第2話 ワーウルフ

俺はケモノ風俗を始めることにした。


ケモノと言えばワーウルフだろう。


もふもふだし、案外人懐っこいらしい。


俺は早速ワーウルフを雇うことにした。


「やあ、よかったら時給1万グラナで働かない?」


俺はいつもの口説き文句を言う。


「なに? 風俗?

 安くなーい??」


ええええ!


スライム娘はこれで承諾したのに!


ワーウルフは鼻や耳が効く。

警備関係で手に職があるのだろう。


スライムは手に職をつけるのが難しいので二つ返事で了承してくれた。


くうう、ワーウルフめ、足元を見やがる。


もう少し時給あげるかあ。


「ちょっと待って、じゃあ、1.1万グラナ!」


「それならまあいいわよ。

 私はルナ。よろしく。」


「よし、擬人化!!!」


ワーウルフはもふもふ猫耳娘に変わった。


人懐っこそうな愛くるしい見た目だ。


俺はルナを連れて実技試験を行った。


---


俺は素っ裸になり、ルナに抱きつく。


もふもふのふかふかがやさしく全身を包み込む。


なんだろう、全身を羽毛布団で挟まれたような・・・。


それでいて、もふもふの奥にある柔らかい肌からあたたかな体温を感じる。


鼻腔をくすぐるケモノ独特の香りと、コロンの香りが混ざって、何とも言えないクセになる香り。


俺はもふもふに顔をうずめ、ッスーーーーっと鼻で匂いを吸い込む。


プハーーーー


いい香り・・。


「ちょっと、社長。

 くすぐったいってー!!!」


「おっと、すまない。

 あまりにもふもふでね、つい。」


風俗では、嬢の機嫌を損ねてはいけない。


嬢の気持ちを汲み取って、お互い気持ちよくなるように事を運ぶことが必要なのだ。


俺は、彼女がくすぐったくないよう、控えめにもふもふした。


お次は、口でしてもらおうとしたが、ワーウルフは牙が鋭い。


こんな牙だらけの口でサービスされては、アソコが血まみれになってしまう!


「ちょっと牙は丸く研いでくれないかな?」


「えーーー、それだと、獲物を狩れなくなっちゃうじゃない!」


なるほど、それはワーウルフにとっては死活問題だな・・・。


俺はしばらく考え、ふとひらめく。


「マウスピースを付けるのはどうだい?」


我ながら名案だ。


マウスピースを付ければ、棒をくわえても、棒を傷つけることはないだろう。


しかし、マウスピースは樹脂でできている。


この世界には樹脂を加工するような高度な科学技術は存在しない。


うーん。


俺は再び考える。


そうだ!


スライムのジェルを使えばよいのではないか!?


俺はライムを呼び出た。


「なんですか? 社長。」


「ああ。

 ワーウルフのマウスピースを作りたいのだが、ライムのスライム粘液をジェル状に固めて作れないだろうか?

 人間の男の棒をだな、口でサービスするときに、歯で傷つけないようにしてほしいのだ。」


「それなら可能よ!

 いまから作ってみるわ!」


ライムはそう言うと、自身の身体から粘液を取り出し、コネコネッとこねた。


すると、その粘液がそれらしい感じの形に成形された。


これなら使えるかもしれん。


「でも、私の粘液はそう長くはもたないから、使い捨ての道具になるわよ。」


まあ、使い捨てでも十分だろう。


「ルナ!

 試しにこれを装着してみてくれないか?」


「はいよ。」


ルナは口を開けて、スライムマウスピースを装着した。


「なんだかヌルっとしていて気持ち悪いね・・・。」


ルナは不服そうだった。


しかし、サービスの時に装着してもらうだけだ。


時給も上げてやってるんだし、多少の不満は我慢してもらう。


「まあ、サービスを始めてみてくれ。」


すると、ルナは俺の棒を口に含む。


「じゅぼぼぼぼーーー!」


うおおおおお!


なんて快感だ。


スライムのジェルはそのままでは冷たい。


だが、ルナの口の中の体温で温められたスライムのジェルが俺の棒にまとわりつく。


温かく、そして優しく包み込まれ、じゅぼじゅぼと上下される。


これはたまらない。


俺は一瞬でフィニッシュした。


「うえええ、にっがーーーい!!」


ルナは俺の精なる液を口に出され、不服そうだ。


「飲んでくれ、それもサービスの一環なんだ!」


「こんなものを飲むだと!?」


「ああ、そうすると、人間の男は喜ぶんだ。頼む。」


俺は土下座で懇願した。


ニート時代、よく親に土下座で金をもらったものだ。


安いものだ、土下座の1度や2度。


「まあ、そこまで言うなら仕方ないな。

 ごっっくん!!!」


俺の精なる液がルナの喉を通った。


この征服感、たまらない・・・。


俺は満足した。


「よくやった、ルナ。

 面接は終了、君は合格だ!」


「よくわかんないけど、これをやるだけで1.1万グラナなら安いものね。

 しかも人間の男に喜ばれるなら一石二鳥。

 これからよろしく、社長。」


こうして、ルナを筆頭にしてワーウルフ班が形成された。


そして、スライムマウスピースは意外にも人間のラブグッズとして爆売れした。


装着する側は少し気分が悪いが、ご奉仕される側の気持ちよさは尋常ではないと話題になったのだ。


こうして、風俗店経営は順調に拡大していった。



============ 作者あとがき ============


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