第9話 結婚

こうして、俺の風俗店は拡大に拡大を重ねていった。


しかし、ある事件が起きた・・・。


それは、俺の風俗店の向かいに新たな風俗店ができようとしているのだ。


名を『モンスター風俗店』というらしい。


俺んとこの『魔物風俗店』とほぼ変わらねえ、パクリじゃねえか!


まあ、俺のビジネスはかなりうまくいっている。


真似をしようとするやからも出てくるだろうとは思っていた。


しかし、俺の魔物風俗店は俺の擬人化スキルとミラージュのダビングスキルあってこそだ。


そうやすやすと真似はできまい。


そうたかをくくっていたある日、ミラージュがやってきた。


「なあ、社長!

 実はな、モンスター風俗店から、スカウトの話が私に来ている・・・。

 しかも、破格の報酬だ。

 社長がくれる給料よりも高い。」


なに!?


ミラージュはうちの商売の要。


絶対に失うことはできん!


「ミラージュは俺の大事なパートナーだ。

 失うことはできん!」


ミラージュはとても照れている様子。


「パパパ、パートナー!?」


(ミラージュはこの時、婚約のプロポーズをされたと思っている。)


「ああ、パートナーだ。

 よそになんか渡すものか!」


「そ、そ、そんな急に言われても!(もじもじ)

 まだ覚悟が!」


「覚悟?

 覚悟などとうにできているさ。

 こうなることはわかっていたのだからな。」


「ミラージュ。

 お前がどうしても離れるというなら、当然、給料をあげることも考えるぞ。」


「給料なんかどうでもいい!

 社長が私のこと、そんな風に思っていただなんて・・・、それだけで十分よ。」


「なんと。

 給料上げなくていいのか?」


「ああ。私も愛しているぞ、社長。」


「あ、あああああ愛してる!?」


俺はミラージュの突然の愛の告白に驚いた。


俺、愛されてるみたい・・・なんで・・・?


「どど、どういうことだ、ミラージュ!?」


「だって、社長も私のこと、愛しているんでしょ?」


上目遣いで質問されては、愛していないなど言えないではないか。


「あ、ああ。

 愛しているぞ?」


「ね!

 入籍はいつにするの?」


なに?入籍だと!?


話の展開が分からん。


こいつはいったい何を・・・?


「まあ、来週あたりだな。」


俺はなんとなくで答えてしまった。


こうして、勘違いから俺とミラージュは結婚することになった・・・。


「初夜はどうしようかしら?

 今夜?」


なに!?初夜だと?


まあ、ミラージュはかわいいし、ヤりたくないと言えばウソになる。


「あ、ああ。今夜にしよう。」


こうして、今夜、俺はミラージュと結ばれることになった。


---


「うふふ。あなた、もうカチカチじゃない。」


「まあな、ミラージュがかわいいからだよ。」


こっちの世界に転生して、人間と行為に及ぶのは初だ。


しかも、これは風俗ではない。本番もある。


前世含め、童貞卒業である。


しかし、前戯も大切だ。


俺はミラージュの前身という全身を舐めまわした。


「あなたったら、エッチなんだから・・・。」


ミラージュは満足そうな顔だ。


よおし、俺の棒も舐めてもらうぞ!


「じゅぶぶぶぶ、じゅぼぼぼぼーーーー!!!」


これが人間の口の中なのか・・・。


温かくてとろけるようだ。


俺は思わずミラージュの口の中で昇天。


「ごっくん。」


ミラージュはなんと飲み込んでくれた。


なんと愛を感じる行為だろうか。


そして、ついにミラージュの穴の中へ挿れる。


ズブブブブ。


口の中とはまた違う。


温かくふわふわでいて棒にまとわりつく、至高の感触。


俺は数こすりで昇天。


中に出してしまった。


「あなたったら、すごい早いのね。

 かわいい!」


自身の持続力のなさに少し情けなくなるも、満足感でいっぱいだった。


「ありがとう、ミラージュ。

 痛くなかった?」


「ちょっと痛かったけど、大丈夫よ!」


こうして、俺とミラージュはしばらくピロートークを続け、眠りに落ちた。


そして数か月後・・・。


ミラージュが俺に駆け寄ってくる。


「あなた!

 あのね、私・・・妊娠したみたい!」


なにーーー!?


俺もついに父親か!


まさか、あの日の勘違いから、子供まで生まれてしまうとは思いもしなかった。


でも、こんな美人の嫁と結婚して子供まで授かって、俺はなんて幸せ者なのだろう。


風俗店経営もより一層、頑張らなければならない。


「ミラージュ、これからもよろしくな!」


「ええ、もちろん。」


「また面接では、従業員とエッチなことをすると思うが、そこは我慢してくれ。」


「スケベなあなたには何を言っても聞かないってのはわかってる。

 もう、諦めみたいなものよ。

 あはははは。」


寛大な嫁に感謝しつつ、俺は日々の業務に邁進するのであった。

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