっと多くのことを伝えるためには多くの言葉を費やさねばならない。
尋常ならざる苦労により九十九人分の切符を購入し、九十九人が終電の胎内に格納された。終電はその長い体躯を載せたレールの上に冒涜的な体液を付着させながら、疾走した。終電は輝く太陽に向かって上昇を始める。
続く。
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