第7話 ヴァンパイア

俺はさらに魔物風俗を拡大したい。


そこで、ヴァンパイアの参加を思いついた。


俺はミラージュにアドバイスを求めてみた。


むっつりのミラージュはなかなか良いアイデアをくれるのだ。


「ミラージュ!

 次はヴァンパイア風俗を始めたいんだが、何かいい案はあるか?」


「うーん、ヴァンパイアね・・・。

 人間としては、あまり近付きたくないかもよ?」


「なんで?」


「だってやつら、よだれ垂らして人間の血を吸うでしょう?

 いやよ・・・。」


ミラージュは続ける。


「でも待って。

 逆転の発想が大事かもしれない。

 そう例えば、血を吸われたい!っていう状況を作るの!」


「血を吸われたい状況ねえ・・・。

 そうか、ヴァンパイア風俗は超格安ってのはどうだろう?」


「値下げは単純だけど、簡単じゃない。

 どうやって実現するの?」


「ああ、ヴァンパイアは店で働くとき、給料は安めにする。

 その代わり、客の血を吸ってもいいっていうルールにするんだ!

 客としては、血をあげるだけで安く気持ちよくなれるだろう?

 お互いにウィンウィンの関係なんだ、完璧だろう!?」


「たしかにね、それならいけるわ! 

 さっそくヴァンパイアを雇いましょう!」


そうして、俺はヴァンパイアの町のギルドを訪れていた。


ヴァンパイアは魔物の中でも知能が高い。


ゆえに、人間のようなコミュニティを形成しているのだ。


受付に声をかける。


「あのう・・・。」


「はい、本日はどのような・・・って人間!?

 なんておいしそうな血液・・・じゅるり。

 っと、じゃなかったわ。

 人間が何の御用で?」


人間がヴァンパイアの街を訪れるのは珍しい。


自ら血液を吸われに行くようなもの。


たとえるなら、蚊の大群に突っ込むようなものだ。


「ああ、ヴァンパイアを雇いたくてね。」


「あら、珍しいこと。

 どんな用途ですか?」


「ああ、人間にご奉仕する仕事に従事させたい。

 報酬は、金と血液だ。」


「血液!?」


周りが少しざわつく。


ヴァンパイアにとって人間の血液は至高の逸品だ。


喉から手が出るほど欲しいはず。


「わ、わかりました。

 では、その仕事・・・。

 このわたくしがお受けします!」


え? この人、受付だよね?


うちに転職するってこと!?


「君、受付なのにいいのかい?」


「ええ。

 こんな仕事より、人間の血液をもらえる仕事のほうがいいに決まってます!!!」


なんと、あっさり決まってしまった。


さて、ヴァンパイアの見た目はほぼ人間だ。


擬人化する必要もないかもしれんが、一応やってみよう。


「擬人化!!!」


ヴァンパイアの受付は、より人間らしく変化した。


美しい黒髪。色白の肌に映える赤い瞳。ちらりと見える牙。すごくいい見た目だ。


「私はヴァンパイアのモルガナ。以後、お見知りおきを。」


こうして、ヴァンパイアのモルガナが仲間に加わった。


そして、このうわさを聞きつけ、すぐにもう数人のヴァンパイアも雇うことになった。


ちなみに、給料は0.5万グラナ。


みんなに比べ、約半額の給料だ。


それでも、血液がもらえるのならと、みんな喜んでこの給料条件を納得してくれた。


これで、ヴァンパイア風俗は、その他の風俗の半額で実施できることになった。


これは大盛況間違いないだろう。


さて、ヴァンパイアのモルガナの実技面接の開始だ。


---


俺はズボンを下ろす。


ボロンっ!!!


すでにギンギンだ。


すると、モルガナはすかさず俺の棒を咥えた。


そして・・・。


ガブッ!!!


俺の棒は吸血されてしまった。


吸血により、みるみる俺の棒は小さくなる。


「プハーーーー!!!

 なんて高密度の血液!!!

 こんなおいしいの生まれてはじめてよ!」


たしかに、男の棒は血液によって大きくなる。


つまり、血液の塊だ。


ヴァンパイアにとっては極上の棒なわけだ。


だが、行為の途中に吸血されては、不完全燃焼で終わってしまう。


俺はモルガナに注意した。


「まてーーーい!!!

 行為中に棒の血液を吸ってはダメだ!

 しぼんでしまってフィニッシュできないだろう!」


「あら、そうなの?

 じゅるり・・・。」


「せめてフィニッシュしてからだ!

 それまでは別の部位から吸血しろ、いいな?」


「はーい。」


モルガナはそう言うと、俺の棒をしゅこしゅこしながら俺の肩に嚙みついた。


血液が吸い出され、ほんの少し意識がボーっとする。


あ、これやばいかも。


薄れる意識の中でしゅこしゅこされ、俺は昇天寸前。


そして、モルガナは俺の棒を口に含む。


「じゅぼじゅぼじゅぼーーーーー!!!」


薄れる意識の中、棒をじゅぼじゅぼされる。


俺は一瞬でフィニッシュ。


そして、フィニッシュの時に俺の棒はもっとも血液を集める。


そこをモルガナは見逃さない。


すかさずがぶっと噛みつき、吸血した。


俺の棒はフィニッシュとともに吸血によって急激にしぼんだ。


「プハーーーー!!!

 ごちそうさま・・・じゅるっ・・・。」


モルガナは恍惚の表情。


一方の俺は昇天の表情。


これぞ、ウィンウィン風俗である。


「モルガナ!

 これは今までにないシステムの風俗だ、素晴らしい、合格!!!」


こうして、超格安ヴァンパイア風俗は完成した。


開店後、予想通りの大盛況であった。


俺の風俗店は正直言って安くはなかった。


この超格安ヴァンパイア風俗は、そのイメージを見事に逆手に取ったのだった!!!

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