第5話 ハイエルフは魔物・魔族を倒す
草原が少なく成って行き、街道の脇は森と成った。
それでも街道に出るのは気が引けたので、少し逸れた森の中を進む事にしたのであった。
2時間ほど歩いてると、探索感知に獣3頭を追い掛ける魔物1頭が、こちらに向かって来るのを察知しのである。
「シリア、獣が魔物に追われてやって来る」
彼女の表情が真剣な物に成った。
「僕が倒すから、シリアは後ろで見てて」
「はい」
獣が通り抜ける所の木に隠れると、短剣を2本持ち来るのを待つ
来たな。
獣が通り過ぎた所で、魔物の正面へと出て向かい合う形と成った。
俺の姿を確認すると、足を止め威嚇行動を取り始めたのである。
中型のクマである。
数秒向かい合った所で、こちらに目掛け駆けてくる、俺も正面から走って向かえる。
すれ違う寸前で横に避けると、ナイフを刺したまま走り抜けた。
クマは俺の後ろで一歩程歩くと倒れる。
最後にシリアが剣でトドメを刺したのであった。
「怪我はして無い?」
「大丈夫だよ」
俺の心配した後、彼女はナイフを出しクマから魔法の媒体に成る、結晶を取り出した。
「それは何?」
シリアの持ってる物を指さして聞いてみる。
「これは魔道具に使われる結晶よ、身近な物で言えば鞄や魔道士の杖等に使われる物ね」
「そうなんだ」
何でも昔は高価な鉱石を使っていた様だが、魔物や魔族が出現し結晶を持ち帰り研究した所、鉱石よりも効果の強い物が作れるのが分かったと言う事らしい
「冒険者ギルドに持って行けば売れるわよ」
「おおー」
回収を終えると先へ向かい歩き始めようとしたのだが、何故かシリアに掛けたカモフラージュが解けてる。
「シリア止まって」
「ん?」
彼女に状況を説明して、思い付いた事を少し試したのだった。
「カモフラージュ」変化の魔法を唱えた。
「剣を抜いてみて」
シリアは俺の言う通りにすると、剣を振ったり突いたりいた瞬間効果が切れた。
ナックルグローブと素手に関しても、構えただけでは効果は切れず、繰り出した瞬間に切れる事を発見する。
「こんな仕様が有ったのは知らなかったな」
「今知る事が出来たのはラッキーだったわね」
確かに、不幸中の幸いと思う事とするか。
再びカモフラージュを掛け公国へと向かい始めたのだった。
1時間位歩くと森を抜け高い崖沿いに街道が続いてる状態と成ったのである。
ここを抜けて暫く歩けば、公国の街へと到着する事が出来るはず。
「シリア、マントのフードも念の為被ろう」
「分かったわ」
街道を歩くので、女性が一緒だと面倒事に巻き込まれるかも知れないと思ったからだ。
淡々と街へ目指していると前方から血の臭いを感じ取った。
「サーチ」探索の魔法を唱えた。
どうやら10近い魔族と5人程度の人が争っている様である。
「シリア、この先で魔族が人を襲ってる」
そう言うと俺は走り出した、当然シリアも付いて来る。
「レンジスピードUP」範囲速度上昇の魔法を唱えた。
移動速度を上げた俺達は数分で現場へと到着出来たが、兵士達の方は既に3人と成っていた。
周辺には死傷者と魔族が多く倒れている状態であった。
「ストーンウォール」土壁の魔法を唱えた。
両者を土の壁で分断すると、モンスターの方へと飛び込んで行く。
「シリアは後方で逃げる者を頼む」
相手はゴブリンである、魔族は知能が少ないと教わったが、簡単な連携は取って来る様だ。
全ての個体が範囲に入らないので、後方の杖を持つゴブリン2体を麻痺させ、残りは短剣と魔法で倒す事とした。
横払いされて来た斧を交わすと、喉元を切り裂き。
振りかぶってる者の心臓を一突きにする。
まずは2体
「ウォーターボール」水球の魔法を唱えた。
「ファイヤーボウル」火球の魔法を唱えた。
これで4体
2体並んでる方へ走り出すと、相手は槍を向け構えた。
相手の間合いに入ると、繰り出された瞬間と同時に飛び越え後ろから喉元を掻き切った。
短剣を持ったゴブリン2体は、シリアが余裕そうに相手してるので、残った杖持ちゴブリンの頭を2つ落として終わりにした。
「シリア怪我は?」
「この位の相手なら大丈夫よ」
そう言いながらナイフでゴブリンの腹を切り始めた。
その光景を見て、結晶集めの作業はシリア専属にしようと誓ったのであった。
土の壁を壊すと、馬車の側に3人の兵士が座り込んでいた。
「大丈夫ですか、災難でしたね」
「貴方がたは?」
「冒険者です」
「そうでしたか、助かりました」
マントのお陰でシリアの正体はバレていない様である。
「カモフラージュ」変化の魔法を唱えた。
俺は小声で唱えた。
その後は兵士に手伝い、息のある者を馬車の近くまで運んだ。
「レンジスリープ」範囲睡眠の魔法を唱えた。
「どうして寝かしたの?」
「色々面倒に成るかもだからね、聖なる癒やし、聖なる回復」
ダストは聖スキルを使用して治療を施した。
「なるほどね」
これで傷は治せ体力も回復させる事が出来たのだ。
「起き出す前に立ち去ろうか」
「うん」
視界に入る寸前で解除すれば良いだろうと思いながら、公国の方角へ一歩踏み出した。
「お待ち下さい」
振り返ると、一人の少女と女声が馬車から降りて来た。
寝かせてしまいたい所だが、詠唱するに辺りリキャスト時間が来ていない。
仕方が無い、応じる事とするしか無い様だ。
眼の前まで歩んだ所で少女は、両手をスカートを軽く上げ頭を下げた。
「私はカトルス公国王女、エリス=アルヘイムと申し上げます
今回は危ない所を救って頂きありがとうございました。
隣にいるのが侍女のセイラです」
「冒険者様、姫様を救って頂き真にありがとうございました」
侍女のセイラは深々と頭を下げたのだった。
その後に俺とシリアも名を名乗った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます