第6話 ハイエルフは王女と同行する
突然とシリアが片膝を付いて敬意を表したので、俺も慌てて真似をする。
「気を使わず楽にして下さい」
「ありがとうございます」
2人は立ち上がり、楽な姿勢を取ったのだった。
「失礼ですが王女殿下が、何故国境付近にいらしたのですか?」
「公国内にある、3個所の遺跡を視察してたのです」
「そうでしたか」
「遺跡は国の管轄でして周りには人々も集まり、不都合な事なども起きる事がありますのでね」
「何も知らず申し訳ありませんでした」
シリアとエリスの話を聞いてる事だけしか出来無い、俺であった
「首都へ向かわれるのですか?」
「はい」
シリアがエリスの言葉に答える。
「私共は最後の遺跡を回り、首都へ向かうのですが強い二方に護衛をお願い出来ませんかね?」
シリアが俺の顔を見るので頷いてみせた。
「是非、ご一緒させて頂きます」
俺達は一緒に馬車へと乗せて貰い、近い街へと向う事と成ったのだった。
「無口なのですね、もしかしてご迷惑でしたか?」
エリスが俺に気を付かう。
「田舎者なので、エリス=アルヘイム王女殿下に、失礼をしては行けないと思いまして」
「ふふふ・・・・もっと気楽にエリスと呼んで下さい、命の恩人なのですからね」
とても感じの良い娘だ。
エリスは街に付いたら護衛の兵士を補充する為に一泊すると言った。
急ぐ事も無かったので、快く承諾したのであった。
全てシリアに任せっきりだ、一人じゃ無くて本当に良かったと心から思ったのである。
街に入り中央噴水で降りると、エリスは馬車で領主の元へと向かって行った。
「俺達はまず宿を探そうか」
「そうね」
街の人に宿の場所を聞くと何件か教えてくれたのである。
その中でも一番良さそうな所にした。
「一泊2人部屋でお願いします」
「銅貨8枚だよ」
言われた通り払うと鍵を預かり、階段を登って行った。
部屋に入るとベッドが2つ置いてある。
「ダスト、何故ベッドが2つあるの?」
「今まで狭かったかなと思ってね」
実は自分の自制心が心配だったからとは言えないよな。
「今日は別々に寝るの?」
小さく悲しそうな声が飛んで来た。
「さてシリア、夕食に行こう」
俺はシリアの腕を取り、半ば強引に引きずり出した。
気持ちを切り替えさせなければ行けない、きっと大きな街だし美味しいものも沢山あるだろう。
広い通りを歩いていると様々な店がある。
「あの店に入ってみよう」
中規模な食堂に2人で入って行った。
奥の席に案内されると適当に料理を頼む。
「後、ぶどう酒を下さい」
「分かりました」
シリアは酒を飲むのか、エルフ族でも15歳からは飲んでも良いのだが、俺は飲んだ事が無かった。
「ぶどう酒って美味しいの?」
「ダストは飲んだ事無いんだ」
俺は頷く。
最初の料理と一緒にぶどう酒が運ばれて来た。
「頂きます」
そう言うと、ぶどう酒をガブガブと飲み始めたのだった。
彼女の意外な一面を知った、俺より1つだけしか歳は変わらないのに、大人な感じに見えたのであった。
「ぷはぁぁあ、美味しいわ」
「それは良かった」
どうやら気が紛れた様で何よりだ。
「お姉さん、ぶどう酒のおかわりー」
「そんなに飲んで大丈夫なの?」
「大丈夫、大丈夫」
ご機嫌に成り過ぎな気もするけど、俺も料理を楽しむ事としたのだった。
「そう言えば、エリスって次期国王なんだよね?」
「そうね、男の子が生まれない限りは王位を継ぐでしょう」
「あんな可愛い娘が国王か、国民も喜ぶだろうね」
「ダストは何を言ってるの、あの娘が私より可愛いと言いたいのかな?」
「そんな事は言って無いよ」
「それならエリスと私では、どっちが可愛いのよ」
酔ってるのかな・・・・
「ぶどう酒おかわりー」
「そろそろ止めといた方が良く無い」
「まだまだ行けるわよー」
ただ気分を良くさせ様と思っただけなのにな
「それでどっちなのよー」
「ああ、もちろんシリアだよ」
「それなら良し」
俺が食事を終える頃には、シリアはコップを片手に眠ってしまっていた。
仕方が無いな、先程思った大人っぽいと言うのは訂正しよう。
料金を支払うとシリアを背中におぶり、宿へともどったのだった。
「おーい、部屋に着いたぞ起きて着替えなよ」
「う、うーん」
無理そうなので、そのままでベッドへ寝かせるしか無かったのである。
ま、明日になれば酔も覚めるだろう、今日は久々のベッドだから俺もゆっくりと寝かせて貰おう。
気持ち良く寝てると、異臭で目が覚めてしまった。
酒の臭いだ。
などと考えていたらシリアが、俺の衣服を脱がせながら首筋にキスをしていたのである。
「シリア?」
「エリスなんかより、私の方が良いでしょう?」
「う、うん」
シリアと唇を重ねる。
「私は何でもして上げるんだからね」
そう言うと俺のズボンを脱がそうと苦戦している
「もう、中々脱がせられないわね」
俺は止めさせる為に引寄せ抱きしめた。
「ダスト、大胆ね」
違う違うー
「スーハァ、ダストの匂い好きだわ」
酔った勢いで勝手に盛り上がってる
カモフラージュも解ける位に興奮状態な様なので、俺はダメだなと諦めた。
「スリープ」睡眠の魔法を唱えた。
シリアを強制的に寝かせ、風邪を引くかも知れないので。
今日も仕方無く温まり合いながら寝るしか無かったのである。。
結局今日も一緒のベッドか2人用の意味が無く成ったな。
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