梨の礫
その後も
「にいさまにいさまあ~、なんでえ、どうしてえ。
タマル冠は机に突っ伏して、めそめそ泣いていたかと思うと、急に両手を握りしめ、今度はぽかぽかと腹を叩き出した。俺は何事かと戸惑いながら傍観していたが、
「ヨシヨシ、タマル冠。お気を確かに。もう一人だけのお身体ではないのでしてよ」
「そういや、そろそろ妊娠五ヶ月くらいか」
は。今なんつった。五ヶ月前って、丁度出てってすぐじゃんか。
「ぐすん……ちゃっかりしてますね。結局
「
週数なんか分かんない。
「じゃあそれは、タマル冠と誰の子供なんですか。まさかハイタークとかじゃ……」
「察しの悪い方ですこと。それともわざと言っているのですか、
「まあ
「ええ。叔姪婚でしたとか」
「高貴な方々も大変だよな~、ただあまり内輪で固めるのもどうかと思うが」
なんでそんなに平気で話せるの。俺には理解できないし、したくもない。
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