第6話 カゲツカイ

次はカゲツカイ。


カゲツカイは黒いモヤのような魔物。


カゲからカゲへ移動し、相手をカゲに誘い込み、その中で戦う魔物だ。


カゲツカイはこの町にはいない。


野生から捕まえるしかない。


しかし、野生の魔物は、この町にいる魔物ほど友好的ではない。


ということで、索敵も戦闘もできるワーウルフのルナをお供に、俺はカゲツカイ探しの旅に出た。


「私、こう見えても一時期は月光のルナと呼ばれるほどの腕前だったのよ!」


そりゃ頼もしいことで。


「で、なんで擬人化を解かないんだ?」


「人間の姿も意外と悪く無くてね。

 こっちの姿もけっこう戦いやすそうなんだ。」


巨乳がゆっさゆっさしているが、戦いにくくないのだろうか・・・?


さて、カゲツカイの里に着いた。


まずは里長に挨拶を。


「こんにちは。

 町で風俗店を経営している者です。

 ちょっとカゲツカイをスカウトしに来ました。」


「スカウトじゃと?

 実はのお、そんな場合ではないのじゃ。」


なんだろう?


「なにかお困りごとでも?」


「それがのお、わしらの農作物をワーウルフが盗み食いしよるんじゃ。」


って、こいつら農作業すんの!?


野菜食べるの!?


ルナが口をはさむ。


「ワーウルフだと!?

 同じワーウルフとして、看過できんな・・・。」


「里長、俺たちがワーウルフの村に言って何とか話をつけてくる。

 そうしたら、カゲツカイの里の一番の美人を雇わせちゃくれないか?

 給料も弾む。」


「ああ、嫁にやるわけでもなかろう?

 貸すくらいならええぞい。

 お安い御用じゃ。

 金もくれるならなおさらじゃわい。」


よし、決まりだ。


ワーウルフの村へ行こう。


そうして、俺とルナはワーウルフの村へ行った。


ワーウルフの村に着くと、何やらワーウルフたちが群れている。


「今からカゲツカイの里の食糧を盗みに行く、いいな!!!」


「おーーー!!!」


今から襲いに行くらしい。


ルナは急いでそいつらのもとへ駆け寄った。


「まてーーーい!

 なぜカゲツカイを襲う!?」


「ん? お前、ここの村のワーウルフじゃねえな?

 まあ、よそ者だが、教えてやろう。

 今、ワーウルフの村は食糧難にあってな。

 よそから食料を調達しなければどうにもならんのだ。」


「食糧難? 動物を狩ればよいではないのか?」


「いいや、それがな。

 ドラゴンの動きが活発化していてな。

 動物たちは住処を追われ、どこかへ消えてしまったんだ。

 で、俺たちは農作業のやり方を知らんし、他から盗むしかなくなったんだ。」


「なるほどな。

 社長、どうにかならないだろうか?」


「食い物があればいいんだな?

 簡単なことよ。

 俺、けっこう貯金あって、使い道もないし、お前らの飯代に使っていいぞ。」


「まじか!?

 なんて太っ腹な人間だ!」


こうして、一時的ではあるが、俺はワーウルフの村を食糧難から救ったのだった。


俺たちはカゲツカイの里に戻り、村長に報告した。


「やはり、食糧難じゃったか。

 我々で農作業のやり方を教えてやらねばならんな。

 でなきゃまた襲われてしまうわい。」


「そうだな。そうするといい。

 で、約束の美女カゲツカイはどこだ?」


「ああ、わしの娘で良ければ。

 ほれ、シャドウじゃ。

 よろしく頼むぞ!」


カゲツカイのシャドウが仲間に加わった。


「よろしくね、社長!

 で、私は何をするの?」


「人間の男を気持ちよくする仕事についてほしいんだ。

 マッサージみたいなもんだ。」


「それはいいはね!

 やってみたい!」


「時給は1万グラナでどうだ?」


「え!?

 そんなにもらえるの!?

 やったー!

 ぜひ、お願いします!」


こうして、俺たち一行は俺たちの風俗店に戻った。


そして、シャドウの実技面接が始まった。


---


「擬人化!」


シャドウは擬人化した。


褐色の肌に黒魔導士のようなコスチュームだ、なかなかいい。


俺はズボンを下ろした。


「わああ!

 人間のここって、こんな風になってるんだね!」


シャドウはまじまじと見つめる。


「ああ、ここをこうすると、気持ちよくなる。

 やってみな?」


すると、シャドウは俺の棒をしごいた。


しゅこしゅこしゅこーー!


気持ちいいんだが、なにか物足りない。


「カゲツカイならではの、なにかサービスはないか?」


すると、シャドウは影の中に入り、手招きをする。


俺も影の中に入ってみる。


おー、中は薄暗くて狭くてひんやりしている。


たとえるならば、学校によくある更衣室のロッカーの中みたいだ。


シャドウと密着して肌が触れ合う。


肌が触れ合うたびに電撃が走るような感覚になる。


この状況、かなり興奮する。


俺の棒は超絶敏感モードになっていた。


「いまだ!いましゅこしゅこするんだ!」


「はい!

 しゅこしゅこしゅこー!」


俺は一瞬でフィニッシュ。


狭い空間での密着しゅこしゅこはとんでもない破壊力だった。


「よし、シャドウも合格!

 ぜひうちで働いてくれ!」


シャドウの参加により、カゲ風俗が完成した。


しかも、これのいいところは、影の中が部屋のようなものなので、敷地面積を節約できる点だ。


利益率もぐんと上がる。


こうして、俺の風俗店はまた一歩拡大したのであった。

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